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日産マーチが新型になった。特に考察するべき点があるわけではないが、自動車マニアのおしゃべりでもしてみよう。
世間での評判は、次の二点だ。
・ サイズが大きくなった。
・ デザインがびっくりだ。
そこで、この二点について、感想を述べよう。
サイズが大きくなった
デザインも変わりすぎたが、サイズが大きくなりすぎた。
「これはもうマーチじゃない」
「パルサーだろ」
「どこがマイクラ(マイクロ)やねん」
という声があふれている。まったく、その通り。ノートよりも大きくなったでは、車格の順序が崩れてしまう。いったいどうなってるんだ? と思うだろう。
だが、じっくり考えると、このサイズは十分に合理的だとわかる。
(1) 大きいのは幅だけ
サイズはこうだ。
全長 3999mm、全幅 1743mm、全高 1455mm、ホイールベース 2525mm。
現行モデルに対して、174mm長く、77mmワイド、55mm背が低い。ホイールベースは 75mm延びた。
一方、日産ノートは、
全長 4100mm、全幅 1695mm、全高 1525 mm、ホイールベース 2600mmmm。
比較すると、全幅だけはマーチの方が上だが、他はすべてノートの方が1クラス上だ。
以上から、サイズについては、こう言えるだろう。
「全幅だけはノートを上回っているが、他のすべてでノートよりも1ランク下である。つまり、車格の点では、マーチの位置は不変である。(ノートよりも1つ下。)ただし、全幅だけは、非常に大きくなっている」
(2) 全幅以外
上の認識で正しいか? 正しいはずだ。車格がノートよりも下であること)については、次の点でも合致する。
・ エンジンがノートよりも小さい。
・ 装備が貧弱である。
日産 新型マーチの後部窓はクルクル手動について
— 新車情報広場 (@naf0303) 2016年10月1日
・・・・・ヨーロッパ仕様は水没や衝突事故時にドアが開かなくなった際、素早く脱出するためにくるくるメカが採用されてたりするんですヨ pic.twitter.com/65WRSd6B0M
「クルクル手動」と書いてあるように、窓ガラスがパワーウインドーではない。今どき珍しいほどの低コスト化がなされている。これも、ノートよりも下の車格であることの反映だろう。
なお、価格もノートよりも低い価格となるらしい。この点も、「ノートより下」という車格を示す。
(3) なぜ幅だけ大きくなった?
ここで疑問が生じる。
「なぜ幅だけ大きくなったのか?」
これについては、私は次のように推定する。
そもそも日産の乗用車は、欧州ではまったく売れていない。販売台数の大半は SUV 車(ジュークとキャッシュカイ)である。これは自動車メーカーとしてはまったく異例のことである。要するに、欧州では、日産の乗用車販売は大失敗している。マツダよりも売れないというありさまだからだ。(マツダのアクセラやアテンザはよく売れている。日産はそれよりもはるかに劣る。)
これはどうしてか? 日産は欧州で幅広い車をほとんど用意していないからだ。(少しはあるが。)
一方で、欧州では、近年の自動車はどんどん幅が広くなってきている。BMW の3シリーズが急激に幅を大きくしたのは、2008年のこと。それまでの 1,739mm から一挙に 1,782mm に拡大した。2012年には 1,800mm まで拡大した。他にも、Audi などが、急激に全幅を拡大しつつある。これにならって、日本車も、トヨタやマツダが欧州向けにどんどん全幅を拡大していった。そのなかで、日産だけが、「全幅拡大」の流れから取り残されていた。と同時に、日産だけが乗用車のシェアを急激に落としていった。
これはどういうことか? こうだ。
「欧州の人は体格が大きい。日本人より体が一回り大きいので、自動車も一回り大きいのがほしい。特に近年は、ゆったりとした車内空間の車を欲しがる」
このように、全幅の大きい車がユーザーに好まれるようになったので、メーカーの側もどんどん全幅の大きな車を出すようになったのだ。
一方で、コストの制約もあるから、全長までは拡大することはできない。全長を拡大すると、後席の足元空間が広がるが、後席の居住性はあまり重視しないでおく。後席の居住性よりは、コストを優先する。(特に、若者向けには、そうだ。子供はいないし、恋人同士の二人だけがゆったりりと乗れれば十分。後席空間よりは、コストが重要だ。)
以上から、「前席の広さだけを拡充する」という方針が取られた。かくて、全長も、ホイールベースも、エンジン出力も、すべてはコスト面で制約された。その一方で、全幅だけは、コストを無視してでも、拡幅されるようになった。
これが時代の流れだ。そして、その時代の流れに、日産も乗ったということだ。
(4) アジアは?
欧州の人は体が大きいから、全幅の広い車が売れる。しかし、アジアはどうか? 同じことは成立しないはずだ。
その通り。したがって、今後は、欧州向けとアジア向けは、別の車種が取られるのだろう。今回のマーチ(マイクラ)は、あくまで欧州と北米向けだろう。(他の白人の地域向けを含む。オーストラリアなど。)
一方、小柄な人の多いアジア・アラビア向けには、別の車種が用意されるのだろう。そう私は推定する。
つまり、マーチは、今後は二つに分裂する。
・ 欧州向けのマーチ(マイクラ)
・ アジア向けの別車種(ラティオ?)
こういうふうに分裂することになりそうだ。
アジア向けには、現在のマーチと同じぐらいのサイズと価格帯で、きわめて安価な小型の車種が用意されるのだろう。
( ※ それこそ本来のマーチだ、と言えそうだが。車格を別にすれば、今回のマーチは、パルサーと呼ぶ方がよさそうですね。)
(5) 次期ノートは?
「全幅を大きくする」というのが日産の方針だとしたら、次期ノートはやはり全幅を大きくするはずだ。1770mm〜 1780mm ぐらいになりそうだ。その一方で、ホイル−ベースは、現行型とほとんど変わらないだろう。(価格をが下げるため。)
プラットフォームも、新型マーチと共通化されることになるだろう。
価格は、現行型よりは、かなりアップすることになりそうだ。
一方で、アジア向けのマーチとプラットフォームを共通するような、アジア向けのノートも誕生しそうだ。こちらは、全幅も価格も、現行型と大差ないだろう。
結局、日産の小型車は、全幅が大きい欧州向けと、全幅が小さいアジア向けとで、二系統ができそうだ。これはすでにトヨタがやっていることだが。
デザインがびっくりだ
デザインがまったく変わったので、ビックリした人が多いようだ。いかにも若者向けらしい、ダイナミックなスタイルをしている。
ちょっと着目するべきは、リアドアのハンドルが隠れていることだ。そのせいで、4ドア(5ドア)であるとは気づきにくい。2ドア(3ドア)の車みたいに見える。
実は、リアドアのハンドルは、リアのピラー(黒い部分)に埋め込まれている。初めてこの車の後席に坐ろうとするときは、ドアの開け方がわからなくて、戸惑うかもね。
→ 参考画像
なお、この方式のドアハンドルは、マーチに限ったことではない。他車にもある。(トヨタの発売予定の新車にも、このタイプのドアハンドルがある。)
さて。私の感想を言おう。
私としては、「グリルのあたりが例によって日産顔で、がっかりだ」という感じだ。日産マキシマ( Maxima )とよく似ている。
日産車のグリルは、以前から、ひしゃげた顔のグリルが多い。豚の鼻か、ブルドッグみたいだ。
いったいどうして日産の車は、ブルドッグみたいな顔ばかりにするのか?
まったく謎である。



※ 犬の画像の出典は → こちら

→ http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140901/270640/
日産のデザイン体制(管理体制・人事)があまりにもひどいので、日産にデザイン部を飛び出したデザイナーが、Audiで大活躍している、という実例。
優秀な人を生かすことができず、追い出してしまう、というひどい組織・管理体制があるわけだ。日産(デザイン部)という組織が腐っている証拠。
そして、その理由は、老害だ。
→ http://openblog.seesaa.net/article/435850307.html
プロポーションは、ガンダム系です。ジュークと同類で、若者向け。
日産は、セレナとデイズだけは、よく売れている。日産顔のグリルではないから。他のほとんどは、日産顔なので、いくら車が良くても、顔のせいで売れない。
デザインが良いと売れるとは限らないが、デザインが悪いと売れなくなるということを、日産のデザインは良く示している。
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マーチは、鼻にあたる丸い日産マークがカッコ悪いので、ここを隠すようなガーニッシュでも付ければ、見られる顔になるかもね。
でなければ、日産マークを取り外して、別の何かを付けるとか。
パルサーとは違い過ぎる
http://o.aolcdn.com/hss/storage/midas/f03e0ccabf154c97cec9d2df1665cd4f/200142817/nissan-pulsar-1.JPG
http://blog-imgs-67.fc2.com/c/a/r/carinfoj/pulsar_103.jpg
ただ、これまでのマーチ(特に、現行)が酷過ぎたので、いいことだとは感じます。(^^)
ここ数年は、アルメーラという名前を使っていたんだが。日産の命名は滅茶苦茶だな。