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マツダのアクセラを始め、最近では多くの自動車が自動ブレーキ用にミリ波レーダーを搭載している。赤外線レーダーを搭載しているのは、最近の新型車では見当たらないようだ。
そこで、ミリ波レーダーのコストを調べてみたら、意外なほど大幅にコストダウンしていることがわかった。
かつては50万円と高価だったミリ波レーダーも、現在では77GHz帯の長距離用レーダーで150ドル(1ドル113円換算で1万6950円)程度、中距離レーダーで100ドル(同1万1300円)程度、準ミリ波と呼ばれる24GHz帯の短中距離用のものでは50ドル(同5650円)程度までコストが下がっていると見られる。
送受信用ICで世界シェア1位のドイツInfineon Technologies社によれば、現在はSiGeを使ってミリ波レーダーの送受信回路を1チップ化したICが使われており、大幅な低コスト化に貢献している。
( → 予想より早まるCMOS化 - 日経テクノロジーオンライン 2016/04/12 )
以前の記事では、海外メーカーなら3万円程度だが、日本メーカーだと 10万円弱だ、と示した。
富士通(富士通テン)も、古くからミリ波レーダーを開発して販売しているようだ。しかし、上の記事を見る限り、時代の流れに取り残されているようだ。価格は 10万円を割るというような話。海外企業がずっと前に3万円となっているのと比べて、圧倒的に遅れている。
2年前(2014年7月)で3万円弱。富士通はこれにはまったく対抗できない。ま、富士通に限らず、日本の電気系メーカーはみんな負け組だろうが。
ともあれ、世界の技術は、どんどん進歩しつつあるわけだ。性能的にも、コスト的にも。
( → ミリ波レーダーの最新技術 )
一方、冒頭の引用記事( 2016/04/12 )によると、1年ほど前の時点で、すでに劇的に安くなっているわけだ。( 5650円のものさえある。)
ここまで価格が低下すれば、ミリ波レーダーを採用するのにためらう理由はない。今後はどんどん採用が進むだろう。
( ※ 技術力のない日産自動車だけは除く。日産は軽自動車メーカー以下だね。軽自動車にステレオカメラを採用したスズキより、圧倒的に劣る。)
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さて。自動車メーカーはともかく、部品企業はどうか?
ミリ波レーダーを作っている日本企業は、パナソニックや富士通だが、いずれもお寒い限りだ。世界のライバルは低コスト化の方向で技術革新が進んでいるのに、日本の企業は、「高性能化」を狙っている。たとえば、「視野角の拡大」とか「分解度の向上」とか。それでいて、コスト低下を目指せない。そのせいで、ライバル各社に比べて圧倒的に高コストであり、ゆえに市場のシェアは低い。
世界1位の Infineon Technologies社や、「2013年から2年連続で売上が倍増しており、2016年末にはレーダーの出荷台数が1000万台を突破する見込み」というボッシュには、遠く及ばない。
まったくひどいシェアだが、それでいて、自惚れだけは、世界1クラスだ。( → パナソニックの自惚れ )
パナソニックも、富士通も、危機感がまったくない。つぶれかけている東芝と、大同小異だな。ひどいものだ。
そして、こういう国産企業の部品しか買わないでいる、日本の自動車会社も同様にひどい。欧州の部品会社から購入しないから、安価なミリ波レーダーを搭載できない。日産に至っては、ミリ波レーダーそのものを諦めてしまっている状況だ。価格が大幅に安くなったのも知らないまま、「価格は高い」と信じて、「コストダウンのためにミリ波レーダーを搭載しません」という方針。
まったく時代の流れに取り残されている。
【 関連サイト 】
日産自動車のやる気のなさは、ググればすぐにわかる。
「日産 自動ブレーキ」で検索した結果は、下記だ。
→ 日産 自動ブレーキ - Google 検索
1番目は日産の広告(トップサイト)だから除くとして、普通の検索結果のトップは下記だ。
→ 技術の日産が、人生を面白くする。|自動ブレーキ
このページは、何ともひどい。
・ 画像は、すでに生産中止になった旧モデルである。
・ Firefox でサイトを開くと、動画がつぶれてしまう。
まあ、誰も見に来ないことを前提としているのか、ほったらかしの放置プレイにしているのか、いずれにしてもサイト訪問者を無視したつくりだ。
自動ブレーキに関する、日産のやる気のなさが、如実に出ているね。自分の馬鹿さ加減を宣伝するのだから、たいした会社だ。ほとんど漫才だ。
【 関連項目 】
→ 日産の自動ブレーキ(他社比)
→ 「自動ブレーキ」(サイト内検索)
