そこで、ホームドアのかわりに、コストがかからない方法を提案する。 ──
( ※ 本項の実際の掲載日は 2011-02-12 です。)
ホームドアは必要か? 必要ならば、どんなに巨額の費用をかけても設置するべきだ。しかしながら、そんなに巨額の金はない。巨額の費用をかけるほどの必要性はない。
とすれば、ホームドアのかわりに、巨額の費用がかからない方法を探るべきだ。莫大な金をひねり出すかわりに、賢い知恵をひねり出すべきだ。それが私の立場だ。
ホームドアの目的は何か?
「普通の人がホームに転落するのを防止することだ」
と思う人が多いようだが、それは勘違いだ。あらゆる事故を防ぐために、何重もの安全策を採れば、社会は莫大なコストを払う必要を迫られる。そんなことは無理だ。
だいたい、酔っ払いのような馬鹿者が勝手にホームに落ちるとしても、そんな酔っ払いを守って上げるおせっかいは必要ない。自動車だって、「飲んだら運転するな」という原則がある。歩行者だって、「酔っ払いはホームに立つな」という原則を立てればいい。逆に言えば、「それほど酔っ払らうな」ということだ。「どうしても深く酔っ払ったなら、タクシーで帰れ」ということだ。馬鹿な酔っ払いがタクシー代を払うのを節約させるために、社会が莫大なホームドアの設置を迫られるのは、道理が合わない。
この意味で、ホームドアは必要ではない。(あれば望ましい、というだけのことだ。莫大な金があれば別だが、少なくとも現時点では費用対効果が良くない。)
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ホームドアの真の目的はこうだ。
「盲人がホームに転落するのを防止することだ」
対象はあくまで盲人である。先の事件では、盲人が転落死した。それ以外にも、盲人の転落事故は多い。点字ブロックもあるが、人とぶつかったりするうちに方向を見失い、盲人が転落することはかなりあるという。
→ 朝日・朝刊・社会面 2011-02-11 (紙の新聞のみ。)
ここまで来れば、ホームに必要なものが何かは判明する。
「ホームに必要なのは、盲人がホームに落ちるのを強制的に阻止するバリアーではない。そこから先は危険であると知らせる危険信号だ」
危険信号があれば、盲人はそれを感知して、そこから先には進まない。なのに、危険信号がない(点字ブロックぐらいしかない)から、盲人はどこが危険かわからないまま、突然足元に穴があく形で、転落してしまう。
必要なものは、ホームドアというバリアーではなくて、危険であることを知らせる危険信号だ。そして、危険信号を設置するための費用は、ホームドアを設置するための費用に比べて、格段に安い。
( ※ 安いという点が何よりも大事だ。金を節減できるからではない。一定の金があるときに、大量に設置することで、普及率を上げることができるからだ。)
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では、危険信号とは何か? いろいろと案が考えられる。ここは知恵の働かせどころだ。
私としては、次のような危険信号を提案したい。
「可倒式の金属板。立てたり寝たりする。普段は(横から見て) | 型になっており、立てた壁のようになっている。しかしドアが開くときに限っては、これが横に寝て、 _ のようになる。この壁の高さは、10cm 程度。」
このような金属板があれば、白杖がつぶかるので、盲人は気づくはずだ。もし気づかなくても、そのあとで足がぶつかって気づく。
普通の人は? 目で見て気づくはずだが、念を入れて、LED を仕込んで光らせておけば、否応なく気づく。
そもそも、このような金属板は、ホームの縁から10cm ぐらいのところに設置するので、そこは人が通ってはいけないところだ。(「白線の内側に下がってお待ちください」というアナウンスの通り。)
ともあれ、大きなホームドアのかわりに、ごく小さな柵があるわけだ。その役割は、「そこにぶつかると危険信号になる」ということだ。
──
なお、「可倒式の金属板」と述べたが、「折りたたみ式の L 字型金属板」と述べてもいい。立てたときには L 字型で、寝たときには = のように二枚が重なることになる。
このように金属板を動かすのは、モーターによる電動式だが、それを支持するための柱の部分も必要だ。しかしそれはドアの位置と重ならないように、何とかなるだろう。(柱の占める面積は小さいので。)
とにかく、こういう金属板による危険信号を設置することで、盲人が転落することを阻止できる。強制的に阻止するというのとは別の形で。
[ 補足 ]
「金属板を立てる」という案を述べたが、これに対して、「それは危険だ。それを踏むと姿勢が崩れる」という批判があった。なるほど、ごもっとも。(私もそう感じていたのだが、指摘されると同意せざるを得ない。)
そこで、次のように改良案を述べる。
「立てたり寝かせたりする金属板をホームの内側に置くのではなく、立ったまま上下にスライドするだけの金属板をホームの側面に設置する」
つまり、次のような感じで、金属板が設置される。
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この金属板が上下にスライドする。
・ 普段はホーム面よりも上に位置しており、柵のようになる。
・ 電車がホームに来たら、この金属板が下がって隠れる。
これならば、危険性はない。むしろ、安全性が向上する。
「踏んだら危ないぞ」
という説は成立しない。なぜなら、この金属版を踏むような状況では、本来ならばホームの外の空間を踏むはずだからだ。その場合は、線路上に転落する。「踏んだら姿勢が崩れる」という状況は、「踏むものがなくて線路上に転落する」という状況よりはずっとマシだ。その分、「転落防止の柵」という安全効果がある。
しかも、普段は LED で光っている(もしくは点滅している)のだから、踏む危険性ははるかに低下する。安全性は大幅に向上するだろう。健常者にとっても「転落防止柵」の効果が生じて、ありがたいはずだ。
( ※ ついでだが、「ぶつかって、つんのめって、線路上に転落する」という心配もない。仮にこの小さな柵がなければ、「ぶつかって、つんのめって、線路上に転落する」かわりに、「ぶつからずに、まっすぐ線路上に転落する」というふうになるだけだ。転落の仕方が変わるだけだ。線路上に向かって突進すれば、どっちみち転落は免れない。柵のせいで転落するわけじゃない。柵は転落の仕方を変えるだけだ。)
[ 付記1 ]
この可倒式の金属板の位置は、電車のドアの位置だけでなく、ホームの全体とする。その点は、「すべてがホームドア」という前述の案と同じだ。(下記項目を参照。)
→ ホームドアの解決策
念のために再掲すれば、この項目には、次の図が示されてあった。

この図の 《 新案 》 の方のドアの位置に、可倒式の金属板を置けばいい。
ただし、ドアと違って、スライドする必要はないので、位置を少し ずらす必要はない。一列にきれいに並べていい。
[ 付記2 ]
もう一つ、別の案もある。これはコストがゼロ同然で、しかも、阻止率が 100%に近いという、理想的な方法だ。その方法は、こうだ。
「ボランティアを駅に配備する。盲人は、駅に来たら、そのボランティアに引かれる形で、乗車する」
このようなボランティアは、1駅に1人いればいい。ボランティア出払っているときには、戻ってくるまで、5分ぐらい待ってもらう。そのくらいは、待ってほしい。
ボランティアを雇用するための費用は? ボランティアだから、原則として無償だが、単に無償というのも気が引ける。そこで、次のようにする。
「鉄道会社がボランティアの人に、無料乗車券を発行する。」
(パスモや SUICA みたいな形で、金券ふう。)
この場合、鉄道会社は、かかるコストがゼロで済む。お金を払うかわりに、乗車する権利を与えるだけだ。(乗車率が微小にアップするだけだ。)
この金券を、ボランティアが金券会社に売却すると、その分、乗客が減るので、鉄道会社の損失となる。そこで、「売却不可能」と明示しておけばいい。もし金券会社が購入した場合には、法律違反となり、金券会社から(古物商のとしての)免許を取り上げてしまえばいい。……こうして、コストアップをゼロで済ませることが可能となる。
ボランティアの対象としては、高齢者がいる。暇な高齢者が、社会で盲人のために役立てるとなれば、高齢者も喜ぶだろう。また、高齢者は、その無料乗車券を、自分で使ったり、孫に贈与したりすることで、幸福感を得るだろう。
やたらと機械に頼るよりは、こういうふうに人力で解決する方が、頭のいい方法だと思える。
なお、高齢者をボランティアにするときは、二人でペアにするべきだ。そうすれば、連続勤務を避けるので疲れないだろうし、暇なときにはおしゃべりができる。一人だけだと、拘禁状態になるので、つまらないし、応募者はほとんどいなくなるだろう。高齢の女性二人、というのが理想的だ。(高齢の男性は、もっと有益な仕事をすればいい。現役時代の経験を役立てて。)
【 追記 】
ロープ式のホームドアというものもある。
横に何本も並べたロープを上下に動かす、というもの。Wikipedia の写真を一部転載するので、それを見てほしい。

これはこれで名案だ。
ただし、難点もある。ロープが上下に移動するときに、物が引っかかりやすい。手やマフラーやハンドバックなど。
それを防ぐには、ロープが上限する速度をゆっくりさせる必要がある。そうすると、、ロープの上下に時間がかかるので、ラッシュ時には間に合わない。
結果的に、停車時間に余裕のある路線にしか使えない。混雑した路線には使えない。
なお、ロープのかわりに一枚の板を使えば大丈夫そうだが、その場合も、一枚の板に踏みつぶされる(床との間に挟まれる)危険が生じる。ロープならばつぶされないが、板ならばつぶされる。そういう危険が生じる。
いくらか難点があるので、普及していないようだ。世界で設置された例は、韓国の1例のみ。コストは下がっても、デメリットが大きすぎるようだ。ま、ないよりはマシだ、と言えるかもしれないが。(閑散とした路線ならば。

ロープ式のホームドアの記述と写真です。
タイムスタンプは 下記 ↓
(ただ、無償ボランティアではなく駅前の駐輪監視員の様にシルバー人材センター等からの派遣できちんと賃金を払って行われるべき。善意のボランティアでは供給が不安定になる恐れがある。また万一障害を負っても安心して社会参加できる環境というのは広い意味で公益に資する事だし雇用対策・少子高齢化対策にもなるのでその費用は政府・地方公共団体が負担。駅のホームに限る必要もない)
しかし、残念ながら10cmの金属板は一般人に対して危険をもたらすのでよろしくないと思います。
私は、一般に人がものに躓く危険性は障壁の高さが低いほど高くなると認識しています。
例えそこが通っては行けない場所だとしても、何かのはずみとか、それこそ他の酔っ払いにぶつかられたとか言う理由でそこに足が出ることはありますが、そこに何も無ければ踏ん張って事なきを得たはずが、金属板があったせいで躓いて転倒し転倒に至る可能性が、盲人が転落する事よりもはるかに高い頻度で起こるように思われます。
(長々とすみません)
本文最後 [ 付記 ] の前の [ 補足 ] の箇所です。
また、本文の最後に、ロープドアの難点を加筆しました。
 ̄ ̄
首都圏の私鉄3社は、ロープやバーを上げ下げする簡易型や、ドアの位置が変わる高機能型の新タイプを3駅に試験導入し、31日から順次、実証実験を始める。
国土交通省によると、3月末現在、ドアが設置されているのは全国で564駅で全駅の6%程度。乗客が転落などで死傷する事故は年200件に上り、対策は急務。実証実験では、国交省が半額補助して開発された新タイプを東急電鉄、西武鉄道、相模鉄道の各1駅に設置。半年から1年間かけて効果などを検証する。
西武が新所沢駅(埼玉県所沢市)で31日から使用するのは、ドア位置を変えられるタイプ。同社には扉数が異なる車両が混在し、開閉位置が固定される従来のタイプは導入困難だった。
東急が9月、つきみ野駅(神奈川県大和市)で試験運用するのは、支柱の間に張られた金属製ロープを上下させる「昇降式」。相鉄が弥生台駅(横浜市)で10月頃から実証実験で使用するのも同じ形式だが、こちらはロープの代わりに繊維強化プラスチック(FRP)製のバーを使用する。いずれも扉を使わない簡易型だ。
( 2013年8月31日 読売新聞)
→ http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130831-OYT1T00338.htm
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予告は前からあった。
「東京急行電鉄株式会社(以下、東急電鉄)と日本信号株式会社(以下、日本信号)は、国土交通省の鉄道技術開発費補助金を活用して、現在、日本信号が開発を進めている「昇降スクリーン式ホームドア」(以下、本ホームドア)の試験運用を、2013年夏頃から田園都市線つきみ野駅下りホームで実施します。」
→ http://www.tokyu.co.jp/contents_index/guide/news/130305-1.html
ワンマン化すれば、人件費が大幅に削減できます。車掌がいなくなった分、運転手の負担を減らすために、自動運転化とホームドアの設置をするわけです。