何が問題かというと、本日の紙面だ。これ。

タイトルと画像で紙面の半分を占めている。新聞という巨大な紙において、この画像がいかに馬鹿デカいか、理解してほしい。
編集者の意図はこうだろう。
「これほどデカい画像を掲載すれば、インパクトがあるぞ。これでネットにも対抗できるはずだ。新聞だってネットに負けない画像を掲載できるんだ。えへん」
呆れる。いくら画像がデカいとしても、スマホに勝てるぐらいのことだ。デスクトップパソコンには勝てない。まして、テレビの動画には、圧倒的に敗北する。たったの1枚の画像では、テレビの動画に比べて、1万分の1にもならない。
要するに、画像の量で勝負する限り、新聞にはまったく勝ち目はない。
では、新聞には意義がないか? いや、そんなことはない。テレビには掲載できないような文字情報がある。特に、今回の駅伝では、区間記録という数字のデータが圧倒的に重要だ。駅伝の結果とは、区間記録である。これだけあれば十分だ、というぐらいだ。
ところが、朝日の記事には、その肝心の区間記録のデータがない!!
呆れるしかない。肝心の記事情報が皆無に等しくて、かわりに、馬鹿げた画像を1枚掲載している。しかも、その画像も、肝心の選手は、左中央あたりの、4分の1 だけだ。他の4分の3は、選手ではなくて、ただの背景である。完全にボケているし。情報量は皆無に近い。
要するに、ボケ写真を掲載するために、肝心の記録データを一切、削除しているのだ! 狂気の沙汰だ。
こんな馬鹿げたことをやっているのは、朝日だけだ。
読売なら、もちろん、紙面には記録が掲載されている。さらに、ネットでも詳細な情報を提供している。
→ 記録 : 箱根駅伝2015 : 読売新聞
ところが、朝日の記事には区間記録のデータがないから、あとで検索して調べようとしても、調べることができない。記事そのものがないからだ。
→ 朝日「箱根駅伝」全記事一覧(朝日のサイト)
これでは、新聞としての使命(= 事実報道)を放棄しているとしか思えない。
朝日はどうも、ただの記者の個人的感想を書くブログと化してしまっているようだ。
朝日の1月1〜4日の記事を見ると、やたらとブログみたいな記事が多い。ま、記者が物事を調べるという意味でなら、新聞のあり方とも一致するから、それはそれで悪くはない。(ニュースが枯れている正月ならば、それも悪くはない。)
しかし、肝心のニュースをすっぽかすというのは、とうてい「ありえなーい」と言えたくなることだ。駅伝というのは、国民の関心も高いイベントなのに、それを、「記録なしでボケ写真1枚だけ」なんて、ひどすぎる。そのそも、この画像自体、テレビを見ていた読者には何の価値もないから、紙面の半分が何も掲載していないに等しい。無意味画像の掲載だけ。
金を奪う詐欺みたいなものですね。
[ 付記1 ]
この件は、実は、今回に始まったことではない。20年ぐらい前から、徐々にこの傾向にある。
どうも、朝日は記者を削減したことで、記事を書く人手が不足してしまっているようだ。記事の総量がどんどん少なくなってしまっている。駅伝の情報量では、読売とは圧倒的な大差が付いている。(とにかく、スポーツ関係では、朝日の記事はすごく貧弱だ。政治面は結構充実しているんですけどね。)
ただ、自社に人手がないのなら、通信社のデータを掲載すればいいのに。通信社からなら、区間記録のデータを得ることぐらい、簡単だろうに。というか、大会運営者自体が記録を発表しているはずなので、そこからデータをもらうだけでいいのだが。それどころか、ネット上ですら入手できるんだが。
→ 箱根駅伝公式Webサイト
まったく、朝日は何やっているんだか。読者をないがしろにしているとしか思えない。ひどすぎ。
※ もしかしたら、「ネット上でデータを入手できるから、新聞には掲載しませんでした」というつもりなのかもね。「情報を知りたければ、新聞を読まずに、自分でネットをいろいろ工夫して検索して、調べろ」と。
つまり、「新聞なんか不要だからネットだけで十分だ」と、新聞社自身が主張しているわけだ。
※ 朝日の使命は、いつのまにか、「新聞は不要だ」と主張することになってしまったようだ。そう考えると、「画像ばかりがやたらと馬鹿でかく掲載される」というふうに、新聞を無意味化していることも、理解できる。つまり、「阿呆の自殺行為」だ。……今では「オウンゴール」と言うべきか。
[ 付記2 ]
この件は、駅伝に限ったことではない。他のスポーツ全般に当てはまる。たとえば、オリンピックや世界選手権では、「画像だけがあって、記録がない」ということが、しばしばある。日本人選手の順位と記録だけがあって、優勝者である外国人選手の記録がない、というのは、ザラにある。当然、優勝記録と日本人選手との記録の比較もできない。
スポーツの記事で、画像だけがあって記録がない……なんて、スポーツを馬鹿にしているにもほどがある。朝日のスポーツ部の記者は、たぶん、スポーツというものを愛していないのだろう。単に「見世物」としか思っていないのだろう。だからこそ「記録を掲載しないで、観客の画像ばかりを掲載する」という、スポーツを侮辱するようなことができるのだ。
スポーツ部の記者は、スポーツ体験者に限定した方がよさそうだ。そうすれば、これほど馬鹿げたこともなくなるだろうから。最低限、記録ぐらいは掲載してくれるはずだ。
[ 補足 ]
本記事の紙面画像について補足しておく。
紙面の左側には、データが並んでいるが、これは、往路と復路の総計の記録だ。復路が5時間25分、というような数字。
これは、総計であって、区間記録ではない。本項で話題にしているのは「1区では**分、2区では**分、……」というのを、大学別に示したデータのこと。表形式のデータ。
このデータを全部掲載するためには、画像の背景部分全体と同じぐらいのスペースを必要とする。つまり、次の二者択一だ。
・ 区間記録のデータをすべて掲載する
・ 背景のボケ部分を掲載する
朝日の場合は、区間記録のデータを掲載するのをやめて、背景のボケ部分を掲載したわけだ。そこが、本項では批判されている。
ついでに言えば、紙面左下の「ドラえもんのコラム」も、こんなところに置くべきじゃない。
とにかく、あまりにも馬鹿げた紙面だ。
【 関連項目 】
→ 箱根駅伝で死者?
※ 本日の1日前の、箱根駅伝・往路の話。

と コメントします 好きでしたよね
私は20年間ほど朝日を購読していた。並行して読売も購読していた。
わかりやすかったのは、経済人などの「ひと」のインタビュー記事。読売は、
そのひとの印象や引き出したエピソードも含めて2〜3回の連載記事。朝日は、
読売と同じ面積に1度に3人の紹介記事を、既に知られている通り一遍の内容を
上手にまとめて、押し込んでいた。「朝日はろくに取材しないのね」と気づいた。
朝日の凋落で決定的だったのは、「科学朝日」->「サイアス」の休刊。立花隆氏
他、非情に多くの休刊反対の声を無視して、休刊そして廃刊にした。
以来、朝日の取り柄であった科学記事の質が無残に低下していった。政治・社会
の記事は、事実を取材して事実から見えてきたものを書くのではなく、思い込みを
(一種のイデオロギー)を机の上で書く部分が主なので、読んでも感心・感動する
ところがない。
変貌・進化していく世の中を、汗をかきながら取材して伝えるジャーナリスト魂
の社風は消え、日本以外の国の情報を楽に得て机の上でまとめればいいやとなった
のだろう。その流儀では中国や韓国の情宣紙のようになり、購読を止めた。
もし、立て直す気があるのなら、社員や韓国人に書かせるのではなく、分野分野
のフリー・ジャーナリストに事実の基づく記事を投稿してもらえば、読める記事に
なるのでは。それでは朝日の主張が統一されないというのなら応えたい。購読者は、
朝日に洗脳してもらおうとは思っていないのです。事実を伝えて欲しいだけですと。
つまりただの背景ではなく、他の選手と競っていないという情報を一応は含んでいるわけです。
仰る通り区間記録のデータの方が重要なのは確かですが、タイムを競う様な競技では一定の価値を持つ手法でもあると思います。
それにしてもサイズが大きすぎますし、背景もさすがにもう少し削っても良いとは思いますが。
ブログ主さまの、物事の本質を鋭く見抜き、単刀直入に指摘される炯眼には、いつもながら敬服します。
人間社会は、日々生じる諸々の「事実」の上に紡がれるわけで、新聞だけでなく、科学研究も、会社の営業も、政治の取り組みも、その他諸々、「事実」に基かなければ、いずれ人間の活動は内部矛盾に耐えきれず必然的に崩壊するはずです。今の「朝日」がその一例でしょうし、70年前、敗北が約束された戦争に必然的に敗北したのも、また直近の「STAP論文撤回」もしかり、と言えるでしょう。
>[ 付記2 ]・・・オリンピックや世界選手権では・・・日本人選手の順位と記録だけがあって、
>優勝者である外国人選手の記録がない・・・
私も、朝日のロンドンオリンピック記事のお粗末さに、憤慨した経験があります(残っていないが、抗議文を送った気がする)。当時を、朝日への憤慨と同時に、New York Times (NYT)の完璧さに感服したのを思い出します。NYTでは、全種目で全メダリストのフルネームを載せ、国別のメダリスト数を世界地図上でネットならではのイラストで示し、閲覧者の興味をより引出すような仕掛けなのです(日本のHPにありがちな、訳の分からない/無意味なイラストを散りばめたりはしません)。
NYTは、創刊(1851)以来の全記事がアーカイブズ化されていて、一発で検索できます。今やってみたのですが、yukawa hideki で検索すると、約50件ヒットし、記事の「見出し」と「本文の書き出し」が読めます。記事全体を読みたかったら即、ネット上で購入すれば言い訳です。因みに、einstein では約371,000件ヒット。残念ながら、メディア後進国?日本の新聞では、記事のアーカイブズ化は殆ど進んでいないようです。