とりあえずは、記事を引用しよう。
東日本大震災で津波被害を受けた3県沿岸の12市町が、浸水した市街地に土を盛ってかさ上げし、現地再建する計画を立てていることがわかった。これはネット上の記事だが、紙の新聞には詳しい特集記事がある。
想定面積は、東京ディズニーランドの15倍に迫る740ヘクタール。必要な土の量は1750万立方メートルで、東京ドーム14杯分に相当する。
多くの地区で1〜6メートル程度かさ上げする予定だが、宮城県女川町は最大17メートルかさ上げし、海抜を18メートルに引き上げる。かさ上げの高さは5階建てマンションに匹敵する。( → 読売新聞 2012年11月11日 )
事業費は約 3000億円で、国が全額負担。
大量の土壌が必要だが、そばにない場合もあり、その場合には運搬費用が膨大になる。
大量の盛り土をすると、海辺の土地では地盤沈下する可能性があり、その場合にはさらに巨額の追加工事と費用がかかる。
大船渡では、8年がかりで 200億円をかけて、最大5メートルのかさ上げの予定だという。
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さて。それでどうなるか? 津波の被害はなくなるか? いや、そんなことはない。次の記事がある。
→ 大船渡の津波 23.6メートル
また、次のページには、一覧グラフの図があるが、ついでに下記の記述を見るといい。
明治三陸津波では岩手県大船渡市で38.2メートルを記録した。……昭和三陸地震(1933年)による津波は最高28.7メートル(大船渡市)だった。つまり、38.2メートル、28.7メートル、23.6メートルという三つの大型津波に襲われた。そこでどれだけ盛り土をするか? たったの5メートルだけ。何のために? 「これで安全」という気休めをさせて、あとで莫大な死者を出すために。
( → 図録▽東日本大震災で確認された津波の高さ )
これはちょうど、田老地区の巨大堤防に似ている。もともとは ∧ 型の堤防があって、海に向かって突き出ていた。そこにあとから V 型の堤防を海辺に構築した。両者が合わさって X の堤防ができた。すると、外側にある V 型堤防と、内側にある ∧ 堤防の中間に、家がどんどんできてしまった。そして、どうなったか? 巨大な津波が来たとき、もともとあった ∧ 型堤防は、内陸にあって、津波をうまく左右に受け流したので、大丈夫だった。しかし、外側にある V 型の堤防は、海辺において津波の直撃を受けた。しかも、 V 型によってエネルギーを集める効果があったので、実際の津波の何倍ものエネルギーを受けて、あっけなく崩壊してしまった。すると、両方の堤防の中間にで来た家に住んでいた人々は、たいてい死んでしまった。「巨大堤防が守ってくれるんだから大丈夫だ」と安心していたので、逃げずにいたら、ごっそり死んでしまった。
結局、莫大な金をかけて巨大堤防を作った結果は、莫大な死者を出すことだけだった。何もしなければ、もともとある堤防の内側に逃げていたので、死者は一人も出なかったはずなのに。(いや、そもそも、何もしなければ、その地帯には人が住んでいなかったのだから、死者が生じる危険性すらなかった。)
※ 前にも詳しく述べた。
→ 田老地区の防潮堤の再建
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盛り土でかさ上げというのは、あまりにも馬鹿げたことだ。政府はそのために、3000億円以上の巨額の金をかける。それだけ巨額の金をかけて、単に死者を増やすだけの無駄な工事をするわけだ。田老地区の堤防と同様に。
しかも、3000億円で済むとは、とうてい思えない。記事によれば 740ヘクタールもの面積が対象となる。これほど広大な免責の工事が 3000億円で済むとは、とうてい思えない。どうせ例によって、あとになって次々と追加費用を要求するはずだ。総額では2兆円ぐらいになるだろう。
あまりにも馬鹿げている。「金が天から降ってくる」とでも思っているのだろうか? 一般の国民を「金を出す打ち出の小槌」とでも思っているのだろうか? それとも「勝手に金をくれる財布」とでも思っているのだろうか?
こんなことを被災地が望んでいるのであれば、今後、被災地には、一切の援助をしない方がいい。いくら援助しても、その金をみんな無駄遣いして、自殺するための工事に金をかけるだけだからだ。愚の骨頂。
被災地の住民の命を救うためにも、今後は被災地の援助を、一切やめた方がいいだろう。
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では、かわりに、どうすればいいか? まともな案は、次の二つだ。
・ 他の安全な土地に移る。
・ 内陸堤防を作る。
(1) 他の安全な土地に移る
この場合は、引っ越し費用と、新生活の開始のための資金を提供するだけでいい。日本には空いた土地がたくさんあるのだから、どこに行ってもいい。好きな土地でくらすがいい。
というか、今の日本では、都会でしか暮らしにくくなっている。沿岸部で暮らすのは、水産業ぐらいだろう。
その人たちのための土地ぐらいはあってもいいが、大多数の人は、危険な土地を捨てて、都会で暮らすべきだ。
「地元で暮らしたい」
という気持ちはわかるが、そうしたければ、自分の金でやるべきだ。たかが「地元で暮らしたい」という好き勝手のために、他人の金を莫大に頂戴するというのは、「国家からの泥棒」に等しい。国は被災者に金を与えることもあるが、それは「生命を守るため」でしかない。「個人の好き勝手」のために巨額を得ようというのは、泥棒も同然だ。他の人々との釣り合いも取れない。
( ※ 故郷を捨てざるを得なかった人は多いが、国からは一円ももらっていない。)
(2) 内陸堤防を作る
これはとてもうまい案だ。水産業などのために、地元に残りたい人はいるだろう。その人たちのためには、内陸部に土地を用意するといい。
ただし、それは、「かさ上げ」による必要はない。一部の箇所だけに内陸堤防を作れば十分だ。
海岸と内陸部の中間に、一部分だけ、20メートルぐらいの堤防をつくれば、それで足りる。広範な面積に渡って盛り土する必要はないのだ。壁のような堤防が一部分だけにあれば済むのだ。
ただし、その壁のような堤防は、内陸部に置く必要がある。そうすれば、上陸したせいでエネルギーを奪われた津波を、容易に阻止できるからだ。この件は、つい先日でも述べたとおり。
→ 防潮堤・防潮林で環境破壊
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結論。
盛り土によるかさ上げという案は、史上最大の愚行とも言える。巨額をかけたすえ、ただの無駄となる。結果的に、金をかけて死者を増やすだけだ。かつての田老地区の堤防と同様に。
それよりは、次のいずれかがいい。
・ 他の安全な土地に移る。
・ 内陸堤防を作る。
特に後者がお勧めだ。費用は少なく、効果は大きい。
( 前から何度も言っていることだが。)
[ 付記 ]
上記では特に安全性の面から述べたが、経済的な面からも「愚行だ」と言える。
紙の新聞に試算が出ていたが、かさ上げにかかるコストは、それによって得られる土地の資産価格を上回るそうだ。たとえば、500万円のコストをかけて、400万円の価値を得る。
だったら最初から 500万円をくれてやった方がマシだろう。
というか、そもそも、個人の資産形成のために税金を投入するとは、いったいどういうことか? すでに「震災補償金」として数百万円を贈っている。その上、「個人資産形成」のために 500万円をかけて、400万円分の価値を贈呈する。……贈呈と言えば聞こえはいいが、勝手にぶんどるんだから、泥棒も同様だ。というか、「かわいそうな被災者です」というフリをしてだますんだから、詐欺ですね。
これじゃ、震災詐欺だ。ふむ。うまい言葉を思いついたな。 (^^)v
たとえば女川では、17メートルものかさ上げをするそうだ。これじゃ、ものすごいコストがかかる。巨大な津波に対抗するには、膨大なかさ上げをすればいい、という発想だが、そのためのコストを考えていない。「自分じゃ払わなくていい、国に払わせればいい」という発想なのだろう。ひどい強奪。
そこいらの泥棒たちが霞んでしまうね。コンビニ泥棒はせいぜい数万円ぐらいの泥棒だが、被災者は百万円単位の金を堂々と正面玄関を通って強奪するつもりらしい。それも、よってたかって集団でやるので、合計、数千億円〜数兆円も。
被災者様のお通りだ! ひかえい、ひかえい!
【 関連項目 】
→ サイト内検索 「内陸堤防」
→ 内陸部への移転
※ かさ上げなんかより、高台へ移転しろ、という趣旨。
【 関連サイト 】
大船渡の津波の動画。
薄茶色のビルの窓枠まで水が来ているが、このビルの高さは(冒頭の画像からわかるが)3階である。ビルの3階の窓枠まで水が来ているのだ。気象庁の数値では 16.8 メートルということだが、その数値が妥当だ。
ゆえに、たったの5メートルぐらいかさ上げしても、すべては水没する、とわかる。
かといって、17メートルもかさ上げすれば、コストは巨額だ。その上、地盤沈下も起こる。

川を遡って溢れそうです。
更に堤防を築く、屋上屋を重ねそうです。
津波より低い盛り土では役に立たないことは誰でもわかることで、ips細胞の件でもそうだったが、まったく読売の記事は説明不足でお瑣末だ。
> 津波より低い盛り土では役に立たないことは誰でもわかること
わからないから「史上最大の愚行」なんです。
では、なぜ? 狙いは公共事業費でしょうね。当面の食い扶持だけ。エコポイントと同じ。今が良ければ、あとで大損するのは無視する。
なぜなら明治三陸沖地震では 38.2メートル(上記)だからだ。今回の地震よりも15メートルも高かった。昨年5メートルのところは 20メートルぐらいの津波になる。
結論。
愚か者は常に直近の被害しか考えない。昔の被害のことを忘れる。
昨年の地震では、
「チリ地震のときは大丈夫だったから、今回の地震だって大丈夫さ。だから津波が来ても逃げる必要はないよ」
と思って、水没した。
それに懲りたと思ったら、
「今回の地震では5メートルだから、次の地震でも5メートルで対策すれば大丈夫さ」
と思い込む。かくて次回も水没する。
莫大な工事費は、死者を増やすだけの効果しかない。
※ 東電と同様の発想。事故のあとで「想定外でした」と釈明するだけ。
歴史小説家吉村氏が、史料を調べるだけでなく、三陸海岸を実際に歩き、古老から話を聞き、かつての津波被害の跡を調べて書いた骨太のルポルタージュだからです。
それ読むと、毎回、同じ場所が津波に襲われてることがわかります。専門家が見れば、地形だけで、どこがどう危ないか予測がつくはずです。
危ない場所がいつも決まっているなら、リスクが高く、かつ、防災費用が高いところは、居住禁止にするべきでしょう。立ち退き料を払って買収しても、その方が安くつく。業務用には使っていいが、居住は禁止。
多摩川の川べりと同じですね。運動場や物置には使えるが、家は建てられない。盛土をしようなんてのは、多摩川の川べりを居住可能にしようというようなものです。