福岡市博多区の整形外科で 10人が死亡した火災があった。この問題を考察する。 ──
福岡市博多区の整形外科で 10人が死亡した火災があった。
→ 毎日新聞
→ 読売新聞 1
→ 読売新聞 2
原因を調べようとする記事もあるが、ざっと見て、次のような指摘があった。
・ スプリンクラーが未設置。(小規模なので規制対象外)
・ 防火扉が閉まらなかった。(火災に不感知。故障?)
・ 防火責任者の体制がちゃんとできていなかった。
しかし、このような指摘は、非本質的だという感じがする。たとえば、「スプリンクラーを設置すべきだった」というのはその通りだが、それには金がかかる。金をかけずに済む方法はないか? 全国の全病院(および旅館など)に、漏らさず適用できる方法はないか?
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この事件で重要なことは、次の二点だ。
(1) 患者は2〜4階にいた。しかし1階から出火しして、煙が出て、上階に上がった。上階の患者は、階段を降りて、1階の出入口経由で外に出ようとしたのだが、その途上で、煙に巻かれて、1酸化炭素中毒死した。(窒息死)
(2) 上階にいた患者のうち、窓から逃げようとした人は、煙を免れ、助かった。飛び降りた人もいるし、消防署の助けを借りた人もいる。飛び降りた人は、かかとを粉砕骨折した例もある。(読売・夕刊 2013-10-11 )
ここで生死が分かれた。
・ 階段から逃げた人 → 火と煙に近づいて、死んだ。
・ 窓から逃げた人 → 火と煙から離れて、助かった。
このことから、次の教訓を得る。
「火が出たら、階段を下りるな。それは火と煙に近づくことであり、死に近づくことだ」
「火が出たら、ドアを閉めて、隙間を濡れタオルなどで密閉せよ。その後は、窓から逃げることを考えよ。布でロープを作ってもいい。病院やホテルならば、ベッドを投げ捨てて、地面にベッドの山を作れ。そこに飛び降りよ」
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一方、施設の側としても、いろいろと対処することが必要だ。たとえば、次のようなことだ。
・ スプリンクラーを設置する。特に1階・2階は必須!
(1階・2階で出火すると、火と煙が上に行くので危険。)
・ 非常階段を設置するべき。(逆方向から逃げられる。)
・ 脱出シューターを設置する。(チューブ状 or すべり台状)
これらの対策は、なるべくやってほしいのだが、いくらかは金がかかる。そこで、ほとんど金がかからない方式として、次の方式を薦める。
・ 窓の外に、金属ハシゴを設置する。
・ 窓の外に、縄ハシゴを設置する。
・ 窓のそばに、たくさんのロープを設置する。
これによって、かなり多くの人が助かるはずだ。
その方法は、下記。
「出火したら、外にいる人が気づいて、金属バシゴで2階に上がる。そこからロープで患者( or 客)のベルトを縛って(または器具で引っかけて)命綱としてから、1階に下ろしていく」
力のある男性でないと、人を下ろすことは困難だろうが、とにかくこれで、緊急的に人を救うことができる。
なお、下に多数の人がいれば、次のようにするといい。
「ロープを ∩ 型にする。一端は、患者に結びつけるが、もう一端は、1階にいる多数の人々に支えてもらう。ロープの中間は、2階の何かに引っかける。ベランダの欄干でもいいし、室内にある机の脚でもいい。とにかくここに引っかけることで、ロープは ∩ 型に曲がる。下ろしていく患者を、地上にいる多数の人々が支えることができる」
以上のことをやるには、金属ハシゴとロープがあるだけでいい。ただし、あと一つ、重要なものがある。それは「知恵」だ。
このような知恵は、いざとなって急に思い浮かぶものでもないから、普段から人々が救助訓練などをしておくといいだろう。
情けは人のためならず。人々がそういう訓練をしておけば、あるときいつか、自分がそれによって助けられるかもしれない。
( ※ ただし、ベッドがある環境では、ベッドを下に放り出す方法が、最も有効だろう。ただ、それをやるだけの余裕があることが前提だ。内部にいるのが老人だけだと、それは困難。外部の人を招くには、外部の人が来られるような金属ハシゴが設置されていることが条件。)
【 追記1 】
福岡の火事では、次の問題もあったそうだ。
「以前、消防署が防火体制の検査をした。そのとき、防火壁のそばに物が置かれていて、防火壁がまともに作動しなかった。その点を警告した」
こういう問題が発覚したときには、警告するだけでなく、事後的に再チェックするべきだろう。そして、再チェックの際に修正がなされていなかったら、高額の罰金を科すべきだろう。このことで、検査に実効性をもたせ、かつ、自治体の歳入が増える。一石二鳥。検査態勢を拡充することもできる。(検査要員の費用を罰金でまかなうこともできる。)
( ※ 一般に、公的検査については、罰金を多額にすることで、人員を増やした方がいい。それができていないから、法がザル法と化して、あちこちで違法状態が見逃されてしまう。そのせいで一般市民が大被害を応用になる。)
【 追記2 】
福岡の火事では、実は非常階段のようなものがあったと判明した。下記の間取り図を参照。
→ 読売新聞
ここに間取り図がある。(クリックすると拡大)
右の方に「裏玄関」という三文字があるが、この三文字の「裏」という文字のあたりに、らせん状の非常階段のようなものが設置されていた。(朝日新聞 2013-10-12 には、らせん階段の図面がある。読売新聞・朝刊 2013-10-12 には、写真もある。赤い色で塗られた鉄構造の簡易階段だ。)
朝日の図を見るとわかるが、この階段は、3階(元院長の自宅)とのみ接続していて、他の階では接続していない。そのせいで、他の階ではこの階段を使うことはできなかった。
どうせ非常階段みたいなもの(らせん階段)を用意しておくのであれば、他の階からもそこに出られるようにしておけばよかった。(ふだんは非常口扱いで利用禁止にしてもいいが。)
そのくらいのことで、被害者数はかなり減らせたと思える。(ただし日頃から避難訓練をしておくことが前提。)
【 追記3 】
スプリンクラーの設置には 2000万円かかると言われた、という談話があった。(別の診療所の所長の話。)
そうだとすれば、やはり、「1階だけ」とか「熱源のある部屋だけ」という形ででも、部分的にやっておけばよかった。そのことで、費用対効果では非常に大きなメリットがあったはずだ。
なお、大規模施設では本格的なスプリンクラーが必要なので、上記の 2000万円というような数値が出るが、小規模施設では簡易スプリンクラー(水道直結式)でもいいことになっている。(消防の法律の規定で。) その場合は、300〜500万円という費用で済むこともあるようだ。
水道直結式なので、水圧が低い。だから高い階には使えないが、1〜2階ならば十分に使えるだろう。
従って私の推奨としては、こうなる。
「スプリンクラーは、1〜2階では(水道直結式の)簡易スプリンクラーを設置せよ。それを義務づけよ」 ……(*)
現状では「小規模施設ではスプリンクラーの設置義務なし」であるが、(*)のように、「小規模施設でも最低限、簡易スプリンクラーを1〜2階に設置することを義務づけよ」となる。同時に、3階以上は病床のみにして、火の手の元となるような機械の設置を禁止するべきだろう。(ま、たいていの施設では、その条件を満たすだろうが。そのような機械は1階に置くのが常識だからだ。
仮に、今回の事例で、(*)が満たされていたら、死者は一人も出なかったはずだ。(簡易スプリンターが、火の元となった機械を消火するので。)
→ 医療機器から出火か 福岡の医院火災
2013年10月11日
過去ログ

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合理的なご指摘です。予防論の観点からすれば、出火原因となる可能性が高い場所の対策を優先すべきでしょう。
今後の建物は、安全性、合理性、建設・維持の経済性、快適性、全体との調和性、省エネ性から設計すべきですね。
新国立競技場「巨大すぎる」と異論が出ているようです。少なくとも安全性、合理性、建設・維持の経済性、省エネ性
で×です。観客はあまり遠方の席から見るのを好まない。維持管理費は高額。
見かけの「かっこいい」で選んだのでしょうが、設計者へ慰謝料を払い、代替案に変更する方が、後々のためでは。