これだけを見ると、人道的ですばらしいことのように思えるが、実は、ここにはとんでもない落とし穴がある。地球環境への視点が欠けているからだ。 ──
アフリカ開発会議が開催され、アフリカの開発を援助する旨の方針を日本は示した。
横浜市で開催中のアフリカ開発会議(TICAD)は 29日、食料価格高騰問題や農業支援に関する会合を開いた。若林正俊農相は、各国が国内生産を強化し、食料安全保障を確立する必要性を指摘。アフリカ農業支援では、作りやすく収量も多いネリカ米などの品種改良や、かんがい施設の整備などで、米の生産倍増を目指す考えを表明した。種子や肥料の供与も検討する。これと同趣旨の話は、他の新聞(朝日の連載)などにもある。かなり詳しい話もある。
( → 日本農業新聞 )
なお、次の記事もある。
国連児童基金(ユニセフ)は 28日、横浜市で「アフリカ子供白書 2008―子供の生存」を発表した。06年に世界全体で5歳未満の乳幼児の死者は初めて1千万人を切ったが、半数の 500万人がアフリカに集中し、1日に1万4千人が死亡していることを明らかにした。さらに、前項の話もある。
( → 朝日新聞 )
→ 地球温暖化と日本
────────────
以上の三つの話題をまとめて考察してみよう。(三題噺みたいだが。)
これらの三つの話題は、バラバラに見ると無関係のようだが、実は関連している。次のことがあるからだ。
アフリカの開発支援は、人道援助だと見えるので、すばらしいことだと思えるだろう。
しかし、人道援助により、人命が救われれば、人口の爆発が起こる。具体的に言えば、乳児死亡率が劇的に低下するので、その間に人口が急増する。
たとえば、戦後の中国で見られた。ほんの数十年のあいだに、一挙に十億人も増えてしまった。( → グラフ )
また、清朝期の中国や、19世紀の北米でも、やはり急激な人口増加が見られた。
そのいずれにおいても、栄養状態の改善が基盤にある。つまり、「栄養状態を改善して人命を救う」と言うことは、結果的に、「人口爆発」を招くのだ。
そして、その影響は、日本にも降りかかる。地球温暖化や、石油不足や、食糧不足などを通じて、日本にも影響する。
ただし、現時点のアフリカでは、人口爆発はない。なぜなら、乳児死亡率が非常に高いからだ。とはいえ、「人道的支援」の名のもとで、栄養状態が改善され、所得も増えれば、人口爆発がまもなく訪れるのは、不可避なのだ。中国が大量の小麦や石油を消費するのと同様のことが、アフリカにおいても発生して、現在の先進国は、驚くほど悲惨な生活を強いられるようになるだろう。
以上が、三つの話題をまとめて得られる結論だ。頭というものは、こういうふうに論理を働かせるためにある。
言われたことを聞いて「はいそうですか」とうなずくためにあるのではなく、言われたことを聞いて思考をめぐらすためにある。
しっかり考えて、先を見通そう。(新聞記事には、阿呆の解説ばかりがあふれているが、あれはまあ、レミングの集団自殺みたいなものである。)
──
なお、以上のことを理解すれば、われわれがなすべきことも明らかだろう。
間違った結論 …… 「アフリカを援助すると、環境が破壊されるから、アフリカを援助しなければいい」
正しい結論 …… 「アフリカを援助するだけだと、人口爆発が起こるから、人口爆発が起こらないように、産児制限をすればいい」
──
ここでは「(人間の)数を増やさないこと」が、人類の生活の質を保つための、唯一の方策である。このことを理解しよう。
これはとても大切なことだ。「人道支援すればいい」とだけ考えるような善意の阿呆に任せていては、地球は滅びてしまうのだ。
善意だけでなく知恵も必要だ、とわきまえよう。
[ 余談 ]
なお、ここに進化論学者が登場すると、次のことを主張するだろう。
「生命の本質は、自己複製により、数を増やすことだ。したがって、人口爆発は、好ましいことなのである。そして、そのあとで、優勝劣敗により、人類が殺しあいをすれば、優れた人間だけが残り、劣った人間は殺されるので、人類は進化するだろう」
この理屈で言うと、こうなりそうだ。
「戦争はすばらしい。人類はどんどん殺しあいをするべきだ」
「できれば核戦争で、人類はみんな滅びてしまえばいい。そうすれば、恐竜絶滅のあとで、哺乳類が急激な進化をしたように、人類が絶滅したあとで、次世代の生物が急激な進化をするだろう」
馬鹿げた理屈。猿以下の思考力。 (^^);
【 関連項目 】
→ ネリカ米だけで足りるか?
【 後日記 】
別項目で、新たな記述をした。
一部抜粋すると、次の通り。
 ̄ ̄
「産児制限」(避妊)を提案した。
とすると、「ミルクを配るかわりにコンドームを配れ」みたいになりそうだが、……それはコスト的に無理。かわりとしては、荻野式と膣外射精ぐらいか。いや、それよりは、「純潔教育」の方が有効だろう。「結婚するまでエッチをしてはいけない」ということだ。先進国では昔からそれが主流だった。だから人口爆発を防げた。「純潔教育」は、避妊法が普及していない状況では、正当な道だったのだ。

人口抑制にはアフリカ女性の地位向上が不可欠ということでしょうか。
明日の人類を救うのは女性なんですね。(^^)
しかし運動は活発になってきては居るようですが、人口爆発までに間に合うかどうか?
進化論学者に対してひどい偏見があるようですね
「人口爆発は好ましい」とか「戦争はすばらしい」とか「核戦争で人類は滅びてしまえばいい」とか
主張した「進化論学者」がいたのですか?
「いる」と私が書いている、とは思わないでください。常識を働かせてください。
つまり、書いてある言葉を字面どおりに受け止めないでください。これは皮肉です。
文学的レトリックの皮肉を、科学的な客観的記述だと思うようでは困ります。
言いたいことは、「彼らの理屈(増加こそが生命の本質だ)に基づけばそうなるだろう」ということ。
反論するなら、次のように反論してください。
「『生命の本質は自己複製である。数の増加こそが生命の目的だ』と語っている進化論学者は、一人もいないぞ」
と。
そういう反論をしたいのなら、その反論を(呆れつつ)受け付けます。
──
もっと詳しい話を知りたければ、前述の項目(下記)を読んでください。
→ http://openblog.meblog.biz/article/314554.html
→ http://openblog.meblog.biz/article/322065.html
→ http://openblog.meblog.biz/article/688504.html
反論するならここでしょうね。
「増加が生命の目的」だと主張している進化論学者が少なくとも大部分だと仮定している。
最後の「馬鹿げた理屈」というのは、あくまで人間にとってでしょう。
細部はともかく、ありえない仮定ではないと思う。人は愚かですから。