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ふるさと納税には、反対論が多い。本サイトでも前に述べた。
→ ふるさと納税は合法的な脱税: Open ブログ (2015年01月30日)
この時点では、反対論を唱えるのは本サイトぐらいだったが、それから何年もたつうちに、反対論者も増えてきたようだ。
特に、世田谷区や横浜市(の首長)は、自分のところからの税の流出が多いということから、「ふるさと納税をやめてくれ」と声を上げることもあるようだ。
一方で、ふるさと納税への賛成論も多い。たとえば、財政規模が小さい田舎の自治体だと、特産品を提供することで、都会の自治体から金を奪えるので、「金が入るので、ふるさと納税は有益だ」と主張する。
といっても、その金は、自分で稼いだ金ではなくて、よその自治体の財布の金を奪って得た金だから、泥棒を正当化するにも等しい。[ ※ とはいえ、ここでは、泥棒をした人(住民)と、金を得た人(田舎の自治体)とは、別である。そのせいで、「金を盗む」という泥棒行為が目立たない。かくて泥棒が野放しになる。]
ただ、泥棒の是非は別として、「所得の再配分」という意味で言えば、「豊かな都会の金を、貧しい地方に再配分する」という方針そのものは、間違っているとは言えない。
たとえば、東京都は金がありあまっているせいで、やたらと無駄遣いをする。五輪で莫大な無駄遣いをしたし、太陽光パネルや V2H でも無駄な浪費をする。( → 前項 )
こういうふうに、ありあまる金を浪費してばかりいる東京都から、金を徴収して、その金を地方に再配分する方がいい。……そういう発想も成立する。(地方重視主義)
かくて、ふるさと納税には、反対論と賛成論とが並立する。そのどちらも、言い分はもっともだ。
では、どちらの言い分を取るべきか? 「あちらが立てば、こちらが立たず」という感じだ。困った。どうする?
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。
ここでは、「あちらが立てば、こちらが立たず」という感じがある。なるほど、一見したところ、そうだ。しかしながら、よく考えると、そうではない。
実は、「あちらも立つし、こちらも立つ」という解決策がある。つまり、反対論者も賛成論者も、そのどちらの言い分も満たす、両立的な解決策がある。
それは、こうだ。
・ ふるさと納税そのものは廃止する。
・ ふるさと納税にかわる代案を新設する。
その代案とは? こうだ。
「ふるさと納税とは別の形で、東京都の税を地方に配分する」
ただし、そういうことをするためには、そのための名分が必要だ。その名分は、こうだ。
「東京では、全国規模の会社の本社が東京にあるせいで、東京でだけ集中的に納税している。特に、法人税がそうだ。そこで、法人税については、法人税の地方自治体分を減額する」
こういう形で、東京都の取り分を減らす。かわりに、国の取り分を増やして、その増えた分を、田舎の県に再配分する。(法人税について)
こうすれば、法人税(のうちの地方分)を、東京から田舎に再配分するということで、ふるさと納税の狙いと同じことが達成される。しかも、ふるさと納税における、さまざまな弊害をなくすことができる。
・ 馬鹿げた返礼品の問題。
・ ふるさと納税のサイトばかりが儲かる、という問題。
・ 金持ちばかりが集中的に得をする、という問題。
・ 都会の自治体の必要財源が奪われる、という問題。
これらの問題を一挙に解決できる。
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こうして問題は一挙に解決する……と思えたのだが、現実には、そうではないようだ。
実は、ふるさと納税の廃止はしていないが、代案の方は、すでに実現済みであるようだ。下記に説明がある。
平成28年度の税制改正により、法人住民税の法人税割の税率が「5.9%」引き下げられました。引き下げられた税率の内訳は、都道府県分が「3.2%→1%」の2.2%、市町村分が「9.7%→6%」の3.7%となります。
また、この引き下げ相当分で、以下の表のように地方法人税(国税)の税率が5.9%引き上げられました。
( → 平成28年度 )
このことに従えば、法人税率の引き下げの分、東京都は減収になっているはずだ。ところが現実には、そうなっておらず、ほとんど変わらないと見える。

出典:令和元年度 都税収入決算額について | 東京都主税局
これはどういうことか? よくわからん、というのが、私の感想だ。
本項では、一応の解決策を出したのだが、現実の数字を見ると、ちょっと齟齬があるようにも見える。
「あとは、ふるさと納税という制度を廃止するだけでいい」
というふうになるのか、どうか。……どうも、はっきりとはしないので、ここでは断言しないで、「よくわかりません」と結論しておこう。
※ 科学技術の話はともかく、税制の話は、私は素人に近いので、よくわかりません。
[ 付記 ]
ふるさと納税では、世田谷区や横浜市が「税収の流出が大きい」と嘆いている。これらの地域は、都会というより、都会のベッドタウンである。住宅地が多くて、企業はあまり多くない。だから、ふるさと納税による個人住民税の流出が大きい。
一方で、港区や千代田区のような都心部は、住民が少なくて、企業が多い。これらの地域では、ふるさと納税による個人住民税の流出が少ない。
つまり、現行のふるさと納税は、「都会の庶民から、地方の庶民へ」という金の移動があるだけで、あくまで庶民同士での損得が生じるにすぎない。いわば、貧しい者同士の争いである。その間、港区や千代田区のような都心部に住むような富裕層は、税の流出も少ないまま、ふるさと納税による高額の返礼品をもらってウハウハとなる。(実質的に大幅減税となる。)
この問題を解消するには、個人住民税による地域格差の是正でなく、法人税による地域格差の是正が必要となる。……それが、本項で示した趣旨だ。「物事の本質を考えると、こうあるべきだ」という方針による。
( ※ 本項は一応、基本原理を示した。それで現実にうまく解決ができるかどうかは、また別の検証が必要だろう。)

背景の解説。