2023年07月18日

◆ マイナンバーと投薬情報

 マイナンバーを使うことで投薬情報を共有できる、と言われるが、実態は使い物にならないそうだ。

 ──

 朝日新聞が報じている。
 マイナンバーカードと保険証を一体化した「マイナ保険証」に移行すれば、データに基づく質の高い医療を受けられる――。政府はこうメリットを強調するが、現場の医師からは「現実は、なかなかメリットを享受しにくい」との声もあがっている。
 マイナ保険証をめぐり……厚生労働省は、活用することで過去に受けた診療実績や薬の処方、受診歴が確認できると説明する。
 しかし、現場の医師には懐疑的な見方もある。
 というのも、医師らが薬の処方歴などを閲覧できるまで時間がかかるためだ。マイナ保険証の医療情報は、診療報酬明細書(レセプト)という医療費の請求データがもとになっている。厚労省によると、レセプトがマイナ保険証のデータとして反映されるのは、診療を受けた月の翌月11日以降。閲覧可能となるまで、長いと約1カ月半かかることもあるという。
 直近のデータは閲覧できない
ため、「結局、『お薬手帳』を持ってきてもらうのが便利、ということになる」
( → マイナ保険証、便利なの? 情報閲覧に1カ月半も 医師「中途半端」:朝日新聞

 せっかくデジタル化したのに、デジタルデータを扱えないので、データの反映に1カ月半もかかる。本来ならば即時に反映するべきなのに。……馬鹿丸出しですね。
 これを解決するには、どうすればいいか? 電子処方箋を使って、データを即時反映すればいい。
 実際、電子処方箋は導入された。ところが、その普及状況は惨憺たるもので、半年を経過したあとでも、2%しかないそうだ。
 「電子処方箋」の運用が全国で開始されてから、間もなく半年を迎える。政府は2024年度末にほぼ全施設をカバーするとの目標を掲げるが、導入している医療機関・薬局は、わずか2%。
( → 電子処方箋、導入わずか2% 運用半年、実績伸び悩む―厚労省「目標達成、厳しい」:時事ドットコム

 普及が進まない理由は何か? 記事では「導入と運用にコストがかかっている」とか、資格証明書「HPKIカード」の発行に時間がかかっているとか、理由が掲げられているが、それだけではあるまい。「電子処方箋と紙の処方箋のどちらか一方だけ」という運用方法がまずいのだ。それよりは双方を一本化して、「紙の処方箋に QRコード を印刷する」というふうにすればいいのだ。これならば普及が容易になる。
 この件は、前に詳しく解説した。そちらを参照。
  → 電子処方箋の問題: Open ブログ

 これができないのだから、「デジタル化」という方針について、国は何もわかっていないことになる。



 [ 付記 ]
 こういう問題は、本来ならば、デジタル庁が指導するべきだ。
 ところがマイナンバーの問題では、デジタル庁自身が欠陥体制で、行政監査を受けることになっている。
 マイナンバー(個人番号)に別人の情報が登録された一連の問題で、個人情報保護委員会(個情委)が、デジタル庁に立ち入り検査をする方針であることがわかった。早ければ月内にも実施する。個情委は重要な個人情報であるマイナンバーの利用に際し、「リスク管理と対策ができていなかった」とデジタル庁の責任を重くみており、マイナンバー法にもとづく行政指導も視野に検討を進めている。
( → マイナ問題、デジ庁に立ち入り検査へ 行政指導も視野 情報保護委:朝日新聞

 とんだ赤っ恥だ。間抜けの極み。

  ※ デジタル庁は、まともなトップがいないことが致命的だな。ろくに知識もないおばさんが事務方トップになったぐらいだし。
   → デジタル庁トップはIT素人: Open ブログ


posted by 管理人 at 20:38 | Comment(1) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 マイナンバー問題 個人情報保護委がデジタル庁に立ち入り検査 | NHK
 → https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230719/k10014135751000.html

> マイナンバーの公金受取口座に別の人の口座が登録されるミスが確認された問題で、政府の第三者機関である個人情報保護委員会は19日、デジタル庁の対策が不十分だった可能性があるとして、立ち入り検査を実施しました。
Posted by 管理人 at 2023年07月20日 09:36
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