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元の話は、1年ほど前の記事だ。
→ 「人生の最後にこんな目に」 老朽団地建て替え、行き場ない高齢姉妹 [東京インサイド]:朝日新聞デジタル
それから1年ほどを経て、建て替えが正式に決まった。その記事が出た。
→ 築58年の「国立富士見台団地」建替え 589戸のマンションに - Impress Watch

これにともなって、「1年前のあの住民はどうなった?」ということも話題になった。
・ 建て替え後の新居に移るには、1000万円ほどの支出が必要。
・ その金がない人は、権利を売って、出て行くしかない。
・ 出ていく場合には、権利の代金として、3000万円弱を受け取る。
3000万円ほどを受け取れるのなら、とてもハッピーだろう……と思うのが普通なのだが、朝日新聞はなぜか「可哀想」と報じる。
「住み慣れた家を出ていくのはつらい。ここ以外で生きていく方法が考えられない。困る」
という趣旨。
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だが、この話には、重大な点が抜けている。こうだ。
「建て替えをしなければ、老朽化が急速に進むので、修繕費の費用が莫大にかかる。今のように安価な管理費・修繕費だけで済む状態が永続するわけではない。さらには、遠からず、解体費のための負担も莫大にかかる」
つまり、現状維持というような道は存在しない。「現状維持」(何もしない)という道を選べば、必然的に、莫大な支出を迫られる。「ろくに金を払わないで住み続ける」という道は、もともとないのだ。マンションというものは、もともと消耗品でしかないからだ。そのことが、記事ではすっぽりと抜けている。住民である老人の身勝手な妄想(金がかからない天国状態)というものを、無批判で前提としていうだけだ。……ほとんど誤報と言ってもいいぐらいの、虚報である。
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そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「ここは1棟のマンションではなく、いくつもの棟が集まった団地である。そこで、5棟ぐらいのうち、1棟だけを残して、4棟だけを改築すればいい。残りの1棟は、古いままにしておく。そこに、改築したくない住民を、まとめて居住させる」
これはつまり、「違う棟への引っ越し」である。棟は変わるが、以前とほぼ同じ生活をすることができる。
そのあと、どうするか? 現状では、築 58年であるそうだ。老朽化は進んでいるが、耐えきれないというほどではない。そこで、あと 10年ぐらいは、このまま住み続ければいいだろう。そして、10年たったら、その時点で建て替える。このとき、(土地上昇の分だけ)不動産価値は上昇しているので、評価額は現状の 2900万円ぐらいから、3500万円ぐらいにまで上昇しているだろう。一方で、住民の年齢は 10歳上がっているので、余命は 10年短縮しているだろう。
例示すると、こうだ。(現年齢 70歳の場合)
《 現在 》
評価額 2900万円
現年齢 70歳
余命 20年
年間可能利用額 2900万円/20年 = 145万円
《 10年後 》
評価額 3500万円
現年齢 80歳
余命 10年
年間可能利用額 3500万円/10年 = 350万円
つまり、「違う棟への引っ越し」を選んだ住民は、マンションの売却代金で、年間 350万円を使えるようになる。これなら、他の賃貸住宅に移っても、何も不満はあるまい。(月 30万円ほどの賃貸住宅を借りることができるので、すごく豪華な暮らしができる。武蔵小杉のタワマンの一部も可能かもしれない。)
かくて、めでたし、めでたし、となる。
[ 付記 ]
ただし、この方式を取ると、「全棟一括の改築をすることによる最適化」という条件が満たされず、非効率化による損失が発生する。その分を、該当の古い住民が負担するとなると、評価額 3500万円から 1000万円ぐらいを没収されて、2500万円ぐらいしか受け取れなくなりそうだ。それでも、残余期間が 20年から 10年に短縮されることで、年間可能利用額は 250万円ぐらいを維持できそうだ。
とはいえ、10年間の生活の質の悪化もある。そのことも考慮すると、損得勘定で言えば、現時点で売却した方がお得だろう。それでも、「どうしても売却したくない」という人たちの思いを汲むなら、「損してもいいのであれば、そうすれば」という意図で、以上の方法を提示してもいいだろう。本人が納得できるのであれば、金銭的には損してもかまわないのだ。

ただ、高齢になると先々なんて知ったこっちゃないという人が一定程度出てきます。数多のマンションの大規模改修で、どうしても必要な修繕工事を頑なに拒否して引っ掻き回す住人がいるわけです。
高齢になると賃貸の貸し渋りされるので困る、ということがあるので、2900万円もらって不便でない地方都市の格安物件を買ったほうがいいのかも。
→ https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/sinsai/20/rensai/201409/0007291639.shtml
木造住宅でなく鉄筋マンションならなおさら。1980年以後の鉄筋マンションなら、倒壊して死者が出ることはないだろう。修復不能なほど破壊されるだろうが、どうせ建て替えるなら、どっちみち、同じことだ。
今回は築58年なので、1965年(昭和40年)の建設。耐震基準は 1980年よりは甘い。倒壊して死者が出るかは、微妙。