関税の効果については前に述べたが、関税の損得について新たに述べよう。関税をかけると得するだろうか? 他国が損をして、自国は得をするのだろうか?
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関税については先日、トランプの関税政策を論評した。
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トランプの相互関税: Open ブログ →
トランプの勘違いの本質: Open ブログ 【 重要 】 →
貿易赤字とは何か .1: Open ブログ →
貿易赤字とは何か .2: Open ブログ →
貿易赤字とは何か .3: Open ブログ ここでは次のように説明した。
・ そもそも貿易赤字は、損失ではない。
・ 貿易赤字とは、借金して品物を買うことだ。
・ 金を払っても品物を得るから、損得はない。
・ トランプは貿易赤字を損だと勘違いした。
・ そこで関税をかけて貿易赤字を減らそうとした。
・ だが関税をかけても、貿易赤字を減らす効果はない。
・ 貿易赤字を減らすには、借金を減らすしかない。
以上は「関税政策の効果」という観点からの説明だった。
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さて。本項では新たに、「関税政策の損得」という観点から説明しよう。
それというのも、ひどい勘違い記事を見たからだ。朝日新聞 Grobe+ という特集がある。その本日記事( 2025-11-02 )に、次の趣旨の記事があった。
・ これまでは各国協調で、関税を引き下げた。
・ 関税引き上げは、自国には得で、他国には損となる。
・ トランプは自国利益だけを狙って、関税を上げた。
・ 長年の各国協調の政策は、トランプの方針で破壊された。
・ 関税収入が歳入になるので、トランプ後でも高関税が続くだろう。
このような説明記事が書かれた。
しかし、これは素人の解釈によるものであり、経済学の原理にまったく反する。経済学の知識があれば、こんな馬鹿げた素人解釈はしないはずだ。
では、正しくはどうか? 以下では、「関税の損得」という観点から論じよう。
あなた:関税は特定の一国に課すると、圧力をかける効果がある。
一方、関税をすべての国に課すると、どの国に対しても圧力をかける効果はない。自国の輸入品価格が上昇し、輸入総額が減るだけである。増税効果が生じて、輸入品の輸出者と、国内の消費者が負担する。貿易が縮小して、誰も得しない。
両者にはそういう違いがある。
ChatGPT:
その通りです。
特定国への関税は「制裁関税」として外交・経済的な圧力手段になり得ますが、すべての国に一律で課す「一般関税」は単なる貿易抑制と増税に過ぎず、圧力効果はありません。
まとめると:
このため、前者は「戦略的関税」、後者は「保護主義的関税」と位置づけられます。
あなた:保護主義的関税をすると、特定産業が保護されるが、つぶれるべき産業がゾンビのごとく生き残ることになる。一国の効率を下げて、比較優位理論に反し、最適配分を阻害する。
ChatGPT:
その通りです。
保護主義的関税は短期的には特定産業を守りますが、長期的には経済全体の効率を低下させます。
整理すると:
結果として、「ゾンビ企業」や「非効率産業」が延命し、経済の活力を奪うことになります。
あなた:高い関税のかかった品目を買う企業も不利になり、国際競争力をなくす。
ChatGPT:
その通りです。
高関税によって保護されるのは最終製品産業だけでなく、その部品や原材料を使う下流産業にも影響が及びます。
具体的には:
たとえば鉄鋼に高関税をかけると、鉄を使う自動車・機械産業まで損をする、という典型的な例があります。
したがって、関税は守るつもりの産業だけでなく、関連産業全体に波及的な損失を与えるのが問題点です。
あなた:関税は狭い視野では得に見えるが、一国全体を見ると損である。
ChatGPT:
まさにその通りです。
関税は特定の産業や利害集団にとっては一見「利益」に見えますが、国全体の経済厚生ではマイナスになります。
整理すると:
したがって、関税政策は「見える利益(特定業界)」よりも、「見えない損失(消費者・他産業・経済全体)」の方が大きい政策です。
あなた:米国の国民総生産の額(A)を示せ。
米国の年間の輸入総額(B)を示せ。
米国が輸入品全体にかける関税率が平均 20% であると仮定して、関税の国家歳入額(C)を示せ。
さらに C ÷ A の値を示せ。パーセント表示で。
ChatGPT:
以下、仮定に基づき試算します。
(A) United States の国民総生産(名目GDP)…約 29.18 兆ドル(2024年)World Bank Open Data+1
(B) 輸入総額(全品目)…約 3.36 兆ドル(2024年)Trading Economics+1
平均関税率を20%と仮定 → 関税収入(C)=B×20%=約 0.672 兆ドル(=6720億ドル)
C ÷ A = 0.672 ÷ 29.18 ≈ 0.0230 → パーセント表示:約 2.30%
以上です。 ✅
[ 付記 ]
こうして真相が判明した。
トランプは「関税をかけると、自国だけが得をして、他国は損をする」と思い込んだ。しかし現実は逆だ。「関税をかけると、自国も他国もともに損をするが、特に自国が最も損をするのだ」となる。
なぜか? どの二国間関係でも、双方が同じだけ損をするとして、各国は米国との関係(1国との関係)だけで損が発生するが、米国は世界中のすべての国との関係で損が発生するからだ。
比喩で言うと、世界各国は米国と一発ずつ殴り合うので、各国は米国から一発のパンチをもらう。しかるに米国は世界中の国から一発ずつパンチをもらうので、百以上のパンチをもらうことになる。こうして米国だけが圧倒的に損をする。……それが米国の関税政策だ。
こういう本質を理解するべきだ。さもないと、「関税は自国は得をして、他国は損をする制度だ」と思い込んで、「自分勝手な米国」という批判が生じる。
これは誤りだ。米国の関税政策は、米国の利益にならない。むしろ米国そのものを傷つける。一番傷つくのが米国なのだ。自分自身を傷つけながら、自分が利益を得ると錯覚しているのだ。……この錯覚こそが本質なのだ。
ここを理解するのが経済学である。理解できないと、馬鹿なトランプと同類である。馬鹿が馬鹿を批判しても、同類であるにすぎない。(批判そのものが筋違いだ。)
ともあれ、以上のことをAIは理解できるので、新聞社の人たちもAIぐらいの知性は備えてほしいものだ。
【 追記 】
関税政策というのは、保護主義である。保護主義は貿易制限であるから、自国への経済制裁と同様である。関税収入を米国政府が得るというところだけが違うが、輸出国にとっても米国の消費者にとっても大損が発生して貿易制限になるという点では、経済制裁と同様である。自分で自分の首を絞めているわけだ。
※ 元の文書は
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https://chatgpt.com/share/6906a577-381c-8007-851d-13950ce6480f
