2014年10月11日

◆ 日亜化学とコロンブスの卵

 日亜化学の主張を聞くと、これが「コロンブスの卵」に該当するとわかる。 ──

 先に、「中村修二の業績は、アメリカ大陸を発見したコロンブスのようなものだ」と述べた。

 その項目の 【 追記 】 では、「日亜化学のアニール技術は、中村修二の業績を土台として、その上に立つものだ」と述べた。

 一方、日亜化学は、「アニール技術こそ重要なものだ」と述べた。

 以上のすべては、下記項目で記したとおり。
  → 中村修二の業績

 ──

 さて。コロンブスで思い出したが、コロンブスの卵という話がある。
 「新大陸発見」を祝う凱旋式典で「誰でも西へ行けば陸地にぶつかる。造作も無いことだ」などとコロンブスの成功を妬む人々に対し、コロンブスは「誰かこの卵を机に立ててみて下さい」と言い、誰も出来なかった後でコロンブスは軽く卵の先を割ってから机に立てた。
 「そんな方法なら誰でも出来る」と言う人々に対し、コロンブスは「人のした後では造作もないことだ」と返した。
 これが「コロンブスの卵」(Egg of Columbus)の逸話であり、「誰でも出来る事でも、最初に実行するのは至難であり、柔軟な発想力が必要」「逆転の発想」という意の故事で今日使われている。
( → Wikipedia

 この逸話は、日亜化学の主張と同様だ。
 中村修二は前人未踏の領域を進んで、「こうすれば青色 LED ができる」と示した。同時に、その原理も示した。
 その後、原理を知った日亜化学は、「そういう原理があるのか。だったら、同じ原理を使うにしても、こういう方法を使えば、もっとうまくできるぞ」というふうに示した。
 それはいわば、「大西洋を渡るのに、コロンブスの通った経路を通る必要はない。別の最短経路をたどることもできる。その最短経路を発見したのは私だ。今日の船舶は、みんなこの最短経路を通る。ゆえに、一番偉いのは私だ。コロンブスの業績なんて、私の業績に比べれば、無にすぎない」
 と言うようなものだ。……本質的には、二番煎じにすぎないのだが。  (^^);
 日亜化学はやはり、「コロンブスの卵」という概念を理解した方がいいだろう。



 [ 余談1 ]
 まったく別の話だが、次のことも考えた。
 「日亜は、誰にどれだけ払うかを示すより、貢献した社員に払う全額を先に決めるべきだ。たとえば、7000億円の利益に対して、総額 1000億円を発明者に払う。そのあとで、中村修二にはこれこれで、アニール特許の発明者にはこれこれで、……というふうに配分を示せばいい」
 こういう形であれば、合理的だし、中村修二も受け入れただろう。たとえば、「中村修二には 42万円で、アニール特許の発明者には 999億円」というのでもいい。馬鹿馬鹿しいが、それはそれでいい。
 しかし現実には、会社は「富は会社(資本家)が独占する」というふうにした。これでは滅茶苦茶すぎるよね。

 [ 余談2 ]
 すぐ上の論点を指摘できなかった弁護士は、ちょっと無能だったようだ。こういう点をうまく指摘できる弁護士がいればいいのだが……と思っているうちに、似た概念を思い出した。
  → パテント・トロール

 他人の特許を安く買いあさってから、その特許を利用している会社から、多額の特許使用料を巻き上げる……という商売。
 世間では「あこぎな商売」と思われているようだが、別に、悪いことをしているわけではあるまい。
 こういう会社が、日亜みたいな会社を相手にしたら、1000億円どころか、3000億円ぐらいをむしり取れたかもしれない。何しろ、訴訟技術が抜群らしいから。
 そんなことも思い浮かんだ。

 [ 余談3 ]
 赤崎勇・中村修二という二人の業績については大きく報道されてきたが、天野浩の業績については報道が不十分だ。かなり誤解されていると言える。その趣旨で、コメントを書いた。一部抜粋しよう。
 天野さんの業績については、相当、誤解されていますね。もっと詳細を報道して上げた方がいい。

 赤崎・天野・中村の三氏は、いずれもそれぞれ重要な業績を上げています。初めてちゃんと光る青色 LED を開発したのは、天野氏です。(実用レベルには足りなかったが。)

( → 別項のコメント欄

 そこにいくらか説明してある。なお、詳細を示したリンクは、これ。
 → 天野浩 (武田賞受賞) [PDF]
posted by 管理人 at 23:04 | Comment(0) | 一般(雑学)2 | 更新情報をチェックする
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