タミフルには、稀ではあるが、重篤な副作用が起こることがある。スティーブンス・ジョンソン症候群など。被害者の例は、川畠成道というバイオリニスト。 ──
タミフルでは(十代の青少年で)異常行動が起こることがある、ということが前に話題になった。それとは別の話。
タミフルには、稀ではあるが、重篤な副作用が起こることがある。飲み薬であることから、全身に作用するせいだろう。この点では、呼吸器だけに作用するリレンザよりも危険だと言える。
→ タミフルとリレンザの副作用一覧 (孫引きふう)
特に、重篤な副作用として、次のものが知られている。
・ スティーブンス・ジョンソン症候群
・ TEN
スティーブンス・ジョンソン症候群は、かなり悲惨な病気である。後遺症もひどく、失明することもある。
→ Wikipedia ( 警告! 残酷な写真があるので、見ない方がいいです。)
スティーブンス・ジョンソン症候群は、タミフル以外の薬品でも起こり、発生頻度は 人口 100万人あたり、1〜6人/年間とも言われる。( → 出典 )
頻度で言えば、稀ではある。だが、薬品のせいで起こるという点では、本人にとっては悔やみきれないだろう。
というわけで、変な副作用でひどい目に遭いたくなければ、できればタミフルは避けた方がいいだろう。リレンザやイナビルという、副作用が少ないらしい代用薬があるのだから、そちらを選んだ方がいい。あえて危険を冒す必要はないだろう。
( ※ リレンザやイナビルも使わない方がいい、とも言える。すでに何度も自力で治してきたインフルエンザなのだから、あえて薬剤に頼る必要はない。妊婦とか高齢者とか、それまでとは事情が変わったのなら別だが。)
──
ついでだが、スティーブンス・ジョンソン症候群になって(ほぼ)視力を失った人の例として、Wikipedia には次の実例が挙げられている。
→ 川畠成道
有名なバイオリニストだということだ。別に関心はなかったのだが、本日の朝日新聞・夕刊に、「天才の育て方」というコラムで、この人のことが紹介されている。子供のときに(タミフルではない風邪薬の副作用で)スティーブンス・ジョンソン症候群になり、視力をほぼ失った。そのあと、10歳ごろからバイオリンの特訓をしたということだ。親がバイオリニストであったので、特訓が可能だったらしい。しかし、他人の十倍もの時間がかかって、大変だった、ということだ。
[ 付記 ]
朝日のこの記事は、とても優れているのだが、まともに読むことができない。今回の分は連載の2回目ということだが、1回目がいつあったのかもわからない。(昨日でもないし一昨日でもない。)
一週間おきで連載する、という滅茶苦茶なことをやっているのかもしれない。読者無視。馬鹿にしていますね。(先週の古新聞はもう捨ててしまった。 (^^); )
ただし……
ありがたいのがネットだ。朝日はこの記事をネットで公開していた。
→ 連載1回目
→ 目次一覧
本日掲載の分も、あと2日ぐらいたったら、ネットで掲載されるだろう。
《 参考 》
→ 川畠成道 公式サイト
2010年11月13日
過去ログ

> リレンザやイナビルという、副作用が少ないらしい代用薬があるのだから、そちらを選んだ方がいい。
> リレンザやイナビルも使わない方がいい、とも言える。
必要性が高くない薬は使わないほうがよいは同意できます。リレンザやイナビルを選んだほうがよいかどうかについては、知識がないので意見を述べません。(副作用の問題だけ治療を決める訳ではないので、言い切らないほうが…。)副作用が少ないらしいことも今のところ正しそうですが、スティーブンス・ジョンソン症候群やTEN(最近はDIHS何ていうのもあります。)ついてはそうも言えません(可能性が無いなんて言っていないだろというのは、無しにしてください。)。
GSKのサイトの最新の添付文書です。
http://glaxosmithkline.co.jp/medical/medicine/item/relenza/relenza.pdf
副作用の項には重症薬疹の報告がすでにある旨が記載されています。現時点ではタミフルよりリレンザの方が投与例がはるかに少ないと考えられていますので(ソースが必要ならGSKの方に聞いてみます。)、頻度が少ないかはわかりませんし、むしろ多いかもしれません。極めて希な場合は率で示すことも意味がないかもしれません。
http://www.naoru.com/hihu-nenmakugan.htm
管理人様の示されたリンクに、報告の多い推定原因薬の一覧が載っています。テグレトール、ザイロリック、アレビアチンは比較的重症が起きやすいと考えていますが、ボルタレン、アセトアミノフェン、ロキソニン、フロモックスなどは頻用薬かつ市場でのシェアが高いので症例は多いですが、頻度が高いかはわかりません。私の職場の薬剤師は毎月添付文書の変更一覧を届けてくれますが、スティーブンス・ジョンソン症候群の追記がある薬はどんどん増えていっています。さらに言えば、市販薬が被偽薬の症例は山ほどあるし、ビタミン剤の例すら報告があります。
それから、リレンザが吸入薬なので副作用が少ないとの記載が別記事であったように思います。作用部位で高濃度を維持でき、血中濃度は低くなるという利点があるのは確かなので、濃度依存の副作用の発生は(同じ毒性と仮定すれば)少ないかもしれません。内服薬でないのは消化管からの吸収が悪いことの裏返しでもありますし(2%。吸収が悪くても内服で投与する薬はありますが。)、逆に吸入でも血中濃度はあがり腎臓から排泄されます。
また、スティーブンス・ジョンソン症候群やTENはアレルギー反応の一種なので(一般の方が考えるアレルギーとは違いますが、ここでの主題ではありませんので説明はしません。)、血中濃度がわずかでも発症することはあり得ます。
本項ではスティーブンス・ジョンソン症候群やTENを取り上げられておりますので、これらについてはリレンザ(イナビルも?)は副作用が少ないとは言えないのではないでしょうか。無論これは処方する医師が注意すべきことですが。
まとめです。
・リレンザやイナビルは体内動態から考えて、同じ毒性ならばタミフルより副作用が少ない可能性があります。
・しかし、スティーブンス・ジョンソン症候群やTENの様な重症薬疹の報告は頻度は不明ですがあるので、注意しましょう(→無知な医者ども)。
それから、薬の効能や安全性は定められた投与法において発揮されます。それ以外の方法を推奨されるのは、あまり感心できません。
最後に、管理人様は、他人を攻撃することを目的としていないそうですので、私に「人々から嫌われるタイプ。」「あなたに最も不適切な職業は、客と話をする接客業です。たとえば、患者と会話をする医師業。」ていうのも攻撃ではないのですね。ここでは激励と取らさしていただきます。
あなたのブログがよい情報提供になってよかったです。
だから「らしい」と書いているんです。断言はしていません。
「タミフルよりもリレンザの方が絶対に安全」ということではありません。どっちも危ないのだが、妊婦のような場合、服用しないことで死ぬリスクを考えれば、抗インフルエンザ薬を取った方が安全です。その場合、タミフルとリレンザの二者択一だとしたら、どっちを取るか? 「患者にお任せします」なんてのはなしですよ。
危険度(百万人中発生率)が一方は、6らしくで、一方は4らしいとき、後者が絶対安全だとは言えないけれど、どちらか一方を取らざるを得ないとしたら、どっちにするか? そういう話です。後者が絶対安全だという意味ではありません。どっちがマシかということ。なお、どちらも取らなければ、危険度は 20ぐらいに跳ね上がります。(妊婦などは)
あと、タミフルは下痢などの副作用はかなり高い頻度で見られます。二者択一ならば、効能と副作用のどちらの点でも、吸入薬の方がいい、というのが私の判断です。(肺炎の予防や治療という意味でも、リレンザの方がいい。)
なお、タミフルとリレンザは、まったく別の薬ではありません。ほとんど同じ薬だし、作用機序も同じです。大きく異なるのは服用方法です。
現状では「飲みやすい」という、それだけの理由で、タミフルが圧倒的にシェアを得ています。それでいいと思いますか? 医療の目的は「薬を決めるときは、飲みやすさで決める」ことだと思いますか? ほとんどの医者は「イエス」と答えます。それが現状です。シェアを見ればわかります。私は「ノー」だと思いますけどね。
> 血中濃度がわずかでも発症することはあり得ます。
だから「普通の人はどっちも服用しない方がいい」んです。
しかしそれだと、処方箋の点数を稼げないので、実行する医師は少なめでしょうね。
> 「人々から嫌われるタイプ。」「あなたに最も不適切な職業は、客と話をする接客業です。たとえば、患者と会話をする医師業。」
こっちだって疲れているときに、あちこちの相手から下らない文章がいっぱい来たので、さんざん返事の文章を書かされて、なおさら疲れたので、頭に来て、「くだらない質問はもう書くな」という趣旨で書いてしまいました。
しかし、品がないですね。これじゃ誰かさんみたいだ。その意味で、上記の文章についてはお詫びします。
馬鹿の見本として、上の文章は元の箇所から削らないでおきます。こういう非難を書くと、書いた方が馬鹿に見えるだけだ、ということは存じております。ま、馬鹿丸出しで、いい恥さらしでしょう。
「アレルギー反応では、副作用の問題は、濃度異存とは限らない」
ということですね。同意します。というか、私も最初からわかっていました。(脚注ふうに)書くつもりも(少し)あったんだけど、一般向けではないので、書かずじまいでした。朝日の記事が見つかりにくいので、あちこちを探しているうちに忘れてしまった。
その意味で、私が書き落としたことを指摘してくださった、という意味はあります。その点にはお礼申し上げます。
リンクは本文最後に記してある「目次」の箇所。