大学進学率は、都会が高くて、地方は低い。都会にはたくさん大学があるが、地方には大学が少ない。地方から都会に出れば、下宿代もかかる。そこで大学進学を諦めるという地方の高校生が多い。成績が優秀でも、家計の都合で、そうせざるを得ないという。
朝日に記事がある。それと同じ記事だが、ハフィントンポストには有料分の記事まで掲載されている。
大都市と地方で高校生の大学進学率の差が広がっている。今春の文部科学省の調査から朝日新聞が算出すると、都道府県別で最上位と最下位の差は40ポイント。20年で2倍になった。家計状況と大学の都市集中が主因とみられる。住む場所の違いで高校生の進路が狭まりかねず、経済支援の充実などを求める意見がある。
( → 大学進学率、地域差が拡大 地方の生徒「本当は行きたい...」 )
では、どうすればいいか? 「奨学金を」というのが普通の発想だが、奨学金は有利子のものばかり、という状況にあるそうだ。無利子のものを増やすには、財源がない。(同じ日の朝日の社説。)
上記引用記事では「専門学校」という案もあるが、これではダメだ。
《 地方底辺国立大学に進んだ結果wwwwww 》
周りにまともな大学がないから無双状態
都会に出ていかなければ内定取り放題
なんだかんだ真面目な奴が多いから大学生活楽しい
腐っても国立だわ。半端な私立行かなくてよかった
( → 2ちゃんねる コピペ )
という体験談がある。これは国立大学だからこそ。専門学校では、こうはならない。そもそも専門学校では、「優秀な人材が埋もれるのを防ぐ」という効果がない。単に進学させればいい、というものではないのだ。
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ここで、困ったときの Openブログ。何か名案はないのか? はい。あります。
「ネットまたは DVD によるIT講義の形で、サテライト大学を全国に導入すればいい」
これは、ただのネット通信の大学講義(個人ベース)とは違って、各地に分散した教室で講義を受けるものだ。
具体的なモデルは、東進ハイスクールだ。東進ハイスクールは、この方式で予備校を展開して、全国で急拡大した。
ナガセは東進ハイスクール93校や東進衛星予備校909校を全国に展開するが、自社保有の不動産は本社がある東京・吉祥寺と西新宿の2カ所だけ。VOD(ビデオ・オン・デマンド)方式で映像授業を行う東進衛星予備校は、地方の学習塾とFC契約を結ぶことで、全国展開している。
「直営でやると、校舎によって先生の当たり外れが出てしまう」(ナガセ社長の永瀬昭幸)。そこで、実力のある講師の授業を映像にして、全国の提携先に配信するわけだ。そうすれば、1回の授業が、10万人に上る東進衛星予備校の生徒に視聴される可能性がある。
( → 代ゼミ、「一人負け」の深層 :日本経済新聞 )
どういう現場かというと、次に画像がある。(要 登録・日経)
→ 画像 (拡大画像へのリンクページ)
画像を見ればわかるように、教室内では、個人ベースで机と画面がある。各人の席は、仕切りで区切られている。
ともあれ、こういう教室があれば、地方でも大学ができることになる。50人ぐらいの学生がいれば、一つの教室ができるから、たいていの人々の通学圏内に大学ができることになる。(というか、県立高校内に併設してもいい。場合によっては、だが。)
では、問題は? これが可能なのは、当面、東進ハイスクールだけだろう。だから、東進ハイスクールに、「大学経営への進出」をしてもらうしかない。
また、国としては、そのための法整備をするしかない。
国が一企業のための法整備をするというのは、本来は好ましくはないのだが、他の人々が無能なのだから、仕方がない。
もっとも、現実には、法整備をしたあとでは、東進ハイスクール以外の参入者も出てくるかもしれない。特に、商社あたりが参入するかもしれない。それならそれで、好ましいことだ。(選択肢が増える。)
一方、既存の大学にそれと同じことを期待するのは、見込み薄だろう。そのためのノウハウがないからだ。
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ともあれ、いずれにせよ、「地方の大学進学率を高める」という方法はある。これは知恵で解決できる問題だ。
一方、知恵がなければ? 次のいずれかだ。
・ 奨学金を給付して、莫大な財源を投入する。兆円規模。
・ 地方の貧しい若者には、進学を諦めてもらう。
知恵がなければ、愚かな結果になるしかないのだ。
( ※ せっかく大学に進学しても、知恵のない人々がいる、ということかな。 (^^); )
【 追記 】
単なる通信教育としての大学だと、学歴に価値がなくなる。これではせっかく大学卒にしても効果が少ない。では、どうするか?
「入学した学生に対して、厳密な成績表を付ける」
これで価値が付くだろう。ただし、「××大学卒」という価値ではなくて、成績表の価値だが。
例。
「解析学の成績は、受講者 20634人中の 3475 位。電磁気学の成績は、受講者 13254人中の 2475 位。統計学の成績は ……。総合では、98単位を取得して、偏差値の平均値は 61.3 です。うち、専門科目は 62.9、一般科目は 59.8、語学は 60.3 です」

講師と学生が対面する形式やゼミ形式、実習形式などの授業は、映像授業を受ける場所とは別の場所(拠点大学)に学生を集めて行えば良いと思います。
(拠点大学)に集めておこなう授業は曜日を決めて行ったり、集中授業を数日間ぶっ続けで行うかすればよいでしょう。(拠点大学)には、集中授業を受けに来る学生向けに宿泊施設(民営でよい)を用意するわけです。
映像授業の利点は、分かりにくい部分を何度も繰り返して視聴して、理解を深めることができる点です。
映像授業の導入は、高等学校にも今後進められると思います。
いずれもサーバ・ネットインフラ管理のITS部門と並行して、撮影や録画部門や、スライドやレジュメ・テキスト資料を統一的に準備するメディアセンター部門が十分なスタッフと予算とリソースそして、非常に重要な点である経験を持ち、しっかりと教員をサポートする機能を果たしている。
日本のほとんどの国立大(おそらく私学も)では、優れた講義は、全ての作業を教員の個人的奮闘と尽力で、徹夜で作成・コピー準備しているのが現状である。資料のティポを点検するスタッフすらいない。熱心な受講学生の指摘を受けて直している。
ほとんどの国立大学では、独法化後の毎年の予算削減を受けて、正規職員の支援スタッフ要員のカットで進めてきており、現状はすでに1年雇用の派遣要員に切り替わっている。
このために10人規模の正規スタッフなどを用意できるのは東大その他、2−3の有名大学くらいだろう。
このうえ更にビデオ撮影や配信についても各教員の個人的努力に依存では頑張っても半年と持たない。
良い案かもしれないが、実行すれば利益を得る仕組みなど抜本的強化策が伴わない限り、独法化後の10年以上の予算削減の中で苦闘している大学教員の負担の過重状態からして、ビデオ配信は教員の過労死を増大させる案であろう。
もちろん、やらなければ日本の大学の将来は暗いことは欧米の無料講義が開始した時点からわかっていたが。過労死をこれ以上は増やせない。