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試算は次の通り。
政府の経済財政諮問会議(議長=岸田文雄首相)は26日、少子化対策によってどれくらい出生率や人口を増やせるかの試算値を公表した。児童手当や住宅支援などの支出を国内総生産(GDP)比で1%程度(約5兆円)増やすと、出生率が0.05〜0.1上がり、対策をとらない場合と比べて2060年時点の人口が90万〜180万人増えるとしている。
長期的な政策投資の効果を分析することで、どういった政策を優先すべきかを議論する狙いで、同会議の民間議員4人が提出した。
( → 支出5兆円増→出生率0.05〜0.1上昇 国、少子化対策で試算:朝日新聞 )
この試算はペテンである。なぜか? 支出だけを考えていて、財源のことを考えていないからだ。これはつまり、「空から金が降ってくる」とか、「打ち出の小槌がある」とか、「アラジンの魔法のランプ」とかの、荒唐無稽な(非現実的な)虚構を前提としたおとぎ話にすぎない。子供向けにおとぎ話をするのならまだわかるが、現実の政策にこんな虚構を持ち出すのはペテンも同様だ。
では、正しくは? 「支出には財源(歳入)が必要だ」ということだ。そして、財源として金を国民から吸い上げれば、その分、人口増にはマイナスの効果が働く。
・ 増税すれば、国民が貧しくなり、人口減となる。
・ 社会保険料を上げれば、低所得の国民が貧しくなり、人口減がひどくなる。
特に後者が大事だ。少子化対策費のために、社会保険料を上げれば、20代の低所得労働者(結婚できないでいる非正規雇用の労働者)が、ますます貧しくなって、ますます結婚できにくくなる。
この効果が、政府の少子化対策の効果を上回る、ということは十分に考えられる。
・ 結婚した夫婦に支給金を出す。
・ 結婚できない独身者から、社会保険料を奪い取る。
つまり、金はこう移動する。
結婚できない人 ──→ 結婚できた人
こういうふうに金が流れれば、どうなるか? 結婚できないでいる人々がますます結婚できなくなる。そのせいで、非婚率が上昇して、少子化がいっそう悪化する。……それが現実だろう。
なのに政府の諮問会議は、それとはまったく逆のおとぎ話を提唱する。「打ち出の小槌」のような、ありもしないことを前提として。……ひどいペテンだ。
【 関連項目 】
本項と同趣旨のことは、前にも別項で述べた。
第1に、社会保険料のアップではダメだ。(前にも示した通り。)しかも、さらに、「これは逆効果だ」とすら言える。若い低所得の独身者が、金がなくて結婚できない、というのが現状だ。ここで、若い低所得の独身者を集中的に狙って、社会保険料のアップをしたら、ますます結婚できなくなる。そうなれば、ますます少子化が進む。「少子化を防ごうとして、子持ちの夫婦に金を出す」というふうにしたら、「まずしい独身者が結婚できなくなって、ますます少子化が進む」というふうになるわけだ。まさしく逆効果。政府の方針に従えば従うほど、どんどん少子化が進むわけだ。
( → 逆効果 )
[ 付記 ]
フリーランスというのは、実質的には非正規雇用の一環だと見なしていいだろう。企業としては(正規雇用より)非正規雇用を増やしたいので、そのうちの一つとしてフリーランスという形態を選ぼうとするわけだ。
ではどうして企業は非正規雇用を選ぼうとするのか? それは、社会保険料の企業負担分を免除してもらえるからだ。そこが大きい。(実質的に賃下げできる。)
しかし、本来ならば、非正規雇用では失業率が高いので、失業保険料を大幅に上げるのが筋だろう。したがって、正しい方策は、こうだ。
・ フリーランスにも、社会保険料の負担を求める。
・ 企業には、社会保険料の企業負担(★)を求める。
・ フリーランスとの契約では、労働者との契約以上に、★ の負担割合を高める。
(現行では労働者と企業が折半するが、フリーランスの場合には企業負担を倍額ぐらいにあげるべき。)
【 関連サイト 】
関連する話題として、「フリーランス新法の成立」ということがある。
《 フリーランス、改善へ一歩 条件明示、トラブル防止/単発の仕事、対象外 》
取引先に対する立場が弱いフリーランスが、安心して働けるようにするための法案が成立する見通しになった。
不利な取引の是正と、育児・介護との両立など働く環境の整備の二本柱だ。ただ、残された課題も多い。
一方的な報酬の減額や取引の打ち切りが禁止されるのは、取引を一定期間続けた発注元に限られる。
( → (時時刻刻):朝日新聞 )
この法律で守られるのは、「取引を一定期間続けた発注元」との仕事に限られるそうだ。つまり、単発の仕事は対象外であるそうだ。
平田氏は、単発の取引の方がトラブルに発展する可能性が高いとして、「今後の実態を見つつ、単発でも(規制が)必要だとなれば、法改正などで改善してほしい」と述べた。
と記事に記してあるが、こんな点で尻抜けのザル法では、まともに効果があるまい。ひどいものだ。
これでは、単発の仕事では、契約違反のやり放題になりかねない。あまりにもひどいので、あいた口が塞がらない。政府や自民党のでたらめさ加減は、あまりにもひどい。
先に、下記項目で、難民のひどい待遇を紹介した。
→ 難民送還は宗主国へ: Open ブログ
ここでは「難民はかわいそう」と思った人が多いだろうが、かわいそうなのは難民だけじゃない。日本のフリーランスもまた同様なのだ。ここでは「情けは人のためならず」ということが成立する。難民を虐待する政府や自民党を放置すれば、自分たち自身もまたそういう虐待を受けるハメになるのだ。

子供が多い世帯は高収入でも生活は苦しいですよ。
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『岸田内閣、子供がいる年収850万円以上の世帯に対して扶養控除廃止で実質増税へ』
https://sn-jp.com/archives/126080
さらに調べると、そのモデルは子供1人の場合だ。子供2人や子供3人ならば、大幅に得をする。
子供1人ならば(ちょっと)損をするのは、やむを得ない。子供2人の人が大幅に得をするのであれば、やった方がいい。
> 子供が多い世帯は高収入でも生活は苦しいですよ。
子供が多ければ、高収入でも給付増になります。ならないのは子供1人以下の場合だけ。
扶養控除は、子供一人ごとに加算されるので、定額ではありません。したがって、
> そのモデルは子供1人の場合だ。子供2人や子供3人ならば、大幅に得をする。
ということはありません。
紹介された記事のように
「子供がいる年収850万円以上の世帯に対して扶養控除廃止で実質増税へ」
は、人数に関係なく、成立します。
年収850万円以上の中・高所得者は、損しますね。
・ 高所得者が損して、低所得者が得する、という方針自体は、正しい。
・ しかしそれが子育て世帯だけに限られるのは、正しくない。
と言える。したがって、正しい改定は、
「高所得者が損して、低所得者が得する、という方針を、子育て世帯とそれ以外に共通して実施する」
という方針だろう。
そうすれば、子育て中の家庭ばかりが負担増になる、ということはないので、子育て中の家庭の負担増は緩和される。
具体的には、たとえばこうだ。
・ もっと一般的な増税(累進課税)をする
・ 児童手当の給付額をもっと増やす
こうすると、かなりの高所得者でも、子育て家庭では得をする。一方、子育てをしていない家庭は、損をする。
だが、これをやると、独身の若者はさらに増税になって貧しくなるせいで、ますます結婚できなくなるので、少子化はいっそう悪化する。
その点は、本項で述べた通り。
多子世帯は少子化対策に貢献しているので、所得の高低にかかわらず税制面で優遇されるように制度設計すべきなのに、岸田政権はどこまで無能なのかと思いますね。
子供が多い方が損とわかれば少子化がさらに進みます。
まぁ、自分の息子をマトモに育てられないくらいなので子育て政策に関心を持っていないのが岸田の実情でしょう。
岸田は完全に財務省&木原官房副長官の操り人形ですね。