( ※ 細かな話です。読まなくてもよい。) ──
ソーラーパネルが置いてあった場所では、越水による被害があった。これについては、当初、次の情報が流れた。
「ソーラー業者が堤防を削ったから、この箇所で決壊したのだ」
しかしこれは誤報だった。その箇所は決壊が起こった箇所とは別で、もっと上流にあるので、決壊とは無関係である。また、その箇所は越水があっただけだった。ただし、この越水が問題視された。
→ 【続報】鬼怒川氾濫のソーラーパネル問題 - Togetterまとめ
→ 越水「人災だ」住民反対押し切りソーラーパネル設置
さらに、越水については、次の修正が報道された。
・ 最初のソーラー業者は、低い位置なので無関係。
・ 隣のソーラー業者は、自然堤防を削った。
→ 鬼怒川氾濫の“犯人”にされた会社「うちが原因ではない」
→ 鬼怒川ソーラー業者「俺は悪くない」
さらに、隣のソーラー業者が「許可を得た」と弁解した。
→ 鬼怒川氾濫、ソーラーパネル業者「河川事務所は何も心配ないとの話だった」
これに対して、国交省が反論した。
→ 関東地方整備局河川部/下館河川事務所
一部抜粋しよう。
事業者に対し、「当該地が堤防のない箇所であり、洪水時には浸水するおそれがあること」を直接伝え、常総市とともに「現地盤の高さで残すことができないか」強く申し入れましたが、合意に至りませんでした。
○そのため、「いわゆる自然堤防」が掘削される前の最も低い箇所と同程度の高さを確保するための緊急的な措置として、当該事業者の土地を借地し、大型土のうを設置することについて、5月に当該事業者と協議を開始し、事業者の了承を得た上で7月初旬に設置を完了しました。
ここでは、二点がわかった。
・ 許可を得た、という業者の説明は嘘だ。
・ 大型土のうを設置するという対策をなした。
これなら、悪いのは業者で、国交省は悪くない、ということになる。
しかしこの説明の2番目の点がおかしいことが判明した。
関東・東北豪雨で鬼怒川が氾濫し、浸水被害が広がった茨城県常総市の若宮戸地区で、川岸を掘削する形で太陽光発電パネルを設置していた地点付近の浸水が周辺より深かったことが、二瓶泰雄・東京理科大教授(河川工学)らのチームの調査で分かった。二瓶教授は「この地点から相当量の越水があったことは間違いなく、水害が拡大した可能性がある」と指摘している。
チームは15〜16日、鬼怒川左岸197地点で、洪水が到達した最大の水位の痕跡を調べた。その結果、パネルの設置場所付近の越水地点一帯は水深 1.5〜1.7メートルだった。その上流域、下流域は大半が0.1〜0.8メートルで、地盤の高さの差を考慮しても深かった。
( → 毎日新聞 2015年09月19日 )
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解説しよう。
国交省の見解が正しければ、大型土嚢が効果を発揮して、越水の水量は少しであったはずだ。ならば、この地域でも、他の地域と同様に、下流の決壊地点から流れ込んできた水だけがあるはずだ。越水した分の水量は少しだから、ほとんど影響しなかったはずだ。
しかし実際には、そうではなかった。この地域では、浸水被害がひどかった。ということは、この地域では、越水した水量が多かったことになる。(地盤が特別に低いのでない限り。)
ではどうして? 推測できるのは、次の4点だ。
・ 大型土嚢が効果を発揮しなかった。
・ 一番低いところだけを埋めたのが不十分だった。
・ もともとこの箇所の全体が低すぎた。
・ 越流のせいでこの箇所全体が削られた。
そのどれであるかは、不明である。また、上記以外の点が理由であるかもしれない。詳細は不明だ。調査を必要とする。
というわけで、この件については、調査待ちだ。問題が込み入っているので、簡単には結論は出そうにない。
とりあえずは「こいつが悪い」というふうには決めつけず、調査待ちの態度でじっくり構えるのがいいだろう。
