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NATO加盟
プーチンは NATO がウクライナの NATO加盟 を承認しないことを求めている。(あるいはウクライナが自発的に加盟申請を中止することを求めている。)しかも、その期間は「永久に」である。
では、その要求をどこまで受け入れるべきか? ある程度の期間は許容するとしても、その期間はどのくらいにするべきか? プーチンの在任期間を最大限に見積もれば、20年ぐらいになるが、そのくらいの期間を呈示すれば、十分だろうか?
以上の問題を考察しよう。
(1) NATO 非加盟
NATO 非加盟という要求そのものを受け入れるか否かについては、すでに前項で説明した。要するに、どっちみち、NATO 加盟は実現不可能なのだから、要求をあっさり受け入れていい。別に、ロシアに要求されなくても、もともとその方針だったからだ。
形式的には、ロシアの要求を受け入れる形になるが、受けれるか否かにかかわらず、NATOとしてはもともと「加盟は不承認」と決まっていたのだ。何の方針変更もない。単にロシアの要求に「はい」という返事をするだけのことだ。
ゆえに、この件では、特に問題は生じない。
(2) 期間
問題は、期間だ。「永久に」というロシアの要求を、受け入れるべきか?
これに対して、すぐに思いつくのは、こうだ。
「プーチンの在任期間は、長くても 20年ぐらいだろう。その後は、退任しているか、寿命で死んでいるかだ。だったら、20年ぐらいの間だけ、ウクライナの NATO加盟を不承認にすればいい。つまり、期間は 20年とすればいい」
この方針は、十分に合理的だ。提案する価値はある。
だが、偏執狂のプーチンがこれを受け入れる可能性は、ほとんどない。そもそも、20年でいいのなら、最初から「永久に」などと要求するはずがない。自分の死後も状態が持続することで、ロシアを永久に安泰にしたいというのが、プーチンの野望だ。それを満たすには、20年という期間は短い。
しかも、プーチンは戦争に勝ったつもりでいる。「放置すれば永遠にウクライナはロシアのものになる」と思っている。こういう偏執狂が、「 20年だけでいい」というふうに、要求をダンピングするはずがない。閉店間際のスーパーの売れ残り商品じゃあるまいし、どんどん売値を下げるはずがない。あくまで強気でいるのだから、20年という提案を受け入れるはずがないのだ。
(3) 永久に?
プーチンが受けれるとしたら、期間は「永久に」ということしかありえない。それ以外の選択肢はない。だから、講和をめざすのであれば、「永久に」という条件を受け入れるしかない。
しかし、それでは西側が不満になる。いくらなんでも「永久に」なんて、とうてい許容しがたい。実際、バイデン大統領は「拒否」を表明した。
ロシア側の最大の要求であったウクライナのNATO加盟永久禁止について、米国が応じることはないと明言した。
( → 米、ロシアの要求拒否 ウクライナ問題で「外交的道筋」提示 :AFPBB News )
あちらが立てば、こちらが立たず。困った。
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「永久に、という条件を受け入れればいい。ただし、受け入れたあとは、抜け道を使うことで、その条件を無効化すればいい」
つまり、形式的にはロシアの条件をすべて受け入れるのだが、一方で、その条件を実質的に無効化してしまえばいいのだ。(ちょっとペテンみたいだ。)
では、どうやって? そんなうまい方法があるのか? 抜け道などがあるのか?
(4) 抜け道
抜け道はある。その方法を教えよう。こうだ。
「プーチンの在任中には合意を守るが、プーチンの退任後には合意を破棄する」
つまり、プーチンの在任中には「永久に」という合意を守る(非加盟にする)が、プーチンの退任後には「永久に」という合意を破棄する(加盟にする)わけだ。
こうすれば、名目的には「永久に」となるが、実質的には「プーチンの在任中のみ」というふうに期間は短縮化される。
文字上では「無限」というふうに契約されるのだが、実質的には「有限」ということになるわけだ。
(5) 原理
では、その原理は? こうだ。
「条約というものは、厳密に守る義務があると思っている人が多いが、実際には、いつでも破棄できる」
要するに、国家間の条約は、「誓い」や「契約」のようなものなので、絶対に守るべきものだと思われがちだが、実際には、あっさりと反故にすることができるのだ。
これはちょっとインチキみたいな話だが、歴史を見ればわかるように、条約なんていうものは、しばしばあっさりと反故にされているのである。
例1。ブダペスト覚書で、ロシアはウクライナの独立を認めて安全を保証したが、今回、それをあっさり踏みにじった。
例2。樺太・千島交換条約 で、ロシアは千島列島の領有権を日本に与えたが、第二次大戦ではその条約を反故にして、千島列島の全体を占拠した。
このように、条約というものは、片方に守る意思がなくなれば、あっさりと反故にされてしまうのである。条約が守られるのは、双方に守る意思がある場合に限られるのだ。
これはちょっと、恋愛にも似ている。双方に「愛しあう」という意思がある限りは、恋愛は続く。過去に誓った「永遠に愛します」という言葉が履行される。だが、片方にその意思がなくなれば、もはや恋愛は破綻する。過去に誓った言葉も、やがては一文の価値もなくなる。そういうものなのだ。
- 「ははーん。 Openブログの管理人って、そういう人なんだ。女をだます人なんだ」
と思う人もいそうだが、ちょっと待った。国家の話と、管理人個人の人柄とは、別のことです。お間違えなく。私は恋愛詐欺師じゃありません。
(6) 合意
以上のことを聞くと、不審に思う人もいるだろう。
「そいつはペテンみたいだな。口先では条約を守ると言っておきながら、実際には守らないのか。まったく女をだます恋愛詐欺師みたいで、嘘つき野郎だな」
いやいや。そうではない。嘘をつくわけではない。条約は誠実に守る。ただしそれは、相手が在任中である限りのことだ。
相手が退任すれば、その後は、別の人物が大統領になる。とすれば、その新しい大統領と、新しい条約を結ぶことができるのだ。その大統領が民主的な大統領であれば、その大統領は西側と友好関係を結ぶことができる。(たとえばゴルバチョフみたいな大統領だ。)
そうなれば、民主的なロシアと西側とが戦争をする危険もなくなるのだから、ウクライナが NATO に加盟しようがするまいが、もはやロシアにとっては何の関係もないことになる。(現状のようにロシアと西側とが対立するわけではないからだ。)
こうなったら、「ウクライナを NATO に加盟させない」という条約は無効化するので、ロシアと西側の双方の合意の下で、プーチンの結んだ条約を破棄できるのだ。とすれば、この時点では、プーチンの結んだ条約を破棄することは、嘘をついたことにはならないのだ。(民主化したロシアの合意を得ての破棄だからだ。)……これは、破棄というよりは、結び直すだけだ。
(7) まとめ
話をまとめよう。(前項の話を引き継ぐ。)
ロシアがクリミア半島や東部2州を占領している間は、どっちみち、ウクライナは NATO 加盟ができない。(紛争中の国家だからだ。)
換言すれば、ウクライナが NATO に加盟できるのは、ロシアがクリミア半島や東部2州から退去したあとだ。(それらをウクライナに返還したあとのことだ。)
そうなるのは、プーチンが退任したあとのことだ。
プーチンが退任すれば、民主的な大統領が新たに就任することもあるだろう。その場合には、西側と敵対せず、ともに民主的で平和的な国家になるのだから、ロシアと西側が領土問題で対立することもなくなる。そうなれば、それ以前にプーチンと結んだ条約はすべて破棄できる。
それゆえ、今現在の時点では、プーチンとの間で「ウクライナの NATO加盟を永久に認めない」という条約を結んでも、何ら差し支えないのだ。どうせあとで破棄できるのだから。
・ プーチン在任中には、ウクライナの NATO加盟は不可能
・ プーチン退任後には、ウクライナの NATO加盟は可能
これが事実である。そして、この事実は、どのような条約を結ぶかには左右されない。「加盟を認めない」という言葉が入ろうが入るまいが、「永久に」という文句が入ろうが入るまいが、どっちみち、上の事実には変わりがないのだ。
だから、「ウクライナの NATO加盟を永久に認めない」という条約を結んだとしても、その条約の影響は何もないのである。条約上の文言上では、大きな違いがあるのだが、この世界の現実レベルでは、どっちみち何の違いも生じないのである。
それゆえ、「ウクライナの NATO加盟を永久に認めない」という条約を結ぶことは、十分に可能なのだ。というか、むしろ、そうするべきなのだ。それによって「停戦」という果実が得られるのならば、なおさらのことだ。
※ 一見、ロシアをペテンにかけるような印象もあるが。
《 注記 》
要点を言おう。
「永遠に」というような言葉は、そもそも外交用語(条約用語)としては、意味をなさない。条約というものはいくらでも結び直すことができるし、破棄することもできるからだ。……それが外交のプロの認識だ。
なのに、それを理解できないのが、プーチンであり、バイデンだ。彼らは「条約は絶対的なものだ」という虚構を信じている。「条約はいくらでも無効化できる」という現実を理解できていない。
そこで、外交の素人である彼らに、外交の現実というものを教えて上げるのが、本項だ。
歴史というものを知らず、歴史に学ぶこともないと、現実において虚構を信じるようになるのだ。……歴史を学ぶことは大切ですね。きちんと勉強しておきましょう。プーチンもバイデンも、歴史においては不可点しかもらえない。どちらも劣等生だ。だから、戦争が起こるのだ。
領土割譲
領土割譲についてはどうか?
ロシアは昨日、新たな要求を出した。東部2州の全体を寄越せ、というふうに。
ロシアのプーチン大統領は4日、ウクライナとの停戦合意の新たな条件を示した。ウクライナ東部の2州の一部で親ロシア派組織が自称する二つの「共和国」の領土が、それぞれの州全体であることを認めるよう、ウクライナ政府に要求する内容だ。
( → プーチン大統領、停戦条件を追加 「親ロシア派に東部2州全土を」:朝日新聞 )
新たに条件が吊り上げられたわけだ。困った。
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。実は、これも、すぐ上に述べたこと(ペテンみたいなこと)と同様の方法で乗りきることができる。
「東部2州の全体を寄越せ、という要求を、そっくりそのまま受け入れていい。どうせプーチンの在任中には、そのあたりは返ってこないだろう。だから、在任中は、面従腹背で、プーチンの要求通りにしておく。ただしプーチンの退任後には、元の状態に戻すことにする」
実は、このことは、NATO加盟の問題よりも、いっそう容易に解決が付く。つまり、プーチンの退任を待たずに、領土の返還が可能となる。なぜか? 次のことがあるからだ。
「ロシアが東部2州を占領している間は、強烈な経済制裁がずっと続く。たとえロシアとウクライナが講和したとしても、西側諸国による経済制裁は解除されない。すると、ロシアは経済的に国家破綻する。それはまずい。だから、ウクライナとの講和では東部2州を奪取したとしても、その後の西側諸国との交渉では、東部2州を返還せざるをえない」
換言すれば、次の順序で進む。
・ ロシアがウクライナ全土に侵攻する
・ 東部2州を得ることを条件に、ロシアは攻撃を中止する。
・ ウクライナとロシアの講和が成立する。戦争終結。
・ 東部2州を得ているので、西側の経済制裁が続く。
・ ロシアが経済的に国家破綻しかける。
・ ロシアが音を上げて、東部2州とクリミア半島を返還する。
・ そこでようやく、ロシアへの経済制裁がストップする。
というわけで、当面は、「東部2州の領土割譲」というロシアの条件を丸呑みにしてもいいのである。どうせ、あとで西側の圧力によって、返してもらうのだから。
ロシアとしては、「ウクライナには正式に割譲してもらったのに、あとで西側のちょっかいを受けて、奪ったものを返還しなくてはならないなんて。これじゃ、思惑違いだ。だまされた! ペテンだ!」と思うだろうが、別に、ペテンじゃない。 西側がまんまと引っかけたというだけのことだ。
ロシアはそれを知ると、
「くそっ! こんなペテンを、どこの詐欺師が指南したんだよ! どうせ悪辣な詐欺師だろ! 女たらしのスケコマシだろ!」
と恨みそうだ。だが、別に、詐欺師が指南したわけじゃありません。困ったときのナントカさん が指南しただけです。


固執しているのはプーチンだけでなくバイデンもですから。
戦争と強烈な経済制裁が始まってしまった今の状態では、両方の顔をある程度立てた形にならないと収まりがつかないのではないでしょうか。
その意味で、「NATO加盟を認めない期間はまずは20年間とし、20年後に再協議する。その時は、永久もあるかもしれないし、その時点で加盟を認めることもあるかもしれない、また、再度期間延長もあるかもしれないが、それはその時に再協議して決める」
としておけば一応両方の顔が立つのではないでしょうか?
その条件を認めたら、戦争は終わりません。だから、まずはその条件を外すべし、と数日前に述べました。
旧日本軍だって、「天皇制(国体)保持」という大前提にこだわっている限り、戦争を終えることはできなかった。馬鹿げた こだわりを捨てないから、戦争は続くんです。まずは、そこに気づかないと。
それができないから日本は原爆を落とされるまで戦争をやめられなかった。
今回も西側は簡単にこだわりを捨てることはできないと思います。できるのが1番ですが、たぶんできない。そうすると同じように核戦争になるまで続いてしまいます。
なので少なくとも表面的には双方の言い分が立つ形での妥協点が必要なんだと思うんです。それが、結論を20年先送りにする案です。
本文中にも書いたけど、プーチンが受け入れるはずがない。現状でウクライナを永久支配できると思っているのに、あえて自分から値引きするはずがない。
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「足して2で割る折衷案」「中間案」というのは、誰もがすぐに思いつく平凡な案だが、それで話がまとまるなら、最初から戦争にはならない。とっくに妥協ができているはずだ。
双方がどちらも「絶対に譲れない」と思っているから、戦争が起こる。そのとき、折衷案以外のどんな案を持ってくるか……というのが、核心となる。
> 両方の顔が立つ
顔を立てることを優先しているから、戦争が終わらない。そこに気づかないとね。
要するに、この問題は、「バイデンの顔を立てることを優先するか」「ウクライナの4000万人の命を優先するか」という問題です。
そこで、「バイデンの顔を優先する」というのが、アメリカの方針。あなたも、その方針。私は逆で、「ウクライナ国民の命を優先する」という方針。
そこが違う。ここに本項の本質がある。
なお、ここまで理解すれば、「顔を立てることを優先して戦争継続を認めるバイデンは、世界中から強い非難を浴びる。プーチン同様の共犯者と見なされる」ということになる。
そこまで世論が踏み込めば、戦争は解決するわけだ。……そのことを、本項は示した。
次に何が起こると言うと、中国が台湾に侵攻します。
なので、少なくともバイデン(アメリカ)は絶対にプーチンの要望を認めることはありません。
プーチンの(至極まっとうな)要望をNATOが認めるかどうかと言う問題からSWIFT発動、ドイツ全面支援あたりから既に、民主主義VS独裁国家の問題に
すり替わっているように見えます。
核爆弾を積んだB52がウクライナのお隣のルーマニアで8機の護衛機と共に爆撃訓練を開始しました。
ロシアの核攻撃の報復に備えてでしょうか?
バイデンの痴呆から始まった今回の戦争ですが、世界情勢は思ったよりも危なくなってしまったのかも知れません(まだ止められると思いますが)。
形にはなるが、実質はそうではない、というのが、本項のポイントです。 → (3)
形と実質との違いを理解するだけの知性をもてば、戦争は解決する。
形だけにとらわれて実質を見失うという愚かさのせいで、戦争は続く。
> バイデン(アメリカ)は絶対にプーチンの要望を認めることはありません。
それはバイデンに知性がないからだ。馬鹿なバイデンに、お利口な人がみんなで真実を教えて上げれば、馬鹿なバイデンも人の言うことを聞くようになるだろう。独裁者じゃないので。
真実を教える人がいるか否かの問題となる。
バイデンが自発的に何をするかを占っているわけではない。
バイデンに何を教えて上げるかという、われわれの行動が問題となっている。われわれの行動しだいで、バイデンを動かすことができる。われわれの行動しだいで、戦争を止めることができる。
われわれが戦争を止めることができるのに、止めないとしたら、それは、バイデンの責任ではなく、われわれ全体の責任だ。
人類が滅びるとしたら、人類に知性がないからではなく、正解を実行しようとしないで無為無策でいるという怠惰さが原因だ。
⇒正論ですが、自分には次の選挙でトランプに勝たせるくらいしか対策が思いつきません(><)。
⇒本質を見つめることのできるごく少数の者の意見は往々にして、大衆の愚に打ち消されるのですが、それを打ち破る対策が分かりません(><)。プーチンはもう行くところまで行く決心をしたようです。
イスラエルがやっていることを黙認しているんだから、自分が二枚舌を使っていることの自覚はあるだろうと。
いったん発言したことは取り下げられない、といった面子 (ヤクザのそれ) が問題なのでしょうか。
言葉の裏を読めるほどの知性は、バイデンにはありません。額面通りに理解する知性だけです。世間の人も、ほとんどがそうです。
> 自分が二枚舌を使っていることの自覚はあるだろうと。
ないです。政治家というのは、「自分の都合の悪いことはすべて忘れる」という体質の人ばかりです。そうでないと、良心ゆえに、政治家をやっていられないから。
政治家はみんな嘘つきだらけだが、自分自身は正直だと思っている。
おバカなゼレンスキー大統領に、翻訳したメールを送ってやりたいところですね(笑)