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前項では、「日本企業が没落するわけ」という話をした。そこでは、次の趣旨を述べた。
「面接で協調性のある人材ばかりを求めるから、独創性のある(アクの強い)人材を得られなくなる。かくて日本企業は没落する」
一方、例外的に、日本企業らしくない方針で急成長しているIT系の会社がある。それは、アイリスオーヤマだ。
その経営の秘密を探る記事がある。
→ アイリスの変幻自在:上 「なるほど」から新商品:朝日新聞
→ アイリスの変幻自在:下 即断即決、大手と差別化:朝日新聞
この記事を読むと、日本企業がかつて元気だったころの活力ある様子を思わせる。この会社は、パナソニックやシャープでリストラされた( or 希望退職を強いられた)中高年の中途退職者が多く、年齢自体はかなり高い(60歳以上も多い)のだが、経営者(これもまた高齢だ)の精神が若々しいせいか、会社全体に若々しい活気がみなぎっている。
ひるがえって、たいていのIT系の大企業( NEC その他)は、硬直した経営者の下で、硬直した組織で運営されている。これが没落の原因だ。(シャープも東芝もそうだ。)
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これで思い出すのは、かつてのカシオだ。この会社はいかにも若々しさが満ちていた。ただの町工場が、電卓を作り始めて、一挙に大きな会社に育った。それというのも、兄弟4人がうまく力を合わせたからだ。その興味深い話が、下記で紹介されている。(朝日新聞社の書評サイト)
→ 書評・最新書評 : 電卓四兄弟―カシオ「創造」の60年| BOOK.asahi.com:
一部抜粋しよう。
【概要】 戦争中に8畳一間に8人家族で暮らしていた樫尾家。旋盤工をやっていた長男の忠雄氏が戦後すぐの 1946年、金属加工の「樫尾製作所」を設立。次男の俊雄氏は発明家。三男の和雄氏は行動力があり、営業担当。兄たちの姿から多くのことを吸収し、次男のアイデアを形にする技術者の幸雄氏。下請けの下請けからはじまった事業が、計算機の開発を手掛け、世界的な企業になるまでの話は、そのまま戦後の日本経済を象徴する。

書籍は下記だ。
http://amzn.to/2sYN1EV
読者批評から一部抜粋しよう。
どうして東京の町工場に過ぎなかったカシオから電卓が作られたのか?どう考えてもその複雑なデジタルマーシンを素人が作れるはずがない。いくつの関連本を読んでも「樫尾4兄弟」の話がさらっと紹介されただけで、実際に誰が着想し、設計を行い、量産まで持っていたかのストーリに関しては説明があまりありませんでした。
この本の著者は4兄弟の末っ子で、電卓開発の過程を末っ子からの立場から具体的に説明してくれています。
( → Amazon 読者批評「電卓四兄弟」 )
アイリスオーヤマと、初期のカシオは、ちょっと似ている。どちらも、硬直した組織ではなく、柔軟な組織だった。権限委譲も進んでいた。会社の方針として、何よりも独創性を重視しており、協調性のようなものはさして重視しなかった。
一方、今の日本企業は、その反対だ。下位には権限が与えられない。若者よりも老人が権力を握っていて、何ごとも老人たちの長い会議を経ないと決まらない。新しいことは決まりにくいし、たとえ決まっても、そのころにはとっくにライバルに出し抜かれている。
まともな会社と比較すると、ダメな会社のダメなところがいっそうよくわかる。
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アイリスオーヤマの商品は、数年前までは「安いけれど品質に問題がある」という感じだった。
しかしその後、日本の家電メーカーを退職した高齢の技術者を大量に雇用することで、品質の問題を大幅に改善していった。自社の弱みを知り、どうすれば改善できるかを考え、そのための対処を取った。
アイリス社長の大山健太郎(71)が家電への本格参入を見据え、創業の地の大阪に拠点を持ってきたのは2013年。狙いは、業績不振のパナソニックやシャープ、三洋電機などでリストラにあった人材だ。積極的に採用し、技術屋の「梁山泊」を築いた。
大山は「家電のアイデアは自前で出せる。だが、うちは品質管理や失敗の経験が足りない」と話す。ノウハウを組み合わせ、大手がひしめく家電業界に打って出る戦略を描いた。
(新入社員の)真野一則(63)はパナソニック出身。「トップを含むみんなで即断即決できるのがアイリスの強み。社内の根回しや手続きが複雑な大手にはないスピード感がある」
( → アイリスの変幻自在:下 即断即決、大手と差別化:朝日新聞 )
この方針で今後もどんどん成長していく計画であるようだ。
急成長していく見本が、まさしくここにある。
[ 付記 ]
日本の大企業はダメな企業が多いが、ただし、たまに例外はある。
(1)
一例は、日立が英国に列車工場を建設したこと。(比較的若い担当者が全権を委譲される形、本社の方針をひっくり返したので、うまく成功した。)
(2)
もう一つは、自動車産業の「主管」という方式だ。主管が新車開発の全権を担って、重役たちの口出しを許さない。……こういう形があったからこそ、自動車産業は、電気系の産業と違って、国際的な競争力を保った。
※ 自動車産業が元気である理由は、賃金が高いことも一因だろう。
※ 電気系の会社では、賃金が高めのソニーとキヤノンが比較的頑張っている。他はダメ。
※ 「給料を下げて利益率を上げよう」というのは、経団連主義だろうが、これに染まっている会社は、どれもこれも没落していく。
【 関連サイト 】
日本の電器産業の衰退について述べたページがある。
→ 「日本の電機全滅」はなぜ起きたか 本当の要因(大西 康之) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)
たまたま見つかったのでリンクを示すが、有益なのはタイトルぐらいか。中身はたいしたことがないので、読む必要はない。
【 広告 】
アイリスオーヤマの商品。
2番目の商品(下記)は、特に評判がいいようだ。☆ も4つ半 付いている。
→ アイリスオーヤマ 超吸引 布団クリーナー
(ちょっと他社にはない独自の商品らしい。)

朝日新聞の記事の引用と、その解説。
そりゃ、そうです。ものが何も買えなかった時代は、はるか昔。今ではたいていのものは、すでに所有しています。
主流は、買替え需要だし、そうでなくとも、もともと需要は限られている。全世帯の数パーセントでしょう。
ま、数年後に、何か電器製品を買い換える必要が出てきたら、上記のリストが役に立つかもしれない……という程度。
あと、リストの品数が不足するようだったら、リストの最下部の「すべて表示」という箇所をクリックするといいですよ。ずらりと多品種の一覧が並ぶ。
家電やIT商品、特にIT系は物凄い速さで性能進歩と値下げが進みます。端的な例は家電のTVとITのパソコンで、日本企業は性能を向上させつつ値下げを続けるいわばデスマーチに耐えられなかったのでないか、言い換えると激しい値下げ競争に脱落したと思います。
一方自動車は日本を除く全世界で僅かずつですが値上がりが続いています。インドのタタ、中国メーカーなど一部途上国では格安車がありますが先進国には波及していません。つまり値下げ競争がないので技術やデザインだけの競争になっているから勝てているのではないかと。
このことは、台湾系(中国本土で生産する)の企業を相手にした場合には成立します。コストが主要因となるので。
しかしながら、サムスンやアップルを相手にした場合には、成立しません。これらの企業は独自技術で成功しています。
日本企業はサムスンやアップルのようになるべきだったが、なれなかった。そこが没落の要因でしょう。
台湾系企業のようになるべきだった(低コスト化するべきだった)、ということにはならないと思います。あれは別の産業が新たにできたと思えばいい。IT市場の総額は大幅拡大しているんだし。
どの記事のコメントに着けようか迷ったのですが、とりあえず、ここに書いておきます。
ヤマト運輸など人手不足なのに、賃金が上がらないという事が時々ニュースになっており、また以下のような書籍も出ていますが、個人的にいまいちピンときません。(事の本質が何か正しく突き止めていない気がします。)
人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」(2017年、慶応義塾大学出版会)
管理人様はこういう事態について、何が原因で、どうすれば解決できそうかお考えをお持ちでしょうか?
もしあれば教えていただきたくお願いします。
別項で回答しました。
→ http://openblog.seesaa.net/article/451186867.html#comment