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安倍事件では、後方の警備の失敗があった。安倍元首相の前方にいる観衆ばかりに気をとらわれて、後方(背後)の警備がお留守になっていたことだ。まったく間抜けなことである。
この点は、あちこちで指摘されたが、本サイトでも紹介した。再掲しよう。
(1) 後方監視がない
安倍元首相の前方の人々(右前方と左前方の聴衆たち)ばかりを監視していて、安倍元首相の後方を監視していない。警備に大きな穴があったことになる。片手落ちといってもいいぐらい、大きな穴があった。
このときの配置は、下記報道で指摘されている。
( → 警備体制の問題(対テロ): Open ブログ )
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では、どうしてそういうふうに後方監視が抜けていたのか? それについて、新たな事実が判明した。
下図を見ればわかるように、後方は車道となっている。(県道 104 )
車道(県道)には、聴衆はいない。自動車がいるだけだ。だから、そこは監視の対象外になってしまったのだ。
安倍氏の後方の県道は普段から通行量が多い。銃撃は交通の流れが途絶えた隙を突いたかのようだった。
( → 安倍氏、急転の奈良演説 長野入りから変更、前日に連絡 開けた場所、警備計画承認は朝:朝日新聞 )
安倍氏の後方の車道は規制されておらず、演説の最中も車や自転車が通っていた。そうしたなかで移動する山上容疑者に気づいて声をかけたり制止したりする警察官はいなかった。
( → 安倍氏の演説場所「大丈夫か」 県警内で指摘、それでも修正されず:朝日新聞 )
だが、「聴衆はいない。自動車がいるだけだ」と思っても、それは事実に反する。「銃撃は交通の流れが途絶えた隙を突いたかのようだった」とあるとおりで、現実には、交通の流れが途絶えた隙がある。そういうときには、車道に人が出てくることは可能だ。なのに、車道に出てくる人には気づかなかったのだ。歩道にいる聴衆にばかり気を取られていたせいで。
安倍氏の警護を任務とする警察官は、演説場所となったガードレールの内側のスペースに4人が配置された。安倍氏の左斜め後方に警視庁のSPと県警の警護員の計2人、右側に県警の警護員2人という態勢だ。
このうち、後方を警戒する役割を担ったのは右側にいたうちの1人。ただこの警護員は、安倍氏の後方のエリアの向かって左(東)の方向に多数の聴衆が集まったため、主にそのあたりに目を向けていた。このため、山上徹也容疑者(41)が歩道から安倍氏の後方まで移動するのに気づかなかった。ほかの警護員3人は主に前方を警戒しており、やはり容疑者の動きは目に入っていなかったという。
( → 360度開放、県警内「大丈夫か」 警護員4人、容疑者気づかず 安倍氏銃撃、当時の警備状況:朝日新聞 )
車道では自動車がしょっちゅう通っているので、そんな自動車をいちいち気にしてはいられない。車道を通るものについては、知らず知らず、意識から排除されてしまうのだ。
これは心理的な盲点である。
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これと似たことは、次の動画でも確認できる。動画の人の動きを見ながら、
「白いユニフォームのチームが、何回パスをするか数えてください」
という動画だ。
→ ミスの多い人がわかっていない集中力の本質 | 東洋経済オンライン
この動画を見ると、「心理的な盲点」というものに気づく。何かに意識を集中すればするほど、その注目点以外についてはかえって見落としてしまうのである。
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では、どうすればよかったか? 「背後に車道がある」というような場所は、心理的な盲点が生じがちなので、そういう危険性のある場所を演説会場にしてはいけないのだ。
そして、そのことは、ただの警備のプロだけでは理解できない。むしろ、心理学者のアドバイスを聞くべきだった。「警備心理学」というような研究分野があるかもしれない。
そう思って、ググったら、ちゃんとあった。
→ https://x.gd/lZQEf ( Google 検索 )
今回の事件から教訓を得るとしたら、「警備には心理学を取り入れよ。人の思考の盲点を知れ」と言えるだろう。
[ 付記 ]
盲点というものは、自分自身では気づかないものだ。自分が何かを見ていないということ自体に気づかない。そういう場合には、自分以外の第三者の指摘を聞くべきなのだ。……警察のような官僚的な体質だと、そうすることは非常に難しいかも知れない。だが、組織の内部に心理学者を取り込むことならば、できなくはないだろう。
科捜研という形で、捜査官以外の科学者を取り込むことはできるのだから、何らかの形で心理学者を取り込むことはできるはずだ。部分的には、プロファイラーなども実現可能だろう。……そう思って調べると、プロファイラー制度はすでにある。「捜査心理学」もある。( → 警察庁 )
ただし、警備心理学はないですね。ま、だからこそ、今回の警備ミスが起こったわけだが。(警備心理学を取り込んでいたら、今回の警備ミスは起こらなかった。

