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電通は、五輪組織委と癒着して、国民の金を食い物にした。この件は、談合問題などで、何度も報道されたとおり。(本サイトでも扱った。)
一方、まるで漫才のような(笑いたくなるような)呆れた浪費の例が新たに発覚した。TBSの 報道特集 による調査。(2023年3月4日)
報道特集が入手した、会場ごとの人件費などが記された組織委員会の内部資料。
一覧表には、それぞれの役職にかかる人件費の単価が書かれている。例えば「運営統括」の単価は東京スタジアムが日当30万円、国技館が日当18万7000円となっている。
人件費の日当を示す欄には「チーフディレクター:単価12万円」「リーダー:単価10万円」などと書かれている。だが無観客が決定した後も、この単価が変更されることはなかった。
「広告代理店から常時、約10名の方が来ていただいて、同じ事務所で仕事をすることになった。単価を聞くと1人20万円で。1日20万円ですね。それが4年間続いた」
計算すると、1人あたりの人件費は4年間で1億9200万円。10人だとすると19億円以上になる。
その業務は、B氏にはこんな風に映っていたという。
「連絡業務という役職がありまして『連絡業務って何?』と聞いたら、『本社(広告代理店)との連絡業務です』と。特に『これ会社に持っていって』と言われた物を持っていくだけ」
ーーでもそれが常にあるわけじゃないですよね?
「ないですね。ほとんどみんなのお茶を汲んだりとか、本人は(20万円)もらっていないのですが、その代理店には1日20万円払っていた」
組織委元職員C氏「私が見ている限りでは、委託した(広告代理店の)業務に対する仕事をしていただけ。そもそも組織委員会の職員としての仕事をしているところを目にすらしない。もう疑問だらけでした」
( → “お茶汲み”する職員に1日20万円…五輪費用3.6兆円オーバーの“裏側” 組織委元職員が告白【報道特集】 | TBS NEWS DIG (1ページ) )
何も仕事をしていない職員に1日20万円を払う。といっても、職員にはそんな金は入らない。単に組織委が電通に1日20万円を払って、そのうちの一部が職員に払われるだけだ。結局、組織委が払った金の大部分は、電通に中抜きされる。
これはもう、実質上、業務上横領に等しい。ただしそれが正当な業務という契約になっているので、すべては合法化されているだけだ。どれほど金を盗もうが、それが正当な契約な形を取っている限り、法的には合法になるわけだ。
普通ならば、盗まれた人が被害者になるのだが、五輪の場合には、盗まれたのが国の金だから、直接の被害者はいない。しいて言えば国民全体が被害者だが、それだと国民の痛みは薄い。だから電通は国民の金を盗み放題だ、というわけだ。
で、それがどうして罰せられないかというと、盗んだ金の一部を賄賂として自民党に渡すからだ。

まったく、呆れた話だ。
こういう問題があるので、何とかしなくてはならない。そこで朝日新聞の社説は、三回も電通問題を扱っている。
今回、だれの、どのような働きかけや意思決定がそれを崩したのか、とことん精査すべきだ。スポーツ事業に限らず、そこに官・民の癒着を防ぐカギもあるのではないか。
( → (社説)東京五輪談合 被害は広く国民に及ぶ:朝日新聞 )
なぜ東京五輪・パラリンピックで汚職や談合事件が起きたのか。どうすれば今後の巨大イベントで腐敗を防げるのか。
五輪や世界選手権など、大規模な競技会を運営する組織のあり方やその進め方について、守るべき原則や規範の指針案をスポーツ庁が公表した。
ガバナンスコードを土台にした今回の指針案の方向性は理解できる。ただ、具体性や実効性には疑問が残る。汚職は「個人の犯罪」である一方、談合は「主催者・組織の犯罪」だ。再発防止策を、より重層的に構築していくことが欠かせない。
指針案に物足りなさが否めない背景には、裁判や捜査が進行中という事情もあり、問題の肝となる東京五輪に対する本格的な調査は組織委の元職員10人からヒアリングした程度にとどまったこともあるだろう。
とはいえ、注目すべき指摘もある。例えば、組織委の理事会は監督機能を果たせていないことを踏まえ、業務をしぼり、職務を執行する意思決定の権限は他の会議体などに委譲することを提案している。また、役員や職員が業務に関連する企業や団体から派遣される可能性をふまえ、利益相反がないか、独立機関を設けて管理する必要性をあげている。
圧倒的な力を持つ電通に加え、広告業界全体が問題の根幹に深く関わっている。その構図をふまえ、より総合的、抜本的な解決をはかるべきだ。
( → (社説)大会運営指針 五輪の腐敗は防げるか:朝日新聞 )
近年の五輪では、経験を重ねた国際的な運営エキスパートが不可欠だが、東京大会への参画には限りがあった。それが、電通など日頃からスポーツ界との関係が深い広告会社への「丸投げ」につながった面もある。
広告会社とスポーツ界の力関係から見直していかねばならない。競技団体は選手出身者の集まりで、組織・イベント運営にたけた人材はそういるわけではなく、組織も脆弱(ぜいじゃく)だ。一部の団体を除き、資金調達のスポンサー集めから、テレビ放映や報道態勢などを含むイベント運営など、あらゆる面で頼り切ってきた実態がある。
( → (社説)五輪談合起訴 再生の道のりは険しい:朝日新聞 )
この指摘を踏まえて、私も論じよう。
(1) 利益相反
利益相反については、上記では「役員や職員が業務に関連する企業や団体から派遣される可能性をふまえ、利益相反がないか、独立機関を設けて管理する」というスポーツ庁の案が紹介されている。
だが、これでは不足だ。利益相反については、本サイトでは厳しく指摘したことがある。
→ 五輪組織委の汚職:その本質: Open ブログ
→ 五輪組織委の汚職と安倍: Open ブログ
→ 談合事件と組織委・電通: Open ブログ
ここには明白な「利益相反」があるのだ。「利益相反がないか調べる」なんていう悠長な方針を取るべきではないのだ。はっきりと利益相反を禁じる必要がある。
(2) 対策
では、利益相反を禁じるとして、その対策はどうするべきか? これについては、すでに説明済みである。
「五輪においては、発注者と受注者を分離するべきだ。電通は受注者たる業者の側なのだから、組織委の構成員からは完全に排除されるべきだ。また、仮に電通の社員が組織委の一員に入っていると判明した場合には、その時点で、電通を受注業者から排除するべきだ」
( → 五輪談合の根源は電通: Open ブログ )
利益相反が起こる構造は簡単だ。「一人二役」みたいな構造がある。だから、その構造を排すればいい。このようなことは、小学生でも理解できそうだ。
(3) 電通の分割
朝日社説は、「圧倒的な力を持つ電通に加え、広告業界全体が問題の根幹に深く関わっている。その構図をふまえ、より総合的、抜本的な解決をはかるべきだ」と論じている。だが、これではあまりにも抽象的だ。具体的には何をするべきか?
そこで私が提案しよう。「電通を会社分割せよ」と。
現状では、電通がガリバーとなって1極集中ふうになっている。そこで電通に任せるしかない、という構図になっている。ならば、この構図を改めるには、電通を会社分割すればいい。二つまたは三つに分割しても、2位の博報堂よりも大きくなるはずだ。
ちなみに売上高は、電通が 4.5兆円、博報堂が 1.3 兆円で、電通は博報堂の3倍以上の規模だ。
→ 【メディア企業徹底考察 #9】電通と博報堂の業績比較
なお、会社分割をする法的根拠はあるかと言えば、もちろんある。独占禁止法だ。1社の独占・寡占による弊害がこれほどはっきりとしているのだから、会社分割をする理由は十分にあると言える。
だいたい、ここで会社分割ができないのであれば、公取委の存在価値はない、とすら言えるだろう。
[ 付記 ]
別案もある。こうだ。
談合事件に対して、巨額の課徴金、罰金を徴収する。損害賠償の要求でもいい。これは法的根拠があってのことではないので、一応は「お願い」の形になる。なお、もし電通がそれを拒めば、以後は政府の契約から排除すればいい。「悪質起業なので永久に排除」という方針を取っても差し支えない。一方、電通が金を払えば、「反省した」と認めて、以後の契約を許容すればいい。
ともあれ、この方針を取ることで、電通の不当利得を没収できる。
とはいえ、これは現実にはできない。なぜなら、今回の電通の泥棒行為は、自民党と結託してのことだからだ。癒着である。
だから、仮に上記のように「没収」の方針を取れば、電通はこう反撃するだろう。
「そんなことをしたら、自民党に金を流したことを、洗いざらい暴露してやるぞ」
こう言われたら、自民党の側は、顔が真っ青だ。あわてて出した手を引っ込めて、口をふさぐだろう。
だから、「電通を懲らしめる」という方針は、事実上、実行が不可能だ。少なくとも、自民党が政権を握っている間は。
( ※ 自民党が下野すれば、話は別だが。)
【 関連動画 】
「9カ月間の入札資格停止」という処分だが、こんな短期間では、電通は委託も痒くもないだろう。形だけの処分。馬鹿にしているね。
YouTube のコメント欄でも、「永久停止にしろ」という声のオンパレードだ。
