( ※ 本項の実際の掲載日は 2012-12-05 です。)
これまで、笹子トンネルの改修案を示してきた。
→ 笹子トンネルの問題と対策
→ 笹子トンネル以外の改修
前者は、鉄骨で天井を支える案。
後者は、金属板と多数のボルトで天井を支える案。
いずれにしても、重たい天井が残るという点は、変わらない。
しかし、それでは、「頭の上に致死性の危険物が残る」という根本的な問題は、回避されない。ひょっとしたら、大地震のときに、天井が落下するかもしれない。
──
そこで、次の案を示す。
「重たい天井(コンクリ製)を、全面撤去する。かわりに、送気も排気も、金属パイプ製のダクトにする」
これは読者コメント(by 京都の人)を参考にした案だ。
この方式には、次の難点がある。(★)
「金属パイプ製のダクトは、円筒形である必要があるが、その場合、断面積がかなり小さくなるので、送れる風量が現行よりもかなり減ってしまう」
その意味で、現行の代案にはならない。
ところが、コメント欄で、次の指摘があった。
そもそもこうした巨大な構造物としての排気トンネルが現在 必要なんでしょうか?35年前の設計思想がそのまま続いているとすれば、 その頃から排気ガスの排出量や有害物質の構成は自動車自体の燃焼システム の改善等で(以前NHKの新電子立国で解説していましたが)80年代以降 飛躍的に改善した訳ですしなるほど。その通り。現在では、トンネル開通時とは違って、排ガスはかなりきれいになっている。とすれば、あまり強力な換気は必要ないことになる。
( → 読者コメント by K&K )
その意味で、上記の難点(★)は、無視していいだろう。
結論。
笹子トンネルの重たいコンクリ天井は、撤去していい。
かわりに、金属パイプのダクトを使えばいい。
それによって送れる風量は減少する。だが、現在は排ガスがかなりきれいになっているので、トンネル開通時ほどには、大量の換気は必要なくなっている。問題なし。
これによって「頭の上に重たいコンクリがある」という根源的な危険を、完璧に除去できる。コストもあまりかからない。
[ 付記 ]
「送れる風量は減少する」と書いたが、実際にはそうならない可能性が十分にある。
というのは、金属製のパイプの場合、内部圧力(加圧・減圧)を、かなり大きくできるからだ。というのは、万一破裂したとしても、被害は大きくないからだ。(単に金属が裂けるだけだ。)
一方、コンクリの場合は、万一の場合にはコンクリが下方に落下してしまう。それゆえ、内部圧力(加圧・減圧)を、あまり大きくできない。
したがって、圧力の高い金属パイプでは、「断面積は小さくても、流速が高い」という理由で、「流速×密度×断面積」という形の送風量は大きくなる。金属パイプならば、断面積は小さくても大丈夫なのだ。
この意味でも、実用性は十分にある。
( ※ ただし、減圧するパイプは、密度が低くなるので、減圧するパイプは、口径を大きくした方がいいだろう。)

以下、引用。
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《 首都高:羽田トンネル天井、年内に撤去…つり金具破断 》
つり金具1カ所の破断が見つかった。
年内につり天井自体を撤去する方針。
首都高によると、羽田トンネルは都心と羽田空港を結ぶ1号羽田線にあり1964年に開通。全長約300メートルのうち、長さ約20メートルのつり天井部分が上下線に2カ所ずつある。
→ http://mainichi.jp/select/news/20121207k0000m040084000c.html
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《 笹子トンネル下りも不具合 天井板撤去、年内仮復旧へ 》
国土交通省と中日本高速道路(名古屋市)は8日、事故が起きていない下り線トンネル(全長約4・7キロ)でもボルトやナットの緩みが見つかり、天井板を全て撤去すると発表した。中日本高速は9日に天井板の撤去工事を始め、下り線の2車線を対面通行にする形で年内の仮復旧を目指す。撤去については、補修や原因調査より仮復旧を優先させるため、としている。
→ http://www.47news.jp/CN/201212/CN2012120801001383.html
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天井板の代わりにジェットファンで換気を行う方法に切り替え、下り線を使った片側1車線の対面通行方式で年内を目標に開通させたいという。
→ http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012120800194
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参考:
http://www.j-cast.com/2012/12/07157206.html
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20121207_577737.html
天井が落ちる事故はなくなるだろうが、健康上の問題は起こらないのだろうか?
また、トンネルの片側を使うだけなら大丈夫かもしれないが、両側を使うと、交通量は倍増する。その場合にも、ジェットファンで足りるのか?
ポイントは、あくまで、トンネルの長さだ。300メートルぐらいなら問題ないだろうが、4・7キロはかなり長すぎると思える。ホントに大丈夫かな?
風速が時速20キロなら、4・7キロは14分かかる。そんなに長い間、空気を使い回していて、大丈夫なんでしょうか? 酸素を使い果たしてしまいそうな気がするが。
たとえば、実験で、密閉した自動車の車庫で、換気しないで10分間ぐらいエンジンを中速回転してみてください。(アイドリングじゃないよ。)
※ 上は冗談です。本気ではやらないように。一酸化炭素中毒で死にます。
→ http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1416392264
そもそも、ジェットファンというのをよく知らなかったが、これは、巨大な送風機ではない。本項で提案した「金属パイプのダクト」を、パイプなしで実現するものだ。その意味は、次のことだ。
「トンネルの上部に、超高速の気流を流す」
この気流は時速 100キロ程度の気流である。自動車が時速 100キロならば、片側にとっては時速ゼロキロに感じられるが、もう片側にとっては時速 200キロに感じられる。
ただしその気流は、自動車にはぶつからず、トンネルの上半分を流れるだけだ。だんだん拡散していくと、自動車にもぶつかるが、そのときには、気流の速度は半減している。
とにかく、ジェットファンというものは、トンネルの上部の空間に据えられる。そのせいで、超高速の気流を流せる。だから、5キロぐらいまでの距離ならば、この装置だけでも十分に換気できるのだ。
( ※ 本文中では「風速は時速20キロ」なんていう推定をしたが、実際にはもっと高速だったことになる。)
なお、この件については、図入りの漫画があるので、それを読むと良さそうだ。(メーカー提供。)
→ http://panasonic.co.jp/ism/jetfan/what.html
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● トンネル天井板撤去の動き広がる
各地の高速道路では、同じような構造のトンネルで天井板の撤去を急いだり、撤去に向けて検討を進めたりする動きが広がっています。
NHK ニュース 12月9日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121209/k10014064701000.html