視覚障害者について、読売新聞に投稿があった。次の趣旨。
「横断歩道で赤信号なのに、白杖の視覚障害者が渡っていた。危険なので、手を引いて歩道に戻してあげた。そばには高校生もいたのに、誰も引き止めようとしなかった。困ったことだ。なお、視覚障害者自身が言うには、音声信号がないので、車の音が聞こえなければ青信号だと思ったそうだ」(2014-10-15)
少し似ているが、車椅子の障害者について、朝日新聞に投稿があった。次の趣旨。
「車椅子に乗った夫を電車に乗せようとするが、うまく乗せられないので、他人の力を借りようとする。しかし、声を上げて助けを求めても、人々はスマホに熱中していて、誰も助けてくれない。困っていたら、外国人観光客が助けてくれたので、事なきを得た。昔は誰もが助けてくれたのに、今では誰もがスマホに熱中している。困ったことだ」(2014-10-15)
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後者のスマホの問題は、人々の意識が問題なのではなく、単に気づかないことだけが問題だ。ならば、「デカい声が出せないのならば、拡声器を使う」という方法で、何とかなりそうだ。
サンワダイレクト ポータブル拡声器 ハンズフリー
とはいえ、気づいても放置する、という人々も多い。冒頭の「横断歩道で赤信号」という場合がそうだ。
こういう場合に対しては、「中学生・高校生に、障害者協力の教育をする」という教育政策も考えられるが、それはそれで別問題。社会の側でも、何とか、社会基盤の整備の点で対策したい。
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そこで私が考えたのが、「視覚障害者にとって安全な街」というアイデアだ。日本中で視覚障害者に住みやすい環境を整備するのは理想だが、それでは百年河清を待つことになる。とりあえずは手っ取り早く、「視覚障害者にとって安全な街」というのを構築して、そこに移住すれば安全に過ごせるようにしたい。
たとえば、こんな感じ。
・ 低層の団地ふう。(戸建て・アパート)
・ 2階以上ならば、エレベーターを設置する。(車椅子対策)
・ 地域内には幹線道路が通らない。(外部には通る。)
・ 地域内では、見通しをよくして、交通事故を起こしにくくする。
・ 交通信号は音声信号を配備。
・ 白杖の人を見たら誰もが助けるようにする。
・ 福祉施設、介護施設、病院も、近くに設置する。
・ 領域内に小さなスーパーを設置する。
・ 車椅子でも通れるように、段差をなくす。
以上は例示だが、こんな感じで、車椅子や視覚障害者への優しさがある街があるといい。
では、そのような街は、どこにあるか? 早速ネットで調べてみたら、ちゃんと専門家の見解があった。乙武さんが調べたらしい。その情報がある。
Q 障害者が一番住みやすい町、県はどこですか? また、どこが一番そう言った取り組みに熱心、進んでいますか?
A 日本には無いと思います。ノーマライゼーションが浸透しているカリフォルニアのバークレーが最も住みやすいと思います。乙武さんが言ってました。
( → 知恵袋 )
日本にはないそうです。 (^^);
が、さらに調べると、次の情報もあった。
Q 大阪市以外で障害者のための住みやすい町を教えて下さい。
A 別府・障害者・街で検索してください。別府は障害者バリアフリーで有名です。
( → 知恵袋 )
別府ですね。なるほど。
ただし、よく調べると、「視覚」という言葉では情報がヒットしない。ということは、別府における障害者対策は、主として車椅子対策であって、視覚障害者対策ではないようだ。
結局、日本には視覚障害者対策がなされた街は、ないと言えるだろう。
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では、なければ、新規に作ればいいか? 理屈ではそうだが、実際には無理そうだ。というのは、次の問題があるからだ。
「視覚障害者はたいていの場合、生活保護世帯である。視覚障害者にとって住みやすい街を作ると、生活保護の受給者がいっぱい集まってくる。そうすると、自治体の負担が増えて、自治体の財政がパンクする」
つまり、真面目に対策をすればするほど、自治体は損をする。比喩的に言えば、自治体には「障害者対策の罰金」みたいなものが科せられる。「障害者対策をやればやるほど、莫大な罰金を科せられる」というわけだ。
これでは、障害者対策をやる自治体が増えるわけがない。
この見解を裏付けるため、ネットで調べてみた。
→ 「生活保護 自治体 負担」 - Google 検索
これで調べると、おおむね 25%が自治体の負担であり、残りの 75%が国の負担だ。25%の負担をしても、さらに国庫負担(地方交付税)があとで追加されるようなので、実際にはもっと軽減されるらしい。とはいえ、大都市には地方交付税は交付されないから、大都市では負担金が巨額になるそうだ。(生活保護費の負担が。)
とすれば、大都市では、「視覚障害者対策はやればやるほど大損する」ということになる。これでは視覚障害者対策が進むはずがない。
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では、どうすればいいか? 次のことが必要だろう。
「障害者の生活保護については 国庫負担を 100%とする」 …… @
さらには、次のことも必要かもしれない。
「生活保護の給付額は大都市ほど高額だという状況を改めて、全国一律にする。そのことで、(物価や住居費の低い)地方への移転を推進する」 …… A
以上の二点を用意した上で、次のことがようやく意味を持つ。
「視覚障害者にとって住みやすい街を、地方に整備して、そこへの移住を促す」 …… B
ここで、B が最終目的だが、そのためには、@ と A があらかじめ必要である。
@ がないと、「対策をすればするほど自治体が損をする」ということになるので、対策が進まない。
A がないと、地方都市への移住促進がないので、せっかく街を作っても、そこに来る人がいなくなる。大都市に住んでいる障害者を、積極的に地方の都市に移住させるような、移住推進策が必要だ。
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結論。
視覚障害者にとって住みやすい街を作ることは大切だ。ただし、掛け声をかけて、やみくもに突き進もうとするよりは、その前に、構造的な問題に着目するべきだ。
日本には「視覚障害者にとって住みやすい街を作るべきではない」という構造がある。そういう法的制度があるのだ。「やればやるほど罰金がかかる」という形で。
このような構造的な問題を解決したあとで、街のデザインをする必要がある。
都市デザインというものは、単に建築家がアイデアを出せばいい、というものではない。都市デザインの前に、グランドデザインが必要だ。そこでは、国レベルの構造的な制度問題を、きちんと理解しておくことが大切だ。
それはまた、「物事の本質を理解せよ」ということでもある。

数年前の都内の電車では障害者への気配りがあった
むしろ田舎から出てきた人のほうが行動が出遅れるほどだった
いつからこうなったのか・・・スマホだけの問題だろうか?