外環道は 1兆3000億円もかかる。それほどの価値があるとは思えない。では、どうするべきか? ──
野田政権は外環道の建設計画を承認した。建設予算は1兆2800億円。
→ 外環道練馬―世田谷、来年度着工・20年完成へ
しかし、借金が 1000兆円にもなって、国家財政が破綻しかけているときに、この大盤振る舞いはないだろう。日本の国家予算 90兆円ぐらいなのに、たかが短距離の道路一本にこの巨額をかけるのは馬鹿馬鹿しすぎる。外環道というよりは、外道(げどう)ですね。
( ※ そもそも、この手の予算は、現実には倍額ぐらいに増えるのが普通だ。最終的には2兆円を突破するだろう。)
──
そもそも、この高速道路は、建設しても、利用者はいない。なぜか? 短距離なのに超巨額になるから、その料金を誰も払えないからだ。たとえば、料金が 3000円なら、馬鹿馬鹿しくて、誰もその料金を払わない。かわりに迂回するだけだ。
実際、迂回は可能である。近場ならば、高速道路に乗らずに、一般道を走る。
関東以西から、関東北部へと流れる車(たとえば関西から栃木へ)ならば、圏央道を通る。そっちの方が速くて安くて便利だ。
というわけで、外環道は、建設しても、利用者はいない。利用者を増やすには、大幅に国庫補助が必要である。その場合は、「料金をタダにする高速道路」を建設するようなものだから、莫大な赤字が出る。
日本の人口で割ると、ちょうど1人1万円だ。馬鹿馬鹿しすぎる。(北海道や九州の人は、利用する機会もないのに、金だけ取られる。)
──
では、どうすればいいか?
「建設費を料金で回収できる範囲内に、工事費を下げる」
ということが、絶対条件だ。この条件を満たせる場合のみ、建設をすればいい。この条件を満たせなければ、建設を中止する。
ただ、「他の渋滞(首都高速や国道の)が解消する」というメリットもありそうだから、「若干の赤字ならば国庫が負担してもいい」とは言える。せいぜい、そこまでだ。1兆円の赤字なんて、馬鹿馬鹿しくて、許容できない。
──
では、コスト削減には、どうすればいいか?
朝日新聞(朝刊・社会面 2011-12-25 )などによると、次の二点が指摘されている。
・ 幅は 40メートルという超大型道路である。
・ 大深度の 地下道である。
・ 地下道でありながら、地上にも側道(都道)を建設する。
まあ、何というか。無駄に無駄を重ねている、という感じだ。
そこで、次のように改善を提案したい。
・ 幅は 10〜15メートル程度。
・ 地下でなく、半地下とする。
・ 外環道の上に、都道を作る。
詳しくは、下記。
──
(1) 幅は 10〜15メートル程度
(道路の)幅は、 40メートルでなく、10〜15メートル程度にする。そのせいで、速度は制限されて、100キロでなく 60キロになってもいい。あるいは80キロでもいい。
とにかく、幅を狭くして、工事費を安くすることが優先となる。そのせいで速度が遅くなっても構わない。どうせ短距離だから、速度が速くても遅くても、大差はない。
土地の安いところならば、幅を広くして、高速にすることも大切だ。しかし、土地が超高額のところでは、幅を狭くして、コストを下げることが大切だ。
大事なことは、高速運転することではなく、渋滞をなくすことだ。この点を見失ってはならない。
( ※ 現実には、目的を見失っている。「渋滞をなくす」というのが目的なのに、いつのまにか高速道路を作ること自体が自己目的となってしまっている。「建設するために建設する」というふうに。これでは本末転倒だ。)
(2) 地下でなく、半地下とする
予定では地下 40メートルぐらいの大深度地下にするらしい。しかしこれではコストがかかりすぎる。コスト無視の程度がひどすぎる。
かわりに、半地下にすればいい。半地下とは、次のことを意味する。
「工事は、露天掘り。地上で工機を使って、どんどん掘り下げる。一定程度まで掘り下げたら、トンネルをコンクリで作る。その上に、軽く土をかぶせる。地上は、そのまま都道にする」
要するに、溝を作ってから、その上に蓋をするだけだ。……これならば、工事費は格安で済む。また、騒音や振動などの被害も、ほぼ解決する。(土で蓋をされるからだ。)
そもそも、地下に入ったトンネルの騒音よりは、地上の都道の騒音の方が、ずっと大きいはずだ。だから、騒音がどうのこうの、という問題は、これで完全に解決する。
なお、地上にと都道を残すことができない場合は、ただの歩道にすればいい。そばに住宅があって騒音問題が生じそうなときは、補償金を払うか、移転してもらえばいい。それでも、大深度地下のトンネル工事をするよりは、格安で済む。
というか、半地下にすれば、振動・騒音問題はほとんど生じないはずだ。なぜか? 自動車のトンネルは、もともと振動がほとんどないからだ。電車が走るのとは違う。自動車の道路は、振動はほとんどない。騒音はあるが、それは空気で伝達するだけだ。その空気は、半地下ゆえに、遮断されている。
(3) 外環道の上に、都道を作る。
外環道を作ったら、蓋をして、その上は道路(都道)にすればいい。そうすれば、一つの土地で二重の道路を作ることになり、土地買収費は(実質)半額で済むことになる。
また、この都道は、普通に騒音が出るが、それゆえ、地下にある外環道の騒音は打ち消されてしまう。実質的に、外環道の騒音はゼロ同然だ。(検知不可能。)
「都道の騒音は問題だ」と思うかもしれない。だが、都道があると、利便性が増すので、両脇は商業地に使える。うるさいと思う人は、自分の場所を商業地として高額で売却して、自分は静かなところに引っ越せばいい。今までの土地はとても高値で売れるので、現在値よりもずっとすてきな高級住宅地に転居できるだろう。そして、元の土地には、店舗ができる。誰もが得をする。
以上の (1)(2)(3) で、問題は解決する。
──
なお、別のアイデアもある。
検察予定地は、大泉ジャンクションと東名ジャンクションの間だ。
→ 図 ,図
この二つのジャンクションを結ぶ経路は、どこを通るか? 実は、その経路の大半を結ぶように、川がある。涸れ川を含むが。(千歳烏山のあたり、など)
→ Google 地図
そこで、この川のあたりを、経路にするといい。川はくねくねとしているので、道路をぴったりと川に重ねることは無理だろうが、だいたいを川に重ねるようにするといい。そうすれば、そこは繁華街ではなく低い住宅や道路ぐらいしかないから、移転などの問題を少なくできる。
特に、川を削って半地下の道路のすれば、それだけ、工費が安くなる。そして、半地下の道路を作ったあとで、上り路線と下り路線の中間位置(つまりトンネルの中央)の、天井部分に、水路を作る。これが人工の川となる。ここを雨水などが流れるようになる。
( ※ 「それじゃまっすぐの高速道路にできないぞ」という反論があるだろうが、前にも述べたように、高速道路にはしない。幅の狭い非高速道路にする。ただのバイパスだ。)
──
ともあれ、半地下にすれば、工費は格安で済むはずだ。この場合のみ、工事はOKとなる。そうでなければ、工事はしない方がいい。赤字の垂れ流しになるだけだ。
【 追記 】
半地下の場合、次のメリットがある。
(1)
工法は、当り前の掘削機(パワーシャベルなど)を使う。だから、低コストで済むし、多くの人的雇用が生じる。
一方、大深度地下の場合は、特殊な発掘機を使うので、機械の費用が多大になるし、雇用面でも普通の建築労働者には恩恵が少ない。
このように、経済的効果からは、汎用品を使う半地下の方が好ましい。
(2)
工期は、半地下ならば同時に各地で発掘ができるので、「いっせいに大量に行なう」という形で、短期間で済む。たとえば、千箇所で同時に開始すれば、工期は(最長の)千分の1で済む。
一方、大深度地下の場合は、特殊な発掘機を使うので、特殊な発掘機の台数に制約される。特殊な発掘機が5台しかなければ、工期は(最長の)5分の1にしかならない。半地下が千分の1だったのに比べると、工期は 200倍もの長さになる。とてつもなく長い時間がかかることになる。
《 参考 》
特殊な発掘機とは、次の画像のような機械。パワーシャベルなどに比べると、ものすごく高価である。
→ シールドマシン
2011年12月25日
過去ログ

なお半地下でも、周辺地域に影響を及ぼさないように工事しようとすると、手間ヒマとお金がかかります。私権もへったくれもないところに「大深度地下」で建設する「だけ」ならば、コストは安く済むかもしれません。
大深度「自動車道」トンネル工事で金がかかるのは、土木工事よりも、道路照明やトンネルにたまる排気ガス対策の費用、およびそのランニングコストです。
管理人さんのおっしゃるとおり、一番いいのが(というか良かったのが)、関越道や東北道を作ると決めた際、環状道路を整備する必要がある(都心に流れ込む車を迂回させる…これは鉄則)ことに気づき、河川にそって整備するのが最良ではなかったかと思います。
ということは、通行料金が上がらないという意味じゃなくて、全国で少しずつ上がるということですね。
東北も関西も九州も、みんな外環道の料金を負担することになるわけだ。他人事だと思っていたら、とんだとばっちりを食うわけだ。
> 周辺地域に影響を及ぼさないようにしようとすると、手間ヒマとお金がかかります。
いや、影響を及ぼしてもいいから、安上がりにするんです。影響が出た分は、補償金にする。
高架道路ならばとんでもない騒音被害が発生するが、半地下ならば十分に耐えられる程度になります。そもそも国道沿いにだって人家はあるし。それより百倍快適です。騒音被害をゼロにする必要はない。近所の犬が吠える方が、ずっとうるさい。
もっとも前原は今になって増税が必要とか言ってますけどね。
「(菅直人にかわって)増税派の野田を歓迎した」という意味です。それも、現時点や候補者レースの時点ではなく、野田政権発足時。
国民には、次期総理を選ぶ権限はなくて、「菅直人か、別の誰かか」という選択肢だけがありました。それで「別の誰か」を取ったわけです。
比喩で言うと、「白米か、闇鍋か」という選択です。「白米なんか、おかずがなくて最低の食事だ」と思った人々が、闇鍋を取って、そこには腐った犬肉が入っていたわけです。で、あとになって「腐った犬肉なんか、俺は選んでいないぞ」と後悔しているのですが、闇鍋なんかを選んだ時点で、もはやアウトだ、というのが私の見解です。
舌切り雀の欲張り婆さん。
上り坂の麓のようにそこで渋滞すると思います
なるほど。だったら、その対策をするといいでしょう。
・ その直前で制限速度を少しずつ下げる。
・ そのあたりでだけ、幅を広くする。
・ 該当路線の料金を高くして、交通量を減らす。
ま、少しぐらい問題が起きたとしても、我慢することにすればいい。完璧を期して莫大な金をかけるのは、過剰投資だ。ときどき問題が生じるのを許容して、投資総額を大幅に下げる方が優先する。
タイムスタンプは 下記 ↓
いえいえ、半地下の「工事」を行う際、いろいろ周辺に影響を及ぼすのですよ。お仕事柄、いろんな「半地下」道路工事を見てまいりましたが、地盤の柔らかい都市部で垂直な溝を掘るから、もういろんな補助工法が要る…鉄骨組み立て、アンカー引張り…バックホーとダンプだけがあれば良いというものでは出来ません。土を搬出するための道路も「限られて」きます。(地元が『この道は土運搬につかっちゃダメ…なんて注文をつけてきます)オマケに地元から、やれ工事は朝の8時〜17時に終わらせろとか(大深度シールドなら、1日中稼動可能、土の搬出だけは昼間行う)
おまけに、せっかく「半地下」で作った道路も、後から「騒音苦情」が来て、蓋をかぶせる工事をやった例が名古屋にありまする(^^)
> 地盤の柔らかい都市部で垂直な溝を掘るから、もういろんな補助工法が要る…鉄骨組み立て、アンカー引張り
そのくらいの補助工法なら、難しくもない。むしろ、仕事量が増えるだけ、かえってありがたいでしょう。あっという間に終わってしまったら、商売あがったりです。
むしろ怖いのは、地盤が固いことです。その場合、掘ったあとは楽ですが、掘るのがすごく大変です。私が見た(遊水池の)工事現場では、深さ10メートルぐらいを掘るのに、5年ぐらいかかっていました。よほど地盤が固かったのか。何であんなに時間がかかるのか不思議だった。
どこかの大深度シールドでも、固い地盤が一番大変だったそうです。柔らかいのは凝固剤などで何とかなるらしい。
> やれ工事は朝の8時〜17時に終わらせろとか(大深度シールドなら、1日中稼動可能、土の搬出だけは昼間行う)
【 追記 】の (2) で示したように、同時にあちこちで実行できますから、1箇所についてはゆっくりやればいいんです。1日4時間の工事でも十分。「午前中はこっちで、午後はこっち」みたいなのでもいい。それでも比較的短期間に終わる。各地では、のんびり少しずつやればいい。土の搬出も、一日分はごくわずか。計算したって、1箇所から出る土の両はごくわずかしかない。「 幅×長さ×深さ= 10m × 10m × 10m 」だとしても、それを3年(1000日)で割れば、1日あたりの量はごくわずか。迷惑なんか、気にならない程度。
その点、大深度シールドなら、1日中稼動可能だとしても、その工事ポイントは、ほんの数カ所だけです。大部分の地点は、何もしないで放置されている(シールド機が来るのを何年も待ち続けている)だけです。大深度シールドなら、たとえ24時間稼働させても、工期は 10年以上になるでしょう。
その上、工事会社は、一部の大手を除いて、仕事をもらえません。それらの工事会社は「仕事がなくて楽だなあ」じゃなくて、「仕事がなくてつぶれるよ」となります。
> せっかく「半地下」で作った道路も、後から「騒音苦情」が来て、蓋をかぶせる
私の案では、最初から蓋をかぶせる予定です。その上に都道を作ります。道路が二つできるわけです。都道は無料、地下道は有料。
誰がいちいち金を払うかは……私の知ったこっちゃない。
管理人さんのおっしゃるような形でバックホーが広範囲に、しかも大量台数あちこち展開できるようなところは、都市部には存在しません。開削でやるにしても、シールドみたく「順押し」で施工しないといかんところが多いのです。
少し掘るだけで、鉄骨の矢板打って土留めをしないといけない、鉄骨の運搬路も限られてきます。
なかなか土木工事ってのは、カンタンにはいかんのですわ。
さすがに 10m というのは、たとえとしても極端すぎましたね。「大ボラ!」と言われても仕方ない。(毎度毎度、極端なことばかりいうから、読者も慣れてしまったかも???)
現実的に考えると、総距離は 15km ぐらいですから、500メートルごとに 30箇所に分けるといいのでは? 各区間を3年間ならば、容易に安価に実現可能でしょう。
一方、大深度地下のシールド工法では、予定では8年間だそうです。
あと、民主党に多額の献金をするのは、大手の土建会社だから、「中小企業が潤うようにしろ」と言ったら、すぐに拒否されそうです。中小企業の献金なんてたかが知れているので。
大手会社が小沢にたっぷり献金して、小沢の鶴の一声で、シールド工法に決まってしまったのでしょう。
げっ。あまりにも高額すぎる。工費だけでこんなにかかるなんて馬鹿げている。
どうせなら半地下にすれば、工費は激減となる。ただ、土地買収費はかかるが、その土地は資産として国に残る。地上道としての価値を持つから、無駄にはならない。また、払った金は、地主の手に渡るから、金が消えてしまうわけではない。消えてしまう金は、土木工事の分だけだが、半地下ならば、その額は少なめで済む。
大深度地下の場合は、1.5兆円がすべて工事費となるので、その金がまるまる消えてしまう。(地主の手に渡ることもない。)……壮大なる無駄遣い。
※ 半地下の場合、地主の手に渡った金のうちの一定分は、税金として、国庫に回収される。その分、国の支払い分は、減る。