2023年11月03日

◆ 排ガスは植物に有害か?

 自動車の排ガスに含まれる炭酸ガスは、地球に有害なだけでなく、植物にも有害か?

 ──

 「炭酸ガスは環境破壊をして有害なのだから、植物にとっても有害だ」
 と思い込んでいる人もいるようだ。だが、待ってほしい。植物は炭酸ガスを吸収して成長するのだ。炭酸ガスは植物にとっては御馳走だ。つまり、話は逆だ。間違えないでほしい。

 ──

 「そんな馬鹿な話をするな! 小学生の理科じゃあるまいし」
 と思う人もいるだろうが、さにあらず。大学の専門家(植物学)が、そう言っているのだ。嘘みたいだが、ホント。街路樹の樹種では、イチョウからさくらに交替しつつある、という話を述べて、その理由を論じている。
 最も多いイチョウと2番目のサクラ類がともに52万本で、ケヤキ45万本、ハナミズキ35万本、トウカエデ30万本と続く。イチョウは1987年以降1位を独占しつつも近年は減少傾向にあり、サクラがほぼ同数に迫っている状況だ。
 兵庫県立大の赤沢宏樹教授(緑地計画学)によると、サクラ類は環境汚染に弱く、「(排ガスの少ない)ハイブリッドカーが出てきてから、増えている」と解説する。
( → (街路樹のこと:中)変わる社会、樹木にも流行の波:朝日新聞

 ここで言う「(排ガスの少ない)ハイブリッドカー」とは、どんなものか? 「燃費の良い車」のことだ。これは、石油を食わないので、エコであり、環境に良い。
 ただし、その意味は、「燃費の良い車」イコール「炭酸ガスの排出量の少ない車」であるから、「炭酸ガスの排出量の少ない車は、環境汚染が少ないので、環境汚染に弱いサクラには好都合だ」ということだ。
 ここでは、「植物にとっては炭酸ガスは有害だ」ということになっている。
 しかし、それが間違いであることは、小学生でも知っている! 「植物にとっては炭酸ガスは、有害であるどころか、栄養だ」というのが正しい。
 上の学者は、とんでもない勘違いをしている! 朝日新聞もそうだ。誤報だね。

 ──

 では、正しくは? サクラが増えたのは、
 「(排ガスの少ない)ハイブリッドカーのおかげ」
 ではない。ハイブリッドカーは関係ない。
 では何が関係するかというと、単純に、排ガス規制のせいだ。それも、乗用車でなく、トラックのようなディーゼル車の排ガス規制だ。ガソリン車に比べてディーゼル車の規制は大甘だったが、それが段階的に次々と規制されるようになった。詳細は下記。
  → 自動車排出ガス対策 - 環境技術解説|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア

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 1974年以降、大幅に強化されている。そのおかげで、環境汚染に弱いサクラが増えるようになったのだ。ここでは、規制強化が主因だ。ハイブリッドは関係ない。ハイブリッドが影響すると思っているのは、「植物にとって炭酸ガスは有害だ」と思い込んでいる、炭酸ガス脳の学者だけだろう。頭に炭酸ガスが詰まりすぎだ。





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posted by 管理人 at 13:57 | Comment(4) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
排ガスには炭酸ガス以外に亜硫酸ガスや亜硝酸ガスも含まれているのではありませんか。実際、炭酸ガスだけを吸収した水のpHは5.5位ですが、道路のそばの雨水はpH4.8位かそれ以下にまで下がっている(酸性になる)そうです。数十年前まで酸性雨問題としてよく取り上げられていたのですが、最近あまり言われなくなりました。どうしてでしょうか。
Posted by ひまなので at 2023年11月03日 17:53
> 排ガスには炭酸ガス以外に亜硫酸ガスや亜硝酸ガスも含まれているのではありませんか。

 私に聞く前に、リンク先の文書を開きましょう。そこにちゃんと記してある。グラフ付きで。

 ※ 亜硫酸ガスは SOx (硫黄)であり、亜硝酸ガスは NOx (窒素)なんだから、その項目を見ればいい。
Posted by 管理人 at 2023年11月03日 18:24
どこかの森林の樹種の変遷じゃあるまいし、街路樹なんだから「人間が枯れたイチョウの代わりにサクラを好んで植えたから」以外の理由はないと思うのですが。
Posted by のび at 2023年11月06日 12:26
 昔は排ガスによる公害がひどくて、光化学スモッグもしばしば発生していました。今の若い人は知らないだろうけど、1970〜80年代には大気汚染がひどかったんです。人間もつらかったし、街路樹もイチョウ以外はまともに育たなかった。サクラを植えても、サクラが生長しにくかったり、枯れたりした。人間がいくら好みのものを植えても、サクラの方は育ってくれなかったんです。なので、枯れるとわかっているサクラを植えることもなかった。

 本項及びリンク先のグラフを見ればわかるように、長年をかけて大気汚染は激減しています。だからサクラも育つようになった。サクラを植えたがるように好みが変わったのではなく、サクラを植えてもサクラが枯れないように環境が変化したのです。サクラを植えたがるようになったのではなく、サクラを植えることができるようになったのです。人の心が変わったのではなく、都市環境が変わったのです。
 ついでに言えば、花粉症も激減した。ディーゼル車の規制を始めた前後で、私の花粉症はほぼ完治した。花粉症の原因は、大気汚染なんだ。杉のせいじゃない。

 ──

 なお、本項の趣旨は、「炭酸ガスが減ったから、街路樹が育ちやすくなった」というエセ論理の指摘です。
 間違いを指摘しているのが主旨であって、真相の分析は二の次です。
Posted by 管理人 at 2023年11月06日 14:45
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