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そもそも、東日本大震災は、どうしてこれほど多くの被災者をもたらしたのか? それは、地震の規模もさることながら、油断が大きかった。地震学者は東海沖地震と東京直下地震のことばかりを心配していた。東北沖の大地震のことなど、まったく念頭になかった。油断である。それゆえ、東北地方の人々は、津波に対してどう行動したらいいのかもわからないまま、あたふたと行動した。そのせいで、大川小のような惨事も起こった。
本当を言えば、東日本大震災は予想できたはずなのだ。それには、過去の歴史を見れば足りた。過去には東北地方で、何度も巨大地震があった。そこから東日本大震災も予想できたはずなのだ。
・ 貞観地震 (869年)
・ 明治三陸地震(1896年)
・ 昭和三陸地震(1933年)
これらはいずれも多数の津波被害をもたらした。(昭和三陸地震は、ちょっと規模が小さめだが。
・ 寛政地震(1793年:寛政5年)
次の重要な結論が得られる。
「三陸沖地方では、百年にいっぺんぐらいの割合で、定期的に大地震が起こっている。ただし、それが大きな津波被害をもたらすか否かは、偶然による差が生じる」
結論。
三陸沖で大地震が起こるか否かについては、「百年にいっぺんの割合で起こる」というふうに、かなり規則性があるとわかる。それは決して予測不能なことではない。
ただし、大地震にともなって津波被害が起こるか否かは、はっきりとしない。
( → 慶長三陸地震と寛政地震: Open ブログ )
津波被害が生じるかどうかは不明だが、大地震が起こること自体は十分に予測可能だった。過去の歴史を見れば。
なのに、人々は(特に地震学者は)三陸沖地震の再発を予想できなかった。なぜか? その理由は、こうだ。
「東日本大震災の震源地(三陸沖)は、長らく微小地震がほとんど起こらないという、微小地震の空白域だった。そこでこの地域を、地震の起こりにくい安全地域だと見なした」
しかし事後的には、こう解釈された。
「東日本大震災の震源地(三陸沖)は、長らく微小地震がほとんど起こらないという、微小地震の空白域だった。それはこの地域では、地殻の歪みのエネルギーが解放されずに、溜まっていたからだ。エネルギーが解放されなかった分、ずっと蓄積された歪みのエネルギーは、あとで一挙に大量に放出された」
つまり、この地域で「微小地震がずっと起こらなかった」ということは、「その地域は地震の起こりにくい安全地域だ」ということを意味せず、「その地域は地震が起こらなかった分、エネルギーが解放されずに蓄積されているので、大地震が起こりやすい危険地域だ」ということを意味する。なのに、前者だと勘違いして、後者だとは思わなかった。そのせいで、油断が生じたのである。
※ 以上のことは、NHK の番組で放送された。その説明は、本サイトでも前に紹介したような気もするのだが、いくら調べても見つからない。とすると、紹介したことはなかったらしい。本項が初めての紹介かもしれない。
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ともあれ、以上のような理由で、こう結論できる。
「過去の地震の歴史的記録を見れば、将来の地震を予測することは可能だ」
「地震のエネルギーは一定期間において蓄積するので、ほぼ定期的に(規則的に)大地震というものは発生するものだ。100年置きぐらいで、同地域に大地震が起こることは珍しくない」
このことから、東日本大震災は、十分に予測可能だった。それができなかったことは、地震学者の責任もあるが、私としても痛恨の限りだ。私の愚かさを反省したこともある。
→ 東日本大震災についての反省: Open ブログ
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さて。そのことを敷衍(ふえん)できそうだ。つまり、過去の歴史を見ることで、将来の地震を予測できそうだ。そう思って、過去の巨大地震を調べてみた。
→ 巨大地震 - Wikipedia
すると、三陸地震、東海沖地震、南海トラフ地震のほかに、もう一つ、目立つ地震が見つかった。濃尾地震だ。
濃尾地震(のうびじしん)は、1891年(明治24年)10月28日に濃尾地方で発生した巨大地震であり、M8.0の日本史上最大の内陸地殻内地震(直下型地震)である。
( → 濃尾地震 - Wikipedia )
思えば、関東大震災と阪神大震災については、大々的に話題になってきた。なのに、濃尾地震についてはほとんど話題になっていない。これだけがすっぽりと人々の頭から抜けている。
新聞でも、「濃尾地震の再発の危険」というような話題はほとんど出てこない。「過去の地震の慰霊祭があった」というような地方ネタがあるぐらいだ。
→ 濃尾地震から130年 石碑守る名古屋の古刹で犠牲者追悼:朝日新聞
ただし、よく調べると、将来の予想をした記事もある。そこでは、「濃尾地震の再発の危険」ではなく、その逆(安全性の保証)がなされている。
――濃尾断層帯を震源にした大きな地震が、再び起きる可能性はあるのですか。
「たまっていたひずみが130年前に一度解消されたので、その断層では地震が起きにくくなるという考え方は確かにあります。国の地震調査研究推進本部が05年にまとめた長期評価によれば、根尾谷断層帯や梅原断層帯については、今後30年も今後300年も地震の発生確率は『ほぼ0%』とされています」
( → 死者7千人「濃尾地震」から130年 内陸直下型地震はまた起こるか:朝日新聞 )
こんなふうに安全性を保証していいのだろうか? 東日本大震災でも、地震学者が「安全だ」とお墨付きを与えた領域で、まさかの大地震が起こったのだ。地震学者の予想ほど、当てにならないものはない。
実際、この記事でも、話はこう続く。
「歴史をひもとくと、南海トラフ沿いで起きた地震の前後で、内陸の活断層による直下型地震が増える傾向にあります。1944年と46年の昭和東南海地震と南海地震の前後、45年の三河地震や48年の福井地震など、M7前後の直下型地震が起きています」
南海トラフ沿いで地震が起こることは、十分にありそうだ。そして、それに先だって、次の濃尾地震が起こることも、十分にありそうだ。たとえば、こんなふうに。
2026年 …… 濃尾地震が再発。
2030年 …… 南海トラフが発生。
今のところ、地震学者は南海トラフ地震のことばかりを考えている。しかし、えてして、こういときには、予測を外す形で、別のところで大地震が起こるものだ。たとえば、阪神大震災も、東日本大震災も、地震学者がまったく予測していないところで大地震が起こった。その一方で、地震学者が予想していた東海沖地震・南海トラフ地震・東京直下地震などは、まったく起こらなかった。
地震学者は「濃尾地震は起こらない」と予想している。ならば、実際には、濃尾地震が起こることは十分にありそうだ。(ジンクスで。)
【 関連サイト 】
→ 濃尾地震(明治24年) - 岐阜県公式ホームページ(防災課)
【 関連動画 】
