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五輪の談合があったことが、2月8〜9日ごろに報道された。テスト大会で談合があり、テスト大会の担当会社がそのまま本大会を受注した。それを主導したのが組織委の森泰夫・次長で、電通の逸見晃治・局長補と協調して、談合を導いたようだ。
→ 元官僚らが占める組織委、業者選びは元次長頼み 問われる今後の運営:朝日新聞
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ここで、主導した森泰夫・次長は、組織委に属しており、もともとはスポーツ組織の出身である。
森元次長は大学まで陸上の中距離選手で、卒業後は東急電鉄で都市開発などに携わった。04年に退職して日本陸上競技連盟に勤務し、日本オリンピック委員会(JOC)委員や東京マラソン財団理事も務めた。
( → 入札「出るよね」念押し 組織委元次長、自負の闇 五輪運営7年「危機管理の博物館」:朝日新聞 )
したがって、この人は電通の社員ではない。だから、この談合を主導したのが電通だ、とまでは言えない。
とはいえ、この事件の全体をもたらした根源は電通だ、というのが、私の判断だ。
そう思ったので、そう判断するための推理を、あれこれと開陳しよう……と思って、準備していた。(名探偵の推理)
ところが、あにはからんや。名探偵が推理するまでもなく、事件が急展開してしまった。「真犯人は電通である」という記事が、大々的に報道されてしまったのだ。2月16日の朝日新聞・1面トップの記事だ。

一部抜粋しよう。
《 「入札を有名無実化し…」電通幹部出席の会議資料に明記 五輪談合 》
東京五輪・パラリンピックの運営業務をめぐる談合事件で、大会組織委員会による発注が始まる2年前の2016年、広告最大手「電通」の社内会議で「入札を有名無実化して電通の利益の最大化を図る」などと記した資料が共有されていたことが、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部はこの資料を入手しており、こうした考えが、電通が談合を主導した背景にあったとみて調べている。
電通から組織委に出向中の幹部職員が16年、大会運営業務の発注見通しなどについて情報共有する会議の開催を、電通本体の五輪担当者らに呼びかけた。この幹部職員が作成し、電通社内の会議で示したプレゼン資料には、発注形式が入札になる想定で「入札を有名無実化して電通の利益の最大化を図る」などと記されていた。
( → 朝日新聞 )
電通の組織ぐるみの犯行であったようだ。かくて「真犯人は電通だ」と判明したことになる。
私が推理するまでもなく、直接的な証言や証拠が得られたわけだ。先に真相が判明してしまったのでは、今さら名探偵が登場して、真相を推理しても、証文の出し遅れみたいだ。時期が遅くなりすぎた。しまった。
とはいえ、私が「電通こそが根源だ」と言おうとした推理そのものは、妥当であったことになる。
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なお、電通が五輪の諸悪の根源であることは、これまでも本サイト内で、何度か指摘してきた。
→ https://x.gd/PCvOf (サイト内検索)
そして、そういうふうになったことの根本原因は、次のことだ。
「五輪においては、発注者である組織委と、受注者である業者とが、分離されていない。その双方を電通が兼ねている。これでは(電通が)自分で自分に発注しているのも同然だ。こんなことでは五輪を電通の食い物にされることになる」
したがって、取るべき体策は、次のことだ。
「五輪においては、発注者と受注者を分離するべきだ。電通は受注者たる業者の側なのだから、組織委の構成員からは完全に排除されるべきだ。また、仮に電通の社員が組織委の一員に入っていると判明した場合には、その時点で、電通を受注業者から排除するべきだ」
ところが、現実には、そうならなかった。組織委は大会のたびに新規に組織されるので、能力のある人がいなくて、電通からの出向者に依存した。おんぶにだっこというふうだった。これほどにも組織と電通とは癒着していた。そのことは、記事でも指摘されている。
背景には、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会のいびつな構造がある。
実務の司令塔役だった事務総長は、初代財務事務次官の武藤敏郎氏。その他の主要ポストも国や東京都の出身者や出向者が占め、過去に五輪や国際スポーツイベントの運営に関わった幹部はほとんどいなかった。
2012年ロンドン五輪では国際スポーツ大会の運営経験を持つ人材が、国籍を問わず組織委のメンバーに起用された。これに対し、東京の組織委は人件費を抑える目的や言語の問題から、海外人材の登用に消極的だった。
その結果、組織委内でスポーツイベントに関する知見を持つ人材は限られた。テスト大会の運営にあたる専門性の高い事業者の選定も、日本陸連から出向していた森元次長らに頼り切る構図となった。
( → 元官僚らが占める組織委、業者選びは元次長頼み 問われる今後の運営:朝日新聞 )
明らかになったのは、五輪に携わる公の意識に欠けた組織委に、電通が加担して作り上げた「出来レース」だった。
「今回の談合は、発注者である組織委と業界最大手の電通が一緒になって主導したという点に尽きる」。捜査関係者はそう語る。
( → 五輪談合、地検が重視する「一覧表」 捜査山場で電通が迫られた選択:朝日新聞 )
上の記事には、こうある。
「東京の組織委は人件費を抑える目的や言語の問題から、海外人材の登用に消極的だった。」
人件費を節約するために、海外の有能な人材を起用しなかった。そのせいで、国内の人材に欠乏して、電通に頼ることになった。そのせいで、電通が組織を思うままに食い物にするようになった。「入札を有名無実化して電通の利益の最大化を図る」という方針を立てるまでになった。
ここでは、「わずかな人件費をケチったせいで、巨額の金を電通に食い物にされた」という結果が生じた。一文惜しみの百失い。それを圧倒的な大規模でもたらしたことになる。千万円単位の人件費をケチったせいで、千億円単位の巨額の金を食い物にされたわけだ。
いかにも自民党らしい、と言えるだろう。(いつも自分たちが、国の金を食い物にしているから。)
