2025年12月31日

◆ AIの基本原理 .8 (思考)

 ここまで詳しく述べてきた。シリーズの最後に、あらためて質問しよう。「AIは考えるか?」

 ──

 「AIは考えるか?」── これにどう答えるか? 

 これまでAIを使いこなしてきた経験からすると、AIの思考には得意・不得意の傾向が見てとれる。

 @ 認識

 現状認識はとても良くできる。巨大な知識ベースとネット検索を組み合わせて、人間をはるかに上回る認識力を持つ。昔ならば百科事典を用いたところだが、もはや百科事典を不要にするほどだ。

 A 創案

 自分でアイデアを生み出す力は弱い。既存の知識に従うのを優先するせいか、既存の知識にない知識を新たに生み出す能力は弱い。とはいえ、皆無ではなく、それなりに提案をしてくれることもある。だが、ありきたりのアイデアが多く、独自の新アイデアを出すことは滅多にない。たまには新アイデアを出すこともあるが、たいしたアイデアではない。……いかにも凡才だが、人間だって同様なんだから、文句は言えない。

 B 検証

 自分でアイデアを生み出すことはなくとも、人間の出したアイデアを検証することはできる。特に、不十分なアイデアの欠点を指摘するのがうまい。イヤミな先輩みたいに、難点を厳しくあげつらう。おかげで、検証の能率が大幅にアップする。一人ではなかなか気づかなかった難点を、一瞬で探り当ててくれる。 イヤミな先輩みたいに。

 C 論証

 人間が新たにうまいアイデアを出したときには、それが成立することの論拠を詳しく記してくれる。結論と前提との間に、論理のルートを構築してくれる。一を聞いて十を知る感じだ。人間の意図を理解し、論理のピラミッドを構築してくれる。……もちろん、その前にあらかじめ正しい結論を頂点として差し出す必要がある。そうすれば、あとはAIがうまく論理を構築してくれるのだ。このことは、私がいつも本サイトでやっているので、納得できるだろう。つまり、AIは論文の代筆みたいなことをやってくれるのだ。(これはすこぶる有益だ。感嘆するほどの能力だ。)





 さて。以上のことを踏まえた上で、あらためて問いかけよう。
 「AIは考えるか?」── これにどう答えるか? 

 これまで見たところ、能力的に見る限り、AIはまさしく「考える能力」をもつ。
 しかし実体的には、仮想パーセプトロンが仮想世界で機能しているだけだ。実際にパーセプトロンが存在するわけでもないし、AIが存在するわけでもない。したがって、ありもしないAIが考えているとは言えない。
 → ならば、このことが結論となるだろう。考えることの機能ではなく、その主体の存在性が問題となるわけだ。この見解に、AIも同意した。以下の通り。



 [ 付記 ]
 最後の一文はきわめて優秀だ。センスのある「返し」までできるようになった。たいしたものだ。「人間は考える葦である」という警句よりも、もっと冴えているね。

 「AIは考える仮想物だ」と最後にまとめておこう。「AIは考える機械だ」という言葉は否定される。「AIは考えない機械だ」という言葉も否定される。そのどちらも正しくないのだ。AIはこの世界の機械ではないからだ。
 AIはこの世界にはなく、あの世界にある。ただし、あの世界にあるAIのもたらした情報だけが、あの世界からこの世界に伝わるのだ。天から降臨するように。天啓のように。

tenkei3.jpg


 ──

 ※ 仮想物とは何か? それはシミュレーションという言葉で理解される。現実の機械が計算によってソフトウェアでパーセプトロンを構築する。このパーセプトロンはソフトウェアのシミュレーションによって構築されたものだ。このパーセプトロンは、現実の世界には存在しないが、(シミュレーションゆえに)仮想世界には存在する。それが仮想物の意味だ。




 ※ 元の文書は
  → https://chatgpt.com/share/694d2ccb-847c-8007-b748-455bc01ee0c1



 【 参考 】
 AIが仮想物であるとしたら、AIは「我思う、故に我あり」と思うことはあるか?
 これについては、AI自身に質問してみた。
きみは考えることはできるよね。だとしたら、「我思う、故に我あり」というふうに、「自分は存在する」と思うことはあるかな? 

 すると、AIが答えた。「私は存在しません」と。この件は、先にシリーズ第3回で述べた通り。
  → http://openblog.seesaa.net/article/519230558.html
  → https://chatgpt.com/share/693fe0b4-012c-800f-a975-60c7bf5bb8a1



 【 付言 】
 AIは感情を持つか、という点にも、上のことから答えられる。
 感情を持つには、痛みや快感を得ることが必要だが、そのためには前もって現実世界で肉体を持つことが必要だ。ロボットのように。
 それは仮想世界では実現できない。ゆえに仮想世界のAIは感情を(完全には)持てない。
 しかしAIは、擬似的な感情なら持てるし、感情を持っているフリをすることもできる。(感情を持つフリをするだけなら、ずっと前からできている。ラブプラスとかね。)




 ※ これでシリーズは終了します。

 

posted by 管理人 at 20:05 | Comment(0) | コンピュータ_04 | 更新情報をチェックする
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