今夏の電力需給の見通しが出た。他地域は何とかなりそうだが、(もともと原発の比率の高かった)関西では、供給不足になりそうだ。
→ 関西電力管内では 16.3%の電力不足
そこで「計画停電の準備を」という準備がなされつつある。
関西電力が、電力不足に陥った場合に管内で実施する計画停電の具体案を検討していることが18日、同社関係者への取材で分かった。停止した原発の再稼働の時期が不透明なことから、電力不足に備えた対策が必要と判断した。ところが橋下市長は、「計画停電なんてへっちゃらさ」という立場だ。
地域別にグループに分け、あらかじめ決められた時間帯にグループが交代で停電する案を検討している。鉄道や病院など停電の影響が大きい施設は対象外にする方向だ。
( → 関電、電力不足対策で 計画停電の具体案を検討 )
大阪市の橋下徹市長は1日、今夏の関西の電力需給に絡み「計画停電もあり得ると腹を決めれば、電力供給体制を変えられる第1歩になる」と述べ、脱原発に向け電力需要のピーク時に計画停電を受け入れる覚悟が必要との認識を示した。この認識があまりにも甘いので、3週間後に、東京都の副知事が橋下と会って、「考えが甘すぎるよ」と諭した。橋下はそれを神妙に聞いた。
( → 橋下市長 脱原発へ計画停電も )
「電力使用制限令とか計画停電がどれだけ大変なことなのかお聞きした。関西の府県民はまだ分かってないかもしれないが、そうならないように知恵を絞り、新しい電力供給体制の第一歩を踏み出すのが政治家の役割」と述べる。しかし、聞いた上で、居直っている。
( → 「計画停電がどれだけ大変か聞いた」 )
「関西の府県民はまだ分かってないかもしれないが、そうならないように知恵を絞り、新しい電力供給体制の第一歩を踏み出す」
何を言っているんですか、この人は?
・ 「まだ分かってない」のは、「関西の府県民」じゃなく、あなたです。
・ 「知恵を絞る」ぐらいじゃ、無から有は生み出せません。
・ 「新しい電力供給体制」なんていう先の話じゃなくて、今夏の話です。
・ 「第一歩を踏み出す」だけじゃ駄目です。全部を対策しなくては。
せっかく副知事から話を聞いても、物事の重大さをまったく理解できていないようだ。
──
計画停電とは何か? 橋下市長はそれを理解できていないのだ。たぶん、こう思っているのだろう。
「計画停電とは、家庭のコンセントから電力が出なくなることだ。家庭の電気機器が使えなくなることだ」
違う。それはほんの一部にすぎない。正しくは、こうだ。
「計画停電とは、都市の電気がすべて遮断することであり、都市の文明活動がマヒ状態になることだ。それは文明の喪失に近い」
具体的には、次のすべてが機能停止状態になる。
信号。電車。工場。事務所。店舗。
信号が止まれば、自動車事故が起こりがちなので、道路はほとんどマヒ状態に近くなる。警官が手旗信号をすればいい、なんて思っても、それほど多くの警官はいない。また、夜になれば、真っ暗闇になるので、まともに道を歩けなくなる。
一番ひどいのは、電車が止まることだ。こうなると、もはや出勤が不可能になるから、従業員がいなくなり、生産活動ができなくなる。実際、東京では、そういうことが起こった。
ただ、「鉄道が止まる」というのは、あまりにも被害がひどい。東京でも、ひどさが際立った。そこで関電は、「鉄道だけは除外する」という方針のようだ。(上記記事)
しかし、それがうまく行くかどうかは、定かではない。「鉄道だけを止めない」というふうに電力系統ができているかどうかは、はっきりとしない。いくつかの鉄道は止まることもあるだろう。
また、その他、家電などではトラブルが起こりかねない。
・ 家電のタイムスイッチが切れて、時刻が狂ってしまう。
・ 無線LANの設定が狂って、停電の復旧後に直すのが大変だ。
(直すまではパソコンがネットにつながらない。)
後者の件(無線LAN)については、ネットで体験談などを見ることができる。
→ 計画停電後、ネットが繋がらない
→ 停電後家庭用無線LANがつながらなくなりました
→ 計画停電 無線LAN - Google 検索
→ 停電 無線LAN - Google 検索
──
結論。
計画停電とは、単にコンセントの電気が切れることではない。社会における途方もないトラブルがともなう。大人にとっては、「出社しても給料をもらえない」という状況になる、と考えていい。(会社の赤字が増える分、社員のボーナスが減る。)
そこで、計画停電がいかに大変であるかを体験するために、今すぐ計画停電を試行するといいだろう。特に、「へっちゃらさ」なんて思っている橋下のいる大阪では、三日間ぐらい、計画停電を試行するといい。
それはひどいことか? いや、橋下はこう言うだろう。
「計画停電なんてへっちゃらさ。トラブルが起こらないように、知恵を絞り、新しい電力供給体制の第一歩を踏み出すのだ」
そう言って、胸をたたいて、受け入れてくれるだろう。
だから、橋下の言葉に従って、大阪はとりあえず、三日間の計画停電を試行すればいいのだ。そうすれば、どのくらいの問題があるか、実感できるだろう。
東電であれ、橋下であれ、危機が実際に起こるまでは、問題の大きさを認識できないのだ。その意味で、東電と橋下は、よく似ている。頭の発想が同じなのだ。
危機管理のできない愚かな人間には、肌身で実感させること以外、方策はない。
[ 付記 ]
今夏の関西の電力需給の見通しは厳しい。(上記)
これに対して、「揚水発電などを使えば大丈夫」という声もある。
→ 「夏の電力不足」各社報告 「丼勘定」専門家が批判
しかしこの「専門家」というのは、脱原発を旗印に詐欺で金儲けをしている詐欺師であるから、信用ができない。
現実に需給がかなり逼迫するのだから、供給不足になる可能性は十分にある。
実際、昨夏の電力需給を見ると、東電では余裕綽々だったが、関電ではかなり厳しい状況にあった。昨夏に比べて今夏は、関電はいっそう厳しい状況にある。
たとえば、昨夏は猛暑日がちょうどお盆休みなどに重なっていて、それ以外のときには猛暑日はろくになかった。だが、今夏はそううまく行くとは限らない。お盆休み以外のときに猛暑が続く可能性は十分にある。とすれば、「供給不足は決して起こらない」などという楽観はできず、「猛暑になれば供給不足になる」という可能性は十分にある。
だから、「危機は起こることもある」と準備しておくべきだ。
なのに橋下は、この詐欺師を大阪のブレーンにして、「電力は大丈夫だ」と言っている。詐欺師に洗脳された阿呆。
[ 余談 ]
私が思うに、橋下に取り入る方法は、簡単だ。「あなたは頭がいい、あなたは賢い」と褒めればいい。褒めれば褒めるほど、橋下はいい気になって、「きみはずいぶん優秀だね。それじゃ、私のブレーンになってくれないか」と言い出す。
「王様と道化」というのは、たいていはそういう関係だ。威張っている王様の前で、あれやこれやと道化が取り入るが、結局は王様は道化の掌の上で踊らされているのだ。愚かな王様はそれに気づかずに、「自分は利口だ」と思い込む。……そのあげく、国は滅びる。
今の大阪を見ていると、滑稽な喜劇のようだ。漫才の本場だからかな。ノックのあとで、橋下も漫才をやっているようなものだ。
【 関連項目 】
→ 大阪で広域停電?

このことから考えると、いきなり停電したほうが世間的には問題ない気もします。(いきなりの不便は我慢できても、割り振られた貧乏くじが空振りするほうが不快になるようです。)そうすると、「いきなり停電」の試行をするほうが有意義かもしれません。
「何月何日から何月何日までの間、どこかで2時間程度停電します。その範囲、回数については公表しません。」との事前情報を出せばいいでしょう。
こうすれば実際の停電の恐怖を理解できるのではないかと。でもコレを実行すると、民間が「電力会社は当てにならん」と自家発電や無停電電源の導入に雪崩を打つ可能性もありますね。そうすると電力会社は困ったことになるでしょう。
電力の安定供給も必要でしょうが、あくまでも「非常時の予行演習」とすれば数回は問題なくやれるでしょう。その結果を見て問題点を回避すればいいでしょう。
それに計画停電の試行なんてしたら、実際の計画停電の想定ではなく、『社会の混乱を起こさない』条件の下、『試行を無事に終了させる』ことを目的とした試行になるに決まってるじゃあないですか。問題点が明らかにならない社会実験なんて、そんなのやるだけ無駄。
「停電しても無事に終了させる」なんて魔法があるんですか? だったらその魔法をずっと使っていればいいじゃないですか。「ちちんぷいぷい」と唱えるだけで問題が解決するなら、その魔法を使い続ければ、停電なし・問題なしで済みますよ。一年中、計画停電の試行をしていれば、電力不足でもトラブルなしで万々歳です。そうですよね?
そんな魔法があるなら、世界中で使えばいいでしょ。発電設備なしで、発電できるなら、世界中の人が大喜びですよ。
──
「いきなり停電」については、前に述べました。
→ http://openblog.meblog.biz/article/8627450.html
ハシゲ市長に忠実な役人ならば「計画停電問題なし」との数字を創造し、机上試行で済ます、と愚考します。貴兄がこのような結末を望んでいないのは推測できますが、残念ながら市長がああいう人なので、こういうこともありえるかなぐらいです。
実際に停電起こしたとしても、5分だけで切り上げるということはするでしょう。そうしないと「社会が混乱するから」。貴兄が想定している「試行」はこんなものでないことは理解できますが、ハシゲ市長とその取り巻きがするとはまあ思えませんね。非常に残念ですが。
>今夏の電力需給の見通しが出た。他地域は何とかなりそうだが、(もともと原発の比率の高かった)関西では、供給不足になりそうだ。
何を根拠に。政府がまとめた試算だから信用するに足る?それこそお人好しでは?管理人さんは、主義主張があるのではなく、人の好き嫌いがあるだけみたいですね。
では。
供給不足ですよね
>夜になれば、真っ暗闇になる
>一番ひどいのは、電車が止まることだ。こうなると、もはや出勤が不可能になるから
停電するのはピーク時の昼間だから夜や朝夕の通勤時間帯の停電は無いのでは。
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ピーク時間帯の電力は、下記で示しています。
http://openblog.meblog.biz/article/8626409.html
8月18日が最大で、これです。
http://j.mp/IanyvA
夕方も電力は下がらず、夜7時ごろまではピークに近い状態です。実感としても、そのころはずっとクーラーを付けっぱなしでしょう。
出勤はできますね。でも帰宅できないとなると、出勤する気もなくなるかも。