前項では資源ゴミの話をしたが、そこから「生活保護」へと話題を飛ばす人が出てきたので、生活保護の論議をした。そのついでに、生活保護という制度について根本的に考えてみる。
私が前に述べたのは、次のことだった。
→ 生活保護制度を廃止せよ
ここでは次のように述べた。
生活保護制度は、あまりにも無駄が多い。ならば、制度を一挙に全廃した方がいいだろう。かわりに国家による雇用という制度を創設すればいい。
妥当な案は、次のことだ。
「生活費は支払うが、そのかわり、労働させる」
つまり、国家による雇用である。
具体的には、何らかの事業団を設立して、そこで雇用すればいい。病人のように動けない人は別として、普通の健康な人ならば、普通に労働してもらえばいい。
たとえば、路上駐車違反の摘発とか、公衆便所掃除とか、路上のゴミ拾いとか、ゴミ焼却場のゴミ分別とか、公共の福祉のために働く場所はいくらでもある。そういう場所で働かせればいい。
この方針の一環として、「資源リサイクルの分別の場で働いてもらう」という案もある。それが、前項だ。
──
ただ、本項では、より根源的に考えてみる。すると、次のことがわかる。
「生活保護と最低賃金という二つがあるが、この二つは乖離している。同じような所得を得るが、前者は労働がゼロで、後者は労働が 100%だ。ここでは、その中間的な労働形態が考えられていない」
ここで、中間的な労働形態とは、次のようなものだ。
「病弱 or 高齢なので、仕事の能率が他人の半分ぐらいだけだ」
このように能率が半分ぐらいの人には、賃金もまた半分ぐらいを与えるのが妥当だろう。たとえば、時給 400円。
ところが、実際には、その額で雇用されることはない。なぜなら、最低賃金制度があるので、そんなに低い額で雇用することはできないからだ。
では、どうすればいいか?
──
私のアイデアは、こうだ。
先の項目に述べたように、生活保護者を国が雇用する。その上で、その雇用された労働者を、低料金で派遣する。(派遣労働者として。)
具体的な例としては、次の例が考えられる。
「家事代行の派遣労働者は、(時間換算で)利用料金 1800円ぐらいで、賃金 1200円が普通だ。ここで、能率が半分の労働者を国が派遣すればいい。利用料金は 900円で、賃金は 600円。(いずれも相場の半額。)」
つまり、利用量も、賃金も、半分にするわけだ。これはこれで成立するだろう。(経済的に)
ただし、このままでは、最低賃金法に引っかかる。最低賃金は 800円ぐらいなので、それを下回る 600円だと違法だ。
そこで、違法にならないように、800円 と 600円の差額に当たる 200円を国が負担する。
かくて労働者は、最低賃金の額を受け取れる。しかも、きちんと労働することができる。(たとえ他人の半分ぐらいの能率しかなくても。)
一方で、国は、最低賃金に相当する生活保護費(時給 800円)の支払いを免れ、時給の差額に当たる 200円を負担するだけで済む。つまり、国の負担額は 800円から 200円へと激減する。
まとめ。
病弱 or 高齢で、能率が半分の人は、賃金も半分で雇用されればいい。(雇用するのは国。)
賃金は半分になるので、最低賃金との差額は、国が福祉の形で負担すればいい。
結果的には、「すべてを福祉でまかなう」という方式に比べて、4分の1ぐらいにまで、国の負担は減る。
その理由は、働かなかった生活保護受給者が、自分でも働ける範囲内で働くようになったからだ。(つまり、無駄がなくなったからだ。)
[ 付記 ]
家事代行という仕事については、下記の例がある。
→ 1時間1500円からの家事代行マッチング
→ タスカジ:1時間1,500円からのハウスキーパー
その会社の時給については、「1200円 〜 」という数字が示されている。
→ タスカジの従業員募集
《 注記 》
この会社は、家事代行をするのではなくて、家事代行のマッチングをITでやるだけだ。家事代行をする人(労働者)と、家事代行を注文する人(客)とを、ネット上で結びつける。そのことで、仲介料を得る。
すべてがネット上でなされているので、仲介料は格安で済む。
一方、リアルの店舗や会社で家事代行の社員を派遣する場合には、会社の取る経費(手数料)がもっと多い額になるので、利用料金は、1時間 1500円では済まず、2500 〜 4000円ぐらいになるようだ。
→ Google 検索

まあ生活保護制度がクソだから、面白い案ではある。
また、雇用ではなく、請負なら、最低賃金は適用されない。
遊休資源を活用すれば、社会的利益が増加するだろうって前提は正しいんですが、そんなものはすでに存在しないんです。
行政というイスに座った人間がはたして遂行できるかどうかですね。
賃金ではなくて、「お駄賃」程度です。典拠は:
→ http://j.mp/1zXMSAc
→ http://j.mp/1zYJBPH
引用:
「全国の授産施設の平均賃金は1万円前後であり」
「 13,586 円(1 人あたり 月額)」
授産施設の施設費用は国から出ているはずなので、たぶん、やればやるほど赤字が出るだけでしょう。税金の浪費。何もしないで遊ばせておく方がマシ。
※ まともな生産活動をしていないのだから当然だ。本質を見るべき。
だいたい、市場における競争力のない産業を国営で維持するなんて、愚の骨頂。井上さんの大好きな市場原理主義とは正反対の、国営事業です。共産主義の方式。
なお、国営で成立するのは、派遣業ぐらいでしょう。普通の派遣業は、ただのピンハネ産業だが、国営ならば、ピンハネとは逆の 給付・補填ができる。
> はたして遂行できるかどうか
実は、本サイトで提案されているアイデアのほとんどは、実現が不可能です。なぜならいずれも、行政の側に「やる気」がすごく必要とされるような、画期的なものだから。
前例踏襲を旨とする政府では、とうてい実現できそうもないものばかりです。
本サイトで示しているのは、「政治的な実現性」という政治的効果ではなくて、「アイデアの提供」や「真実の探求」です。
つまり、「なすべきことがわからないまま混迷している」という状況を脱して、「なすべきことはわかっているが、行政にやる気がないから、実現しない」という状況に導くことです。
それ以後のことは、私の関与することではない。
生活保護世帯のうちで比較的健康な人を、低賃金短時間働かせようって話も同様でしょう。多分、管理コストがかかりすぎて、ペイしない。
障害者ならペイしないだろうけど、母子家庭なら「半日労働ならOK」という普通の人はたくさんいますよ。別に、生活保護世帯の全員を働かせるわけじゃなくて、条件のいい(体調のいい)1〜2割の人を働かせるだけです。それなら別に問題ないはず。
そもそも日本の労働環境が特別ブラックなだけで、「ブラック環境でなければ働ける」という人はたくさんいるはずです。
ただ、現実には、ブラックな環境ばかりだから、「ブラックでないかわりに低賃金」という職場を用意することには意義があるでしょう。
「ブラック環境で過酷労働するか、さもなくば生活保護か」
という日本の環境が特異なだけです。
> 管理コストがかかりすぎて、ペイしない。
国がやるんだから、ペイする必要はない。月間23万円も払う生活保護費が削減できればいいだけ。いくら何でも管理コストが1人あたり23万円もかかるわけがない。IT時代なんだから。
どうしてもかかりそうだったら、上記のタスカジという会社に管理を全部委託すればいい。業務委託も「あり」です。
需要者の求める能力と供給側の能力をどうマッチングさせるか(出来るか)も課題ですね。
需要者側、xx-xxの時間帯で働ける人がほしい。
供給者側、xx-xxは無理です。
時間単価が低いと、当然移動にかかるコストは抑えざるをえない(徒歩or自転車)ので、狭い範囲(地域)でのマッチングが要求されるでしょう。
都会ならばともかく、人口1〜2万人程度の市町で実現できるかが鍵ですか。
(まさか、東京・名古屋・大阪当たりの人口100万人以上といった都市だけを対象にした提案でもないでしょうから)
あと、総労働力が同じでも管理対象人員が増えると管理コストの増加が負荷となります。
管理コスト(勤務・安全・教育他)
8時間労働する人:2人 < 4時間労働する人:4人
この当たりを考えると雇用者側への『アメ』もセットで考える必要がありますか・・
上記のタスカジの例では、うまくやっていますよ。
料金は1時間 1500円で、労賃は 時給 1200円。交通費は別途だが、往復 1500円程度で、通勤1時間圏内。路線案内や地図で見ると、相当広い領域をカバーできます。
時間帯は、家事代行業の個別交渉で、いくらでも融通が利きます。たとえば「2月7日の午後の3時間だけ働きたい」という希望でもOK。
こういう家事代行業が安価で普及すれば、育児で死にそうになっている職業婦人も、安心して子育てができるでしょう。
仕事不足で困っている母子家庭と、過労のまま家事代行を欲しがっている育児中家庭が、過不足をうまく融通できる。そのためには、IT技術によるマッチング作業だけがあればいい。
ついでだが、マッチングについては、ノーベル賞の業績もある。
→ http://openblog.meblog.biz/article/11928214.html
> この当たりを考えると雇用者側への『アメ』もセットで考える必要がありますか
雇用者側へのアメは必要ないでしょう。被雇用者側への補助があるだけでOK。その額も、生活保護費(月23万円)以下であればいい。
以上を満たすハードルは、きわめて低い。管理費や補助額が月 10万円かかっても、それでもペイする。現実には、月5万円ぐらいで済みそうだ。それなら 23万円から大幅削減となる。
>上記のタスカジの例では、うまくやっていますよ。
現在タスカジさんのカバー範囲は人口密度の高い都市圏のみのようですね。
タスカジ経営者の方に管理人さんの提案を見てもらって、感想を聞いてみたいですね
要求スキルの大半が家事(特に料理)となると、男性高齢者の方はスキル的に対象外とかになります。一部の方はスキルあるかもしれませんが、需要先の方も、ヘルパーをお願いする以上、現状自分が出来る以上、もしくは支払う賃金以上の成果を求めるわけですし。
その他の個人募集以外の労働(スーパーのレジ、とかの軽作業等)を考えた場合、経営側として管理コストを無視できないのではないかと考えるわけです。
あと、生産現場での労働となると、時間当たりの出来高というのが製品単価に大きく影響しますがここでは触れないほうがいいでしょう。
(工場などの財務管理を知っている人はこの当たりよくご存知なので、個人的には意見を聞いてみたいところではあります)
現状はゼロなんだから、いきなり 100の解決を求めるのは、無理難題です。
まずは1から始めて、少しずつ積み増して、何十年もかけて、ようやく 100が完遂されます。
「今すぐ100ができないのなら、1のスタートをするのがイヤだ」なんていう発想では、何事も始まりません。
「千里の道も一歩から」という言葉を理解しましょう。
> 要求スキルの大半が家事(特に料理)
家事で料理を求める人なんかいないでしょう。外食だって宅配だってできるのに、アマチュアの作った家庭料理に 5000円も払う人がいるわけがない。寿司でも注文した方がよほどマシだ。
家事代行の主用途は、掃除です。男性でも結構やっていますよ。
なんていってません。
なにしろ、本文中冒頭に『中間的な労働形態』とあったし、
>生活保護者を国が雇用する。その上で、その雇用された労働者を、低料金で派遣する。(派遣労働者として。)
とも記述があったので、家事代行以外も含んだ包括的労働形態を念頭に置いた制度の提案と思った訳です。
そうですよ。もちろん。
ただ、それで一挙に全員を雇用するかというと、そういうわけではない。さまざまな分野でやることを念頭に、最初は少しずつ、ということ。
室内の掃除のほか、家具の修理とか、庭木の手入れとか、一時的に増えた農作業の手伝いとか、突発的に生じた事務作業とか、会社のゴミ廃棄とか、公園のゴミ拾いとか、……派遣業の用途はいろいろあります。特にまともな仕事として成立する必要はなくて、「家で遊んでいるよりはマシ」という程度の仕事なら、いっぱいあるはず。
──
少し前のコメントに戻ると、
> 現状自分が出来る以上、もしくは支払う賃金以上の成果を求める
そんなことはないでしょう。自分ができることの半分の能率で、2倍の時間をかけてやるなら、低めの料金を払う価値はあります。支払う料金にふさわしい仕事をしてくれればいいだけ。
たとえば1時間 800円を払って、掃除をしてもらう。自分なら2時間で済むことを、4時間かけてやってもらう。3200円を払うが、料金相応のことをしてもらえば、それで十分だ。その間、自分は眠っていられるから、疲れを取れる。育児疲れの回復ができる。
⇒なんとなくわかりました。要はシルバー人材センターの範囲拡大版ということですね。
あと、揚げ足取りといわれるかもしれませんが、
『支払う賃金以上の成果』と『支払う料金にふさわしい仕事をしてくれればいい』
は同じ意味です。
以上と書いたのですが、正確には『見合った、もしくはそれ以上』のつもりです。
私はそう理解しました。
ただ、シルバーは仕事の斡旋、ワークシェアリング(ローテーション)を行なって仕事の均等化を図っていますが、これは基本的に年金収入が安定してあることを前提になりたつ話です。
したがって、単純にシルバー人材センタの仕組みを年金をもらう前の人に適用すると、月々の収入が安定しない場合、補填として発生する月毎の生活保護費に(厳密な意味で)増減が発生するわけで、月単位でこれを調整することは、結構な行政負担となります。
そこで、上記改善案として管理人さんは、
>生活保護者を国が雇用する。その上で、その雇用された労働者を、低料金で派遣する。
と言われたのだと思います。
普通の人が真面目に働くのは労働の対価として収入が増える資本主義の本質に沿った仕組みがあるからです。(シルバーの場合も、登録しただけでは収入は発生しない、働いて初めて収入が発生するので問題ありません)
先に出ていた、生活保護を受けている人で、働きたい人はたくさんいます。の発言も働いた分収入が増える事が前提になっているはずです。
今回の提案では働くことによる生活保護費の減額をうたっているので、たとえば月50時間働いた場合の実質的な収入増がどれぐらいと試算されているか気になります。
(※)仕事が有っても無くても、得られる金額に大きな差が無いならば、一種の社会主義経済であり某国のように労働品質の低下、極端に言えば『積極的に働こうとする人がどれほどいるか。』に突き当たります。
また、国の費用削減ですが
>生活保護者を国が雇用する。その上で、その雇用された労働者を、低料金で派遣
とありますので、国の支払い金額 > 派遣先が支払う金額の関係で、差額分を国が負担する構図でしょうか。
この場合、働いたときの実質賃金の増加分が『派遣先が支払う金額』と同じ場合とした場合、単純計算で
以前の生活保護費 = 減額された生活保護費 + 差額補填分
となり総額変らずとなりませんか?
ということは国の費用を下げるには時間当たり収入増を派遣先が支払う金額以下に抑える必要があるわけで、(※)が問題になるという堂々巡り・・・・
本日の「クーポン券」の話で解決しています。
> 仕事が有っても無くても、得られる金額に大きな差が無いならば
いくらかは差を付けることが必要でしょう。特に、重度身障者のように「働けない人」は別として、「働けるのに働かない人」(健康な人)については、現状よりもかなり減額することが妥当でしょう。
>かくて労働者は、最低賃金の額を受け取れる。しかも、きちんと労働することができる。(たとえ他人の半分ぐらいの能率しかなくても。)
ですが、
依頼した側から見れば、
一般の派遣者の2分の1の時間単価で所要時間2倍だと、支払い総額同じになってメリットないですよね?
(管理監督時間が長くなる分むしろ損?)
これって、今回のテーマと関係ないですよね、
単純に国の費用を下げる方法として持ち出しました?
仕事量が同じなんだから、メリットもデメリットもないのが当然です。
> 管理監督時間が長くなる分むしろ損?
仕事の種類によりますが、やたらと時間のかかるような作業(たとえばベビーシッター)ならば、長時間の方が有利でしょう。
> これって、今回のテーマと関係ないですよね、
あなたが関係ないことを質問するから、それに答えただけです。せっかくお答えして上げたのに、答えたことに文句を付けられては、こちらの立つ瀬がない。
>以上を満たすハードルは、きわめて低い。管理費や補助額が月 10万円かかっても、それでもペイする。現実には、月5万円ぐらいで済みそうだ。それなら 23万円から大幅削減となる。
これまでの内容で、中間的な労働形態を導入することで国の費用が減るロジックが不明だったので
行なった質問ですよ。
それに対して答えが
>「働けるのに働かない人」(健康な人)については、現状よりもかなり減額することが妥当でしょう。
?
単純に働かない人の生活保護費用を減額するといっているだけじゃないですか。
そりゃいくらでも費用減らせるといえるわけだ。
「今回のテーマと関係ない」とそちらの言ったとおりですよ。これは関係のない話。別の話。どうでもいい。
おわります。
> 以前の生活保護費 = 減額された生活保護費 + 差額補填分
> となり総額変らずとなりませんか?
新制度以後では、働ける人は「働くことが義務」になるので、総額は変わりません。これまでは「遊んで23万円をもらえた」のが、このあとは「働いて23万円をもらう」ようになります。もらえる金額は同じだが、「働かなかった人が働く」ようになります。(以前のような天国みたいな状況は認められません。)
> (※)仕事が有っても無くても、得られる金額に大きな差が無い
これは別に不思議はありません。仕事がないときに休むというのは、どの職場でもあることです。レジ係だって、客が並んでいないときには、休んでいます。客が並んでいないときに、無意味にレジを打っても、何の効果もない。
労働者がやるべきことは、「やたらと汗水を垂らすこと」ではなくて、「仕事があるときには命じられた仕事をすること」だけです。仕事がないときには休むが、仕事があるときには働く。そこで、働けば給料をもらえるが、(命令無視で)働かなければ解雇される。それだけのことです。¶
レジ係でも、マクドナルドの店員でも、「仕事があるときには働いて、仕事がないときには休む」ということが可能です。別に不思議はない。「休む間もなく働いている」という人はいないでしょう。壊れてしまう。
¶ 新制度では、「解雇される」ことで、23万円の受給資格を失います。働ける人は、「働くべきときには働くこと」が義務づけられます。この義務に従わなければ、無所得となります。
以前に比べると、「働く義務」がなかったのが、あるようになる。その差が生じます。
この差の分だけ、国の費用削減が進みます。