2022年01月03日

◆ 国内最大のメガソーラー

 国内最大のメガソーラーは岡山県 美作みまさか市にある。これは環境を破壊していないか?

 ――

 このメガソーラーを紹介する記事がある。

 この写真を見ると、いかにも自然破壊をしているというふうに見える。だが、記事にはこうある。
 広大な残置森林で自然環境に配慮

 広大な敷地のうち、約4割を残置森林としてもとの自然環境をそのまま維持し、残りの約6割の約236haを3つのエリアに分けて造成し、〜
( → 日本最大・260MWのメガソーラー、美作市に稼働 - 探訪 - メガソーラービジネス : 日経BP

 これを読むと、いかにも自然保護や環境保護に配慮した、というふうにも読める。
 つまり、写真と記事とで、印象が正反対だ。どちらが正しいのか?
 そこで、(困ってないけど)調べてみた。

 ――

 冒頭の写真の拡大画像はこれだ。
  → パシフィコ・エナジー作東メガソーラー発電所

 完成予想図はこれだ。
  → 日本最大・260MWのメガソーラー、美作市に稼働 - メガソーラービジネス

 これを Bing 航空写真で見る。



 Google 地図で見る。(古いので、まだパネルが設置されていない。)





 Google 地図で、3D 表示にして、立体感を見ると、このあたりは平地ではなく、緑に覆われた丘陵地であるとわかる。該当地域だけは樹木が伐採されているが、周辺はすべて緑の丘陵地であるので、該当地域だけが自然破壊されているのだ、とわかる。
 つまり、「自然保護・環境保護をしている」という言葉とは裏腹に、この場所は自然破壊・環境破壊をすることで造成された場所だ、とわかる。

 ――

 ただし、事情はもうちょっと複雑である。記事にはこうある。
 パネルを設置した3つのエリアは、いずれも小高い丘陵の頂を含めた斜面にパネルを設置し、麓に森林を残したため、発電設備は木々に隠れ、主要道路からはほとんど見えなくなっている。
 事業用地は、旧ペニンシュラゴルフクラブ湯郷コースの跡地と旧作東セントバレンタインリゾート計画の跡地だった。かつて旧作東町とフランスのセント・バレンタイン市が姉妹都市だったことから、同市にちなみ、宿泊施設なども備えた大規模な複合リゾート施設が計画された。だが、部分的に開発された段階で頓挫し、放置されていた。
 パシフィコ・エナジーは、まずこのリゾート施設の開発跡地を買い取り、川や道を挟んだ3エリアを造成して太陽光パネルを設置する計画を立てた。
( → 日本最大・260MWのメガソーラー、美作市に稼働 - 探訪 - メガソーラービジネス : 日経BP

 つまり、自然や環境への破壊はあったが、それがなされたのは、ゴルフコースとリゾート施設の造成をした時点であった。その造成が途中で放棄されて、跡地としての荒廃地が残った。その荒廃地を利用したのが、メガソーラーだった。
 だから、そこはすでに自然や環境への破壊がなされていたのであって、メガソーラーが出来ようと出来まいと、自然や環境への状況には影響しないわけだ。いったん壊れたものは、それ以上は壊れようがないからだ。
 その意味では、ここがメガソーラーの適地であるか否かは、段々畑や棚田やゴルフコースと同様であると言えよう。どっちみち、森林はすでに破壊されているからだ。

 結論。

 この巨大メガソーラーは、自然破壊によって設置されたものだ。とはいえ、すでに自然破壊された土地(荒廃地)に設置されたので、特にメガソーラーが悪いということにはならない。メガソーラーを撤去して元の荒廃地に戻しても、状況は改善されない。

 ※ ただし、ここを「自然保護に考慮して設置された」というのは、誇大宣伝気味だ。それはたとえて言うと、「 100万円を盗むことが出来たのに、70万円を盗むだけにして、30万円は残しておきました。人道的でしょ?」と泥棒が威張るようなものだ。「オレは最悪ではない」と泥棒が威張るのは勝手だが、第三者がその泥棒の言い分を真に受けて、泥棒を褒め称えるのは、いかがなものか。( 日経BP は間抜けだ、ということ。)

 ※ なお、「荒廃地を元の森林に戻せ」というのは、金がかかるので、無理難題である。そんなことを言い張る人は、自分のポケットマネーでやるがいい。世間の人は拍手喝采するだろう。ただしその人は大損をする。
 
 ※ 「国の金で自然回復をしろ」と言う人もいそうだ。だったらそのために増税をする必要があるので、まずは本人が「増税しよう」と声を上げるといい。



 【 追記 】
 美作市の航空写真を見ると、他にもいくつか、メガソーラーがあることがわかる。(上のメガソーラーから、北方や、北西方向。)
 特に次のメガソーラーが目立つ。





 この名前を取得してから、ググると、次の記事が見つかる。
  → パシフィコ・エナジー美作武蔵メガソーラー発電所
 記事から抜粋する。
 「パシフィコ・エナジー美作武蔵メガソーラー発電所」は、宮本武蔵駅から、因幡街道を南西に数kmほどの丘陵にある(図1)。もともとこの地は、「アラン・チャールズゴルフアンドリゾート岡山」という18ホールのゴルフ場だったが、2011年に経営不振から廃業した。
 閉鎖後は、自然に任せて雑草や灌木の生い茂る荒地になっていた。

 ここも、ゴルフ場の跡地であって、荒れ地になっていたわけだ。事情は、先の事情と同様である。
 
posted by 管理人 at 22:14 | Comment(4) |  太陽光発電・風力 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
 別のメガソーラーの紹介。
Posted by 管理人 at 2022年01月04日 07:23
 岡山県奈義町のメガソーラー
  https://xtech.nikkei.com/dm/atcl/feature/15/302960/050100086/

> 奈義町の町有地と個人1人の所有地を合わせた、敷地面積19万7137m^ 2 の土地
>  かつて、果樹園や菜の花畑などとして活用されていたものの、開発に着手した当時は、耕作されていなかった。農地を転用し、メガソーラーの用地とした。

 もともとは耕作放棄地。
 町有地なので、農地転用ができた模様。

Posted by 管理人 at 2022年01月09日 08:06
熊本・阿蘇山が大変なことになっているようです。。。


>熊本県が世界遺産登録したいのってこれですか?
https://x.com/krehasp/status/1702828575211323783?s=46&t=nFpFWztPD-xNwMvZneKh9g


「メガソーラーに侵される阿蘇外輪山――ルポ・熊本県山都町を訪ねて 世界文化遺産登録を目指す雄大な草原にパネル20万枚 再エネのあるべき姿とは?」(長周新聞)
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27591
Posted by 反財務省 at 2023年09月17日 18:56
 阿蘇の話は、ここにもありますね。

https://friday.kodansha.co.jp/article/318278
Posted by 管理人 at 2023年09月17日 19:19
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