2022年11月05日

◆ 準詐欺罪と統一教会

 頭の弱い人をだまして金を取る行為には、準詐欺罪が適用される。ならば、これを統一教会の霊感商法にも適用するべきだ。

 ──

 頭の弱い人をだまして金を取る行為には、準詐欺罪が適用される。実際に逮捕に至る事例があった。
 「電磁波攻撃の被害を受けた」などと相談してきた人が心神耗弱状態であることに乗じて不当に調査料を支払わせたとして、警視庁は2日、探偵事務所運営会社「マピオティブ」(東京都渋谷区)の経営者、安藤巨樹(なおき)容疑者(49)ら3人を準詐欺容疑で逮捕した。
 刑法の準詐欺罪は、知識が浅い未成年者や心神耗弱な人らの判断能力が不十分なことに乗じて金品を得た場合に成立する。人を欺く行為がなくても不法に利益を得る意図があれば犯罪となり、10年以下の懲役の罰則がある。
 被害に遭った2人は「電磁波攻撃を受けた」「集団ストーカーの被害に悩んでいる」などと事務所に相談していたという。
( → 「電磁波被害解決」かたり不当に調査料得た疑い 東京の探偵業者逮捕:朝日新聞

 この事例では、妄想にとらわれた依頼者を、うまく口車でだまして、不正な調査料を繰り返し支払わせていたようだ。つまり、たとえ本人が承諾していたとしても、相手が正常な判断力をなくしているのに乗じて、大金をだまし取ったら、(詐欺ではないが)準詐欺罪として、逮捕に至るわけだ。

 ──

 そこで私は思った。「これを統一教会の霊感商法にも適用できるはずだ」と。
 統一教会の霊感商法は、信者の心の弱みにつけ込んで、人をたぶらかして、大金を巻き上げる商法だ。上記の準詐欺罪の典型とは言えないまでも、一応はその範囲に含まれると考えていいだろう。
世界基督教統一神霊協会(統一教会)の霊感商法

 それまでの体質改善をアピールするトークに代え、「壺は霊界を解放するため」とか、“救いのためには血統を転換しなければならない”という教団の教義を使い、「高麗人参は血を清めるため」というように体系化し、基本トークを作り上げた。

 この種の商法というのは人の弱みといいますか、人の不安につけ込むというもので、悪質商法の中でも最も悪質なものの一つということで、……
( → 霊感商法 - Wikipedia

 というふうに説明されている。

 また、この Wikipedia 記事には、消費者契約法の条文が紹介されている。
  ・ 「当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、特定事項に対する願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、当該消費者契約の目的となるものが当該願望を実現するために必要である旨を告げる」(法第4条第3項第3号)
  ・ 「当該消費者が、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることから、生計、健康その他の事項に関しその現在の生活の維持に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、当該消費者契約を締結しなければその現在の生活の維持が困難となる旨を告げること」(法第4条第3項第4号)
  ・ 「当該消費者に対して霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げる」(法第4条第3項第6号)

 これらに該当されると見なされるので、準詐欺罪が適用できると思える。

 だが、Wikipedia の記事には、準詐欺罪の記述がなく、かわりに、次の記述がある。
法的解釈

法的にみれば悩みや苦しみを抱えている者などに対して、霊界など科学的な根拠もないことを言って勧誘したり、霊視を口実に人を集めたり、演じたりなどして(人の宗教心や超自然的なものへの畏れなどを利用して)高額な金銭などを支払わせた相手方に対しては、1.公序良俗に違反する違法な行為(民法90条)、2.詐欺・強迫にあたる行為(民法96条)、3.不法行為(民法709条(大阪地裁平成10・2・27判決)により、代金の返還・損害賠償請求ができる。

 ここには、民法上の返還・損害賠償請求の説明があるだけで、刑法上の準詐欺罪の説明がない。

 一方、警察の方針は、Wikipedia の記事にこうある。
 国会でも霊感商法問題は何十回も取り上げられ、警察庁……「全国の警察に繰り返し厳しく取り締まるように指示をしておるところでございます。その結果、この数年間で13件検挙した事例が出ております。各種の法令を適用して検挙しておる実態でございます。」と答弁した。

 検挙しておるとのことなので、刑法犯として検挙しているようだが、現実には検挙で返金に至った例は限定的であるようだ。また、上記答弁は 1986年のことだが、近年では検挙の件数も減っているようだ。(安倍首相時代以降)

 要するに、現状では、統一教会の霊感商法は、まともに刑法犯として検挙されていない。ここを問題視するべきだ、と私は思う。

 ──

 なお、現在、与党と野党が新法を立法して新たに対処しよう、という協議がなされている。だが、まとまらない。
 与野党協議会……(の)協議では、不当な寄付取り消しの条件となる「マインドコントロール下」の定義などが焦点となっている。野党は一定の条件下で被害者家族が返金請求できることを明記するよう求めるが、与党には憲法が保障する財産権を侵害しかねないとして慎重意見が強い。
( → 自民、旧統一教会対応が泥沼化 救済法案も野党ペース - 産経ニュース

 ここでは、刑法犯としての検挙ではなく、ただの民法上の返金だけが焦点となっているのだが、「マインドコントロール下」の定義を問題視して、与党側は「返金する」ということに賛同しない。教団の「財産権」ばかりを尊重して、被害者側の被害を無視しようとする。これほどにも与党側は教団べったりだ。とうてい話はまとまりそうにない。与党側は数の力にものを言わせて、独自の大甘な法案を成立させることで、お茶を濁そうとしている。
  → 自民 旧統一教会の被害者救済 今国会で新法成立目指し調整急ぐ | NHK

 だが、私から言わせれば、自民党も甘いし、野党側も甘い。民法上の返金だけで済ませるべきではない。準詐欺罪として、刑法犯で逮捕するべきだ。
 冒頭の犯人は、1人あたり数十万円程度の金をだましとったことで、準詐欺罪が適用されて、「10年以下の懲役」という罰を受けるようだ。
 なのに統一教団は、1人あたり数千万円〜数億円ものの金をだましとっても、現状では準詐欺罪が適用されない。
 これは、どう考えてもおかしいだろう。「心の弱まった相手に乗じて、金をだまし取る」という点では、同様だからだ。

 この問題は、重要なことなので、私がここで指摘しておこう。


 ※ 「どうして警察は逮捕しないのか?」という疑問が生じるだろうが、首相が安倍首相なんだから、警察が安倍首相のバックボーンを逮捕できるわけがない。仮に逮捕しようとする警察官がいれば、あっという間に左遷される。それが安倍時代だ。



 【 関連動画 】







 【 関連項目 】

 統一教会を論じた項目
  → 安倍と森の資金源: Open ブログ
  → 朝日阪神記者襲撃の謎: Open ブログ
  → カルト禁止法を立法化せよ: Open ブログ

posted by 管理人 at 21:37 | Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ