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政府は「賃上げ減税」を掲げた。だが、これは、「賃上げすれば法人税減税」というものなので、もともとの赤字企業には恩恵が及ばない。すると、中小企業の大半は赤字であるので、中小企業には恩恵が及ばない。
そこで朝日新聞が、「こんな制度では中小企業が可哀想だ」と思って、中小企業に同情的な記事を書いている。
ふりかえれば、中小企業は、さんざん悪者扱いをされてきた。
法人税を払っていない赤字の中小企業は悪、という声が有識者から上がった。
赤字企業の社員も、きちんと所得税を払っている。そもそも、だれが赤字にしたんだ、めちゃくちゃなコストダウンをさせている大企業じゃないか。
そして菅政権。「日本経済の生産性が低いのは中小企業の規模が小さいからで、大きくなれない中小は消えてもらうしかない」が持論の元金融アナリスト、デービッド・アトキンソン氏を重要な政府会議の委員にとりたてた。
そもそもだが、1986年の約533万をピークに、ニッポンの中小企業の数は減りつづけている。2016年は約358万。この30年で約175万減、年間およそ6万のペースで減っている。
中小企業家同友会の、ある幹部は言った。「社会を、地域を支えている中小企業の数が減る。これは、国力が衰えているということです」
2010年、旧民主党政権のときに閣議決定され、いまも経済産業省のホームページ上に掲げてある「中小企業憲章」という文章がある。それには、こうある。
「中小企業は、経済を牽引(けんいん)する力であり、社会の主役である。(中略)。政府が中核となり、国の総力を挙げて……、どんな問題も中小企業の立場で考えていく」
岸田文雄首相は、マイクで聴衆に言った。「中小企業は日本の宝です」
( → 日本の宝のはずが…賃上げできない中小企業、大企業との格差拡大へ:朝日新聞 )
中小企業が悪者扱いされているが、過剰なコストダウンを強いる大企業のせいだ。大企業が過剰なコストダウンを強いなければ、中小企業は黒字になって、法人税を納めることもできるぞ。悪いのは大企業だ……という趣旨だ。そして、中小企業こそが大事であり、中小企業が減るのは駄目だ、と見なしている。
その上で、中小企業が日本の大半を占めていると示しながら、中小企業の重要性を強調している。次のように。
中小企業基本法に基づく中小企業の定義は業種によって異なるが、製造業だと資本金が3億円以下、または従業員数が300人以下の企業。製造業以外にも飲食店やホテルなどのサービス業や卸・小売業に多く、日本の全企業のうち99.7%を占める。国内の働き手の7割近い約3220万人の雇用の受け皿だ。
( → 賃上げしない中小は、悪者ですか 6〜7割は赤字、原資どうする:朝日新聞 )
だが、本当にそうか? 中小企業は多い方がいいのか? 大企業は少ない方がいいのか?
これに答えるために、比較として、他国の実例を見よう。
たとえば、スウェーデンでは、中小企業があらかた淘汰されてしまって、中小企業の数が(他の先進諸国に比べて)かなり数ない。弱者は淘汰されてしまったのだ。

出典:スウェーデンの経済と中小企業政策(法政大学)
人口の 47.6%が従業員 2000人以上の大企業に雇用されている。中小企業や零細企業に雇用されている人は少ない。中小企業や零細企業は淘汰されてしまったと言える。
では、それは悪いことなのか? 朝日の記事の論調では、「中小企業がなくなると、労働者の雇用先がなくなってしまう」といわんばかりだ。だが、それは誤解だ。
なぜか? 人と企業とは違うからだ。弱い人が淘汰されるのは困るが、弱い企業が淘汰されるのは困らない。弱い企業が淘汰されると、強い企業が生き残る。弱い企業で解雇された人々は、失業するのではなく、強い企業で雇用されるようになるのだ。
こうして、スウェーデンでは人口の半分近くが大企業に雇用されるようになった。
すると、どうなったか? たとえば、日本では次の格差がある。
働く人の賃金は大企業と比べて低い。厚生労働省によると、2020年の平均年収は従業員数10〜99人の企業が409万円、1千人以上だと591万円。差は180万円以上ある。
なぜなのか。中小企業庁によると、製造業の従業員が生み出す付加価値額は大企業が1人あたり1367万円なのに対し、中小企業は半分以下の554万円。財務省のシンクタンク「財務総合政策研究所」の調査でも、資本金1億円未満の企業は数では99%を占めるのに、営業利益の内訳では17%しか稼げていない。
( → 賃上げしない中小は、悪者ですか 6〜7割は赤字、原資どうする:朝日新聞 )
中小企業で雇用されていた人が、大企業で雇用されるようになると、大幅に給料がアップするのだ。なぜなら、生み出す付加価値が増えるからだ。つまり、生産性がアップするからだ。
これに対して、否定的な見解もある。
利益があがらない要因の一つに、価格転嫁の問題がある。中小企業は取引先との関係で弱い立場にあることが多く、原材料費や人件費の値上がりを商品やサービスの価格に反映できない。
( → 賃上げしない中小は、悪者ですか 6〜7割は赤字、原資どうする:朝日新聞 )
確かに、そういう要因はある。だが、朝日の記事は、そのことを強調しすぎている。なぜか? 数値を見ればわかる。
大企業がコストダウンを強いるとしても、その量はせいぜい1割程度であるにすぎない。かわりに、価格の上昇を受け入れたとしよう。そうすれば、製品価格の値上げを通じて、赤字企業は大幅な黒字になるだろう。利益率は、ゼロまたはマイナスだったのが、5%ぐらいの利益率を達成できるようになり、法人税を納付することもできるようになるだろう。
だが、そのとき、社員の給料は上がるか? 換言すれば、社員の生産性は向上するか? なるほど、価格の上昇のおかげで、社員の給料は1割ぐらいは上がるだろうし、社員の生産性も1割ぐらいは上がるだろう。だが、そうだとしても、
製造業の従業員が生み出す付加価値額は大企業が1人あたり1367万円なのに対し、中小企業は半分以下の554万円。
という圧倒的な格差を覆すには足りない。大企業がコストアップを受け入れて、商品価格の値上げを1割ぐらい受け入れたとしても、中小企業の生産性が半分以下であるという圧倒的に劣悪な生産性を覆すには至らないのだ。
それが数字の示すところだ。なのに朝日新聞は、その数字を理解できない。「大企業がコストアップを受け入れれば、中小企業の利益は大幅に上がって、従業員の給料も大幅に上がる」と信じ込んでいる。ここでは、定量的な数字による思考ができていないのだ。単に「大企業が悪いことをしなければ、中小企業はハッピーになる」という定性的な思考をしているだけなのだ。(……いかにも文学的な善悪二元論である。文学趣味丸出しだ。)
――
結局、朝日新聞のような「大企業が悪い」という悪玉論では解決しない。解決するには、中小企業そのものの生産性を倍増させればいいのだが、そんな「打ち出の小槌」または「アラジンの魔法のランプ」または「ドラえもんのポケット」のような方法はない。
人間ができる方法はただ一つ。(中小企業そのものを変質させるのではなく)中小企業から大企業へ人を移転させること(構造転換を起こすこと)だけだ。
この件は、記事でも言及されているデービッド・アトキンソンが提唱している。
「中小企業を半減させるなど、とんでもない暴論」。そう憤る人は多いはずだ。
そんな声について、アトキンソン氏は「感情論ではなく、論理とデータを用いて冷静に議論すべきだ」と話す。
一般的に、中小企業は大企業に比べると賃金が低く、賃上げも難しい。かといって業務効率を高めようにも、小規模な組織ではIT活用や柔軟な働き方に割ける資金的な余裕にも乏しい。生産性の低い中小企業の退出を促し、本当に競争力のある企業に経済活動を集約して初めて、国全体の生産性は高まる。個人消費を増やすには毎年5%程度の最低賃金引き上げが望ましく、対応できない企業は統廃合されてよい――。
こうしたアトキンソン氏の主張は、国際統計にも裏打ちされている。
「高水準の公的支援は資源配分をゆがめ、『本来生き残れないはずの企業(non-viable enterprises)』を市場に残すことで、改革を遅らせる」。これは、前述のOECDが2年に一度出す「対日経済審査報告書」の文言であり、17年版にも19年版にも使われたもはや決まり文句である。注目すべきはやはり「日本の中小企業政策」に向けられている点だ。
日本には中小企業向けの「手厚い支援」があり、「生き残れないはずの企業を延命している環境」が残り、それこそが日本の成長力や競争力の足かせになっている。これは何もアトキンソン氏だけでなく、国際機関の見方でもあるのだ。
( → 「中小企業は今の半分以下に」 暴論か正論か話題呼ぶ: 日本経済新聞 )
記事の最後にはこうある。
中小企業基本法では、「中小企業」の定義は製造業などで従業員300人以下、小売業では50人以下などと決められ、その上で、定義に見合う小さな会社への手厚い優遇策が加わった。
こうして、「優勝劣敗」とは逆の「劣勝優敗」となるような中小企業優遇策が取られた。そのせいで、国民の大半は大企業に勤務することができなくなり、劣悪な中小企業に勤めざるを得なくなったのだ。
この状況で、「中小企業を優遇せよ」と主張する朝日の記事は、一見、「弱者救済」をめざしているように見えるが、実際には、「弱者をそのまま劣悪な状態に固定させて、弱者が優良な状態になること(大企業の社員になること)を阻害している」という結果になる。

比喩的に言えば、断崖をよじのぼって、断崖の上に上がろうとした中小企業の社員を、断崖の上にいる大企業の社員が蹴飛ばしている……という図だ。
「おまえたちは、こっちに来るな。ここは大企業の社員の占有する場だ。おまえたち中小企業の社員は、こっちに来てはならない。中小企業は、とても立派で、日本には必要不可欠なものなのだから、おまえたちはいつまでもそこにいろ。決してこっちに来るな!」
そう言って、這い上がろうとする人々を蹴飛ばしているのが、朝日新聞の社員なのだ。自分たちは大企業の座に安閑としているので、他の弱小の労働者が同じように大企業の座に上がるのを拒否しているのだ。(差別根性丸出しだ。黒人を蹴飛ばす白人と同様である。)
――
朝日新聞の記者は、たぶんこう思っているのだろう。
「弱者である企業を優遇すれば、そこにいる弱者である社員も優遇される」
と。だが、それは誤りだ。なぜなら、企業と人とは違うからだ。
正しくは、こうだ。
「弱者である企業を優遇すれば、弱者である企業の数が増えるので、そこに勤める弱者の数が増える。結果的に、人々は豊かになる機会を失い、貧しくなるばかりだ」
つまり、弱者である企業を優遇すれば、弱者である人々は冷遇される。弱者である企業を優遇すればするほど、弱者である人々はいっそう冷遇されていく。
そのことは、具体的な数字でも示されている。次の解説記事に詳しい。
実は、中小企業に対する優遇策が少ない国ほど、生産性が高いことが確認されているのです。北欧諸国がその代表例です。特にスウェーデンのように、規模の大小関係なくすべての企業に同じ規制を適用することで、中小企業の成長を阻害する要因を作らないようにしている例が有名です。
日本では中小企業をたいへん小さく定義し、必要以上に厚遇してきました。それが裏目に出た結果、日本では規模の小さい企業が増え、中小企業で働く労働者の割合が大きくなって、アメリカやヨーロッパ諸国よりも小さい規模で企業の成長が止まる仕組みとなっています。結果、全体の生産性が低くなってしまったのです。
( → コロナ禍「企業援助と財政再建」を両立する方法 | コロナショックの大波紋 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース )
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結論。
中小企業に勤める人は貧しい。貧しい人を救おうと思って、中小企業を優遇しようとすることがある。しかしそれは、貧しい人をまずいし状態で固定するだけなので、かえって貧しい人のためにならない。
そして、そういう勘違いが起こる理由は、人を救うことと企業を救うこととを、混同しているからだ。大切なのは人を救うことであって、企業を救うことではないのだが。
貧しい人を救うには、貧しい人の勤める企業を救えばいいのではない。むしろ逆に、貧しい人の勤める企業をつぶす方がいい。そうすれば、かわりに別の企業が伸びて、その企業が同じ人を雇用して、高い給与を払ってくれる。
大切なのは、人を救うことであって、企業を救うことではないのだ。そこを勘違いすると、朝日新聞のように、「優しい善意ゆえに、貧しい人を蹴落とす」という逆効果の結果になる。
優しい心があれば人に優しくできるというものではない。優しい心ゆえに、かえって人を傷つけてしまうこともあるのだ。
逆に、冷たいふるまいゆえに、かえって人を救うこともあるのだ。デービッド・アトキンソンがやろうとしているのは、そういうことだ。その真意を、朝日新聞の記者は理解できない。数字を読めないがゆえに。定量的な思考ができないがゆえに。
数字を読めない人間が新聞記者になると、いかにトンチンカンな記事を書くか……ということが、冒頭の新聞記事からわかる。
( ※ 新年の初笑いのつもりかもしれないが。)
[ 付記1 ]
中小企業が生産性を上げるには、どうすればいいか? そのことは、私がいちいち書くまでもなく、記事中で事例が紹介されている。
この工場は数年前まで、社長の気まぐれで「ハイ、月給5千円賃上げね」などとやっていた。そんなどんぶり勘定をやめて、良い会社になろうと社長は考えた。賃上げは、社員の成長の対価と結論づけた。そして、給料を決める客観的な人事制度を築いた。
製品をつくる能力、CAD(コンピューター支援設計)が使えるか、チームワークに気をくばっているか、あいさつができるか……。数十にわたる項目をつくり、できているかどうかを得点化し、総合点で賃金を決めることにしたのだ。
社員は、がぜんやる気になった。会社が何を評価してくれるのかが分かったからだ。
( → 賃上げしない中小は、悪者ですか 6〜7割は赤字、原資どうする:朝日新聞 )
この程度のことは、イロハのイだ。こんな初歩的なことを今さらやり始めて、得意になっている……ということからして、中小企業がいかに遅れているかがわかる。
まるで「掛け算ができるようになりました。えっへん」と威張っているようなものだ。それでいて、本人はその愚鈍さに気付かない。
こういう中小企業は、掛け算や割り算を少しずつ覚えればいいのではなく、会社そのものを一挙に解消して、経営陣にはすべて退出してもらうのがいい。代わりに、別の会社が、従業員と設備を引き受ければいいのだ。
駄目な会社の駄目な経営者というのは、有害無益なのである。「兵は一流、将は三流」である場合には、兵を鍛えればいいのではなく、将に退場してもらうのが一番いいのだ。
[ 付記 ]
中小企業をつぶすのが好ましいとして、そのやり方は、どうすればいいか? 単に弱肉強食で、次ぐ次と倒産させていけばいいか? いや、それはいかにも芸がない。社会的に倒産ショックの弊害も出る。もっといい方法はないのか?
そこで、困ったときの Openブログ。いい方法を教えよう。
ヒントは、過去の事例だ。次の事例がある。
・ 日産傘下のカルソニックは、同業のカンセイと合併した。さらに、マレリを吸収合併した。
・ ホンダ傘下の3社は、日立と合併した。(日立に吸収)
一方で、失敗例もある。
・ みずほ銀行の合併では、既存の三つの銀行がたがいに縄張りを主張し合って、対等合併にこだわった。そのせいで、船頭多くして舟陸に上がる、という結果になり、とんでもない迷走状態となった。トラブルが続出している。
→ みずほ銀で一時ATM障害…今年9件目の障害 : 読売新聞
以上のことから、次のように言えるだろう。
中小企業は、倒産するよりも、他社との合併する方がいい。その際、(みずほ銀行みたいな)対等合併よりは、強者が弱者を呑み込む方がいい。強者が弱者を吸収合併すると、弱者の水準を強者のレベルに引き上げることが可能だ。そのことで、生産性を向上させることができる。
こうして弱者を次々と吸収していけば、最終的には、国民の大部分が大企業に雇用されるようになり、高い給料をもらえるようになるだろう。
※ それは決して夢物語ではない。高度成長期には、それと同様のことが起こっていた。
※ 逆に、ここ 30年の自民党政権下では、小泉流の「規制緩和」と竹中流の「派遣労働者」という形で、国民の多くが正規労働者としての地位を奪われてしまった。同じように大企業に勤務していても、「立派な大企業の正社員」から、「派遣会社に所属する派遣社員」という形に落とされてしまった。(たとえば、銀行の窓口職員は、以前は一般職の正社員だったのに、今ではほとんどが派遣社員となっている。)……こういうふうに、日本国民を不幸にした大本が、自民党政治であったというのが、真実なのだ。
【 関連項目 】
→ なぜ日本人男性は不幸なのか?: Open ブログ
※ 「日本では非正規労働者の給料が極端に低いので、所得不足で結婚できない中高年が多い。だから日本人男性は不幸なのだ」……という話。
《 加筆 》
→ 賃上げ減税は有効か?: Open ブログ
※ 賃上げ減税の是非について、正面から答える。

例えば、本稿提示の日経記事の中の、デービッド・アトキンソン氏による主張に、「個人消費を増やすには毎年5%程度の最低賃金引き上げが望ましく、対応できない企業は統廃合されてよい――。」とあります。
いっぽうで、1990年代以降、毎年々々5%もの賃上げを継続して達成してきた企業がどれだけあるのでしょうか。少なくとも、既に成長しきった大企業の中にはない気がします。日本で最大クラスの企業のひとつである、トヨタにおいてもまた然り、です。
そのトヨタにしても、下に示す記事を読むと、近年は「成果主義による傾斜配分」が行われているだけであって、従業員全体の昇給原資は毎年確保している(従業員の給与の総額は、非公開にしているけど、実は年々増やしている)とは到底思えないのですが。
https://news.yahoo.co.jp/articles/103223dfa232f3665b7ac5ba61820ef5f6f71ec8?page=1
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4f1503f0c33e1f6a7384387683da91951d12604?fbclid=IwAR2sA2eNID2vzO09EZzmBgjG_-rSmxi3heGVtDzI4yws_iuPVm59NNWVODI
デービッド・アトキンソン氏による主張は、本人に聞いてください。私の知ったことではない。
それは了解しましたが、筆者(管理人さん)のいうとおりに、一応アトキンソン氏に聞いてみたところ、彼は、
「この記事の中で、ブログ筆者は、
> 結局、朝日新聞のような「大企業が悪い」という悪玉論では解決しない。(中略)
> 人間ができる方法はただ一つ。(中小企業そのものを変質させるのではなく)中小企業から大企業へ人を移転させること(構造転換を起こすこと)だけだ。
> この件は、記事(※)でも言及されているデービッド・アトキンソンが提唱している。
※ 日経の記事
として、ブログ記事の骨子・結論にかかわるようなところで、わざわざ私(アトキンソン氏)の提言内容を引用しているのに、『アトキンソン氏の主張は私(ブログ筆者)とは関係ありません。ついでに紹介しただけであって、彼と私とは別。氏による主張は本人に聞いてください。私の知ったことではない。』などとコメントで書くのはおかしな話だ。このブログの読者の99%以上が私(アトキンソン氏)とおなじように感じるだろう」
と言っていましたよ。
そこは共通していますが、それ以外の細目までは共通していません。
> 毎年5%程度の最低賃金引き上げが望ましく、対応できない企業は統廃合されてよい
は、話が別なので、そこまでは議論しません。
私の考え方は、(最賃を基準にした)強制的な統廃合ではなくて、
「最賃よりも労働市場における賃金上昇による。労働市場の賃金上昇に耐えられない企業は、(応募者不足による)人手不足で、自然に業務を縮小していく。場合によっては吸収・統合されるが、単に撤退してもいい」
という方が理想的だと考えます。
一般的には、市場原理に従うのが標準であり、政府の役割は、市場原理が正常に働くように、マクロ政策を調整すること(たとえば減税)です。
最賃や賃金介入(岸田内閣)のような強制的な介入は、好ましいとは考えません。
だいたい、まともなマクロ政策ができないから、小手先の賃金介入なんかするんだよ、と言いたい。経済音痴の馬鹿が経済政策をやると、ろくなことがない。
マクロ政策の正解はこちら。
http://risoto.seesaa.net/
高度経済成長で村落共同体が弱体化し、核家族化で「家族=血縁共同体」が弱体化しました。それで本来は機能集団である会社が「共同体」になりました。「共同体」になったが故に「潰す」「吸収合併」といった淘汰が容易ではなくなりました(「限界集落だから潰す」といった事が容易ではないように)。その一方で経済環境が変わって終身雇用・年功序列等で人の人生を丸ごと抱え込んでいた会社がそれをできなくなりました。その事で孤立・漂流する人間が増え、そういった人達が個別に犯罪に走るのなら兎も角、徒党を組んで極端な選択を行うのではないかと危惧しています。
好況期には、会社がつぶれても、もっといい条件で新会社に就職できるようになります。
だから、大切なのは、好況が続くこと。そのためには、経済成長があればいい。本日の2番目の項目をお読みください。