2025年07月04日

◆ 格安の洪水防止は 堰

 ダムや遊水地のかわりに、川の堰(せき)を使う方法もある。これによって低コストで洪水防止をすることができる。

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 これは前々項に述べたことの改良案だ。
 前々項ではこう述べた。
 そこ代替案を出そう。 → 足羽川が山地を抜けて福井平野へたどりついた入口の地点がある。そこは平坦な田んぼが広がる低地である。地価が安い。だからここに、遊水池を作ればいい。渡良瀬遊水池のように。……低堤防型で大面積を囲む遊水地は、堤防の高いダム堤防と比べて、建設費が小さい(堤防のコンクリート使用量は高さの2乗に比例するからだ。) こうして遊水池を作れば、足羽川の本流の水を丸ごと貯水できるので、治水効果が高い。
( → 福井県の足羽川ダム(治水): Open ブログ

 ここでは「遊水地を設置する」という案を示した。これで解決するはずだった。

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 ところが現地を見ると、これは不可能だとわかった。





 このあたりでは堤防がほとんどない(堤防が低すぎる)のである。ならば遊水地を設置できない。
 「高い堤防から溢れた水を、そばの遊水地に貯水する。その水は、川の堤防と、陸地側の新堤防で、囲まれる。その場所が遊水地だ」
 というふうになる。
 なのに、川の堤防が低すぎると、遊水地が作れない。そもそも、堤防から溢れた水を貯水する、という基本概念が成立しない。困った。

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 そこで、困ったときの Openブログ。かわりの案を出そう。
 「川の途中に、堰を作る。堰が川の水を止める。すると、川から溢れた水が、そばの田畑に氾濫する。あたりの平地部の全体が遊水地と化する。もはや堤防は必要ない。低地のすべてが遊水地と化するのだ」

 この場合、かかる費用は堰の建設費だけだから、格安である。滅茶苦茶に安いので、ほとんどタダ同然だとも言える。

 川が氾濫すると、田畑には農業補償金を払う必要があるが、そんな額は微小であるから、これもほとんどタダ同然だと言える。(家屋が浸水する水害被害に比べれば、圧倒的に少ない。)

 それでも心配する人がいるだろう。
 「平地に溢れた水は、どんどん下流に流れていくから、やがては平地の下流部に達する。そこには市街地がある。水が市街地に達すると、市街地が水没する」

 しかし、大丈夫。堰を(平野部のうちの)上流側に作っておけばいい。堰で溢れた水は、広大な平野部に氾濫する。そこには広大な田畑があるから、氾濫した水は田畑の広さに反比例して、水深が減る。面積が倍になれば、水深は2分の1になる。堰のそばでは、溢れた水の水深が3メートルあったとしても、その水が下流にゆっくり到達したころには、水深は 50cm ぐらいいにまで減じているので、床下浸水ぐらいで済む。
 こうして、堰を一つ作るだけで、水害の被害を「床下浸水」ぐらいにまで減じることができる。

 ──

 さらに、追加の方法もある。
 「市街地の最前線には、防壁としての堤防を作る。この場合は、平野部に氾濫した水を止めるだけでいいから、堤防の高さは低くてもいい。高さ1〜2メートルもあれば十分だ。素材も土でいい。(土堤だ。)」
 こうして、コストは格安で、立派な機能の防壁(堤防)を作れる。これで市街部は完全に守れる。

 ──

 以上の話の要点はこうだ。
 「価値の低い田畑を水没させる(犠牲にする)ことで、価値の高い市街地を水没から守る。水没そのものをなくすのではなく、水没の場所を変えるだけだ」

 この方法で、コストを激減させて、さらに、洪水防止効果を圧倒的に高めるのだ。

 ※ 元の方法では 1000億円をかけても、水量を 25% 減らせるだけだった。一方、本項の方法なら、10億円ぐらいで済んで、市街地の被害を 100%阻止できるだろう。

 ※ ただし話は平野部に限られる。途中の谷間部の氾濫は、話の対象外だ。その分は、「移転」で対応するべきだ。前々項で述べた通り。

 ※ 「田畑が水没する農家がかわいそうだ」と思うかもしれないが、ちゃんと損害補償をするから大丈夫。さらに、次の効果がある。「洪水で氾濫した水を浴びた農地は、洪水の栄養素をふんだんにもらうので、翌年以後は反収が大幅に増える」→ 損するどころか、かえって得をするのである。



 [ 付記 ]
 「話がうますぎて、信じられない。そんなにうまい話が、成立するわけがない。うますぎる話は信用しかねる」
 と思う人もいるだろう。それは妥当だ。実は、これまでの話でははしょった点がある。こうだ。
 「小さな堰だけで、大量の水を氾濫させることはできない。大量の水を氾濫させるには、大きめの堰が必要だし、その両翼には大きな堤防が必要だ。全部合わせると、10億円では済まず、数十億円がかかる」

 というわけで、実際の工事規模とコストは、何倍にも膨らむわけだ。……が、それでも、最初の規模が小さかったので、まだまだ低コストで済むと言える。数十億円なら、1000緒君よりもずっと安い。それでいて、効果は4倍以上だ。圧倒的にお得である。
posted by 管理人 at 20:10 | Comment(0) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
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