牛乳を温めると、膜ができる。この膜をあらかじめ除去してから、牛乳をコーヒーに入れるといいだろう。
なぜか? 次のことが考えられるからだ。
「牛乳を温めると、膜ができる。当然、コーヒーに牛乳を入れても、その牛乳には膜ができる。実際には目には見えないかもしれないが、微細な膜がたくさんできているはずだ。それが舌触りを悪くするはずだ」
牛乳を温めれば、膜ができるのだから、牛乳をコーヒーに入れても、その牛乳は熱せられて膜ができるはずだ。ただし、スプーンでかきまぜているので、膜が目には見えないぐらいの微小な破片となっている。そのせいで、膜があることがわからない。だとしても、舌で味わえば、微小な膜を舌で味わうことになる。だから、コーヒーの食感を悪くする。(舌触りが悪い感じ。微細なゴミが入っている感じ。)
というのは、私の推測である。
で、実際にやってみたら? (つまり、あらかじめ少量の牛乳を温めて、膜を形成させて、その膜を除去してから、コーヒーに入れる。その結果は?)
うむ。たしかに、まろやかな感じになった。舌触りは良くなった。ただし、「冷たい牛乳を少し入れたあとで、1分間ぐらい猛烈に掻き回す」というのと比べて、あまり違いはわからなかった。また、味の点では、あまり差はなかった。(主に舌触りだけ。)
それでも、コーヒーに牛乳を入れたときの「変な牛乳っぽさ」はなくなったので、効果はあったと言える。
一応、合格点。
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粉末性の植物性脂肪(具体的に銘柄を挙げると、味の素の「マリーム」)を入れて、比較してみたら。……
マリームの方は明らかに植物性の脂肪の味がする。植物性の生クリームの味。脂肪特有のまったりしたおいしさが感じられる。生クリームのおいしさと同じ。ただし、本当の生クリームと違って、植物性脂肪に特有の「こくのなさ」(妙にさっぱりした感じ)もある。……とにかく、こいつは植物性脂肪の味だ。
一方、牛乳の方は、脂肪らしさはほとんどなかった。一応、乳脂肪 3.7%ぐらいの牛乳を使っているが、脂肪っぽさは感じられなかった。
どちらがおいしいかと言えば、マリームの方がおいしい、と言える。(少なくとも私には。)
ただ、前項でも述べたように、「牛乳とマリームを半々ずつ」の方が、ちょっと上みたいだ。
しかしまあ、どれがいいかは、各人のお好みだろう。私は別に、「この方式にしろ」と強制することはありません。どれにするかは、ご自由に。
( ※ タイトルは「コーヒーの牛乳は膜を取れ」だが、別に、取らなくてもいいです。どうするかは、お好みで。)
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さて。このあとはトリビアふうの知識だ。
(1) カゼインとホエイ
牛乳のタンパク質には、カゼインとホエイがある。このうち、膜になるのは、ホエイ蛋白の方だ。
牛乳の中には約8割を占める「カゼイン」と、約2割の「ホエイ」という、2種のタンパク質が存在します。膜の正体は熱によって分離し、凝固した「ホエイ」蛋白です。
( → 牛乳を温めるとなぜ膜がはるの? )
《 牛乳に膜ができる仕組み 》
牛乳を温かくすると液面に膜が張ります。これは以下のようなメカニズムによって説明できます。
・ 牛乳を静かに熱すると、液面では水分の蒸発が起こる。
・ このとき液面の近くでは、熱によって変形しやすいホエイたんぱく質が変性・凝縮し始める。
・ ホエイたんぱく質が凝縮する際に、周りにある脂肪球を一緒に包み込み、膜を形成する。
( → 牛乳の膜を科学する )
(2) カゼインは乳化剤
カゼインとホエイのうち、ホエイはわかったが、カゼインの方はどうか? これはどうも、乳化剤としての効果があるようだ。
カゼインは、牛乳に含まれる乳タンパク質の約80%を占める。一般に乳固形分と呼ばれる成分の主要成分の一つである。
牛乳中では特にカルシウムと結合してカルシウム塩の形で存在し、結果として牛乳中でカルシウムの安定な運び屋として機能する。
( → カゼイン - Wikipedia )
カゼインナトリウム、乳化剤
( → 知恵袋 )
(乳化剤としては)牛乳を原料とするカゼインナトリウムなどが使用される。
( → 乳化剤 - Wikipedia )
(3) デキストリン
前項では、「液状でカップ入りのコーヒークリーム(もどき)はまずい」という声が多く寄せられた。私もこれはまずいと思っていた。
このことはずっと昔から気づいて調べてあった。成分を見ればわかるが、「乳固形分」も、「乳脂肪分」も、「植物性脂肪分」も、ほとんど使われていない。使われているのは、「デキストリン」だ。これは何かというと、ただの多糖類だ。要するに、分子量の少ないデンプンだ。
Q コーヒーフレッシュの原材料にあるデキストリンとは何ですか。添加物ですか。
A デキストリンは、イモ類や穀類などに含まれるでんぷんを、消化吸収しやすいように分解した多糖類です。食品添加物ではなく食品に分類されます。食品に適度な粘度を与えたり、分離を防いだり、食品を凍結乾燥する時に形状を保つ、粉末調味料をサラサラで均一の状態に保つなどのさまざまな働きがあります。
( → Q&A|コープ商品サイト携帯版(日本生活協同組合連合会) )
デキストリン (dextrin) は、デンプンまたはグリコーゲンの加水分解で得られる低分子量の炭水化物の総称である。
( → デキストリン - Wikipedia )
というわけで、これがまずいのは当り前。たまにどこかでもらうことがあっても、捨てることにしています。ただのゴミ。
( ※ 白い液体なので、生クリームみたいに思えるが、実は、小麦や砂糖を水に溶かしたものと同類であるわけだ。それでも、見た目だけは生クリームみたいなので、一種の詐欺商品かな。……ただし、毒にも薬にもならない。)
【 関連項目 】
→ コーヒーにクリープ? 牛乳? (前項)

また、植物性油脂と言う名称をよく聞きますが、マーガリンがデビューしたときに鉱物から作った化学合成工業製品だとイメージ的にマイナスになるので、イメージが良くなるようにそのように宣伝されたのが今でもそのままになっているだけという認識なのですが、
化粧品のベースオイルなどと同じような、石油から水素重合の製法で作り出したパラフィン系鉱物油をベースにしているはずなのですが、なぜか世の中には鉱物系化学合成食用油脂という言葉は存在しないんですよね。
やはり口に入る物としては植物性より印象が良くないからでしょうか。
そんなわけないでしょ。コストが馬鹿高くて採算に合わない。Wikipedia の「植物性脂肪」を見ればわかるように、ローコストの農産物がたくさんあります。そっちを使っているはず。
根拠もなしに、デマカセを書いちゃダメですよ。
水素重合ではなく、水素添加反応ですね。二重結合を持つ不飽和系分子を、水素を添加して一重結合にする反応です。これは工場で実施されます。植物油を原料にマーガリン等を作っているので、コーヒークリーム原料ですね。
流動パラフィンは今は食品添加物として使うにも発がん性ありで厳しく規制されてましたね。
よく考えてみたら、今だと植物から油を抽出したほうが安そうですね。
ただ、安定性向上のための水素化は普通に行われているので、原料が植物の油でも、やはり工業製品に近い印象です。
コーヒーはブラック派ですが、インスタントコーヒーに入れるのだと、舐めてもさっぱりし過ぎてあまり美味しくない、ネスレのブライトが気に入ってます。
まあ、植物性脂肪は、植物脂肪とは違いますからね。「性」という1字が入っている時点で、工業製品であると示唆される。
といっても、パンやチーズやウイスキーみたいなものです。工場で作っているからといって、機械製品と同類であるわけではありません。