この歌は、「マッサン」で歌われるだけでなく、「花子とアン」でも歌われた。本年を代表する歌の一つだと見なされ、紅白歌合戦でも余興みたいにして、誰か(エリー ?)が歌うのではないか、とも言われている。
ところで、この題名の翻訳が一定しない。たとえば、こうだ。
スコットランド民謡「The Water Is Wide(O Waly, Waly)」。邦題は「悲しみの水辺」あるいは「広い河の岸辺」。
( → ロケTV )
ここでは Water は「川」(河)のことだと解釈されて翻訳されている。
しかし、歌詞の後半では Sea という言葉が出てくるので、この Water が海であることは(ほぼ)自明である。「川」と訳すのは明らかに誤訳だろう。
なお、「湖」と訳すのは、誤訳とは言い切れない。イメージ的には「すごく広大な静かな湖」というのが、一番ピッタリ来る。これならば、「向こう岸へ渡れない」というのも、「ボートでなら渡れる」というのも、意味が通る。(海へボートで出たら遭難してしまいそうだし。)
→ 原詩と訳詞
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ただし、である。私の見解を言えば、こうだ。
「詩というものは勝手に訳しすぎてはいけない。原文が曖昧な単語を使っているのであれば、その曖昧で広い意味をそのまま伝えるべきだ。原文が river でもなく sea でもなく water という語を使っているのであれば、川でもなく、海でもなく、水という語を使うべきだ」
この立場から言えば、water の訳は「水」である。ただし、そのままでは日本語として不自然だから、「水面」と訳すのが好ましい。
結論:
The Water Is Wide の訳は「水面は広い」もしくは「水面はとても広い」である。
[ 付記 ]
私の訳:
The water is wide, I can't cross over
And Neither have I wings to fly
Give me a boat that can carry two
And both shall row, my love and I
水面はとても広い。渡ることはできず、
飛んでいくための翼も私にはない。
小舟をください。二人が乗れるような。
そうすれば二人で漕ごう。私と恋人で。

太平洋のような海ではなく、向こう岸が見えるような海です。