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前3項目(実質的には二つの文書)は、こうだ。
・ ネアンデルタール人との混血(AI) .1
・ ネアンデルタール人との混血(AI) .2
・ コーカソイドとネグロイド
初めの二つは、「ネアンデルタール人との混血がなかったこと」を示す。
3番目は「コーカソイドからネグロイドが分岐したこと」を示す。
では、この両者はどういう関係か? こうだ。
「ネアンデルタール人との混血があった」という結論を出すには、前提となる条件があった。それは「ネグロイドからコーカソイド・モンゴロイドが分岐した」ということだ。
これを前提とする限りは、次のことが結論される。
「ネアンデルタール人とコーカソイド・モンゴロイドには共通遺伝子があり、ネグロイドには共通遺伝子がない。その事実は、コーカソイド・モンゴロイドにはネアンデルタール人から遺伝子流入があったことを意味する。その遺伝子流入の手段が混血だ」
以上と同様のことがデニソワ人にも適用される。かくて、「デニソワ人との混血」も結論される。
では、その前提となる条件がなくなったら? つまり、「ネグロイドからコーカソイド・モンゴロイドが分岐した」ということがなくなったら? つまり、逆に、「コーカソイドからネグロイド・モンゴロイドが分岐した」というふうになったら? ……その場合は、「ネアンデルタール人との混血があった」ということは必要なくなる。混血はなくとも、単に共通遺伝子が残っていればいいからだ。
ネグロイドだけで共通遺伝子がないことは、「その遺伝子が特に必要ない遺伝子だから、ネグロイドでは消失した」ということで自然に解決する。
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結局、初めの説では「混血があった」という結論になったが、その結論を得るには「ネグロイドからコーカソイドが分岐した」という前提を必要とした。そこで、次の説がその前提を否定した。すると、前提を否定されたことで、初めの説が不成立となった。(混血説が不成立となった。)
混血説が不成立になったのは、その説自体が直接的に否定されたのではなく、その説の前提となる説が否定されたからだ。「親亀こけたら、皆こけた」というふうに、下の方にある基盤(親亀)が崩壊したから、上の方にある説(混血説)も崩壊したのだ。

前項の話がどういうふうに位置づけられるかを、本項では説明した。それは、直接的には混血説を否定しているわけではないのだが、混血説を実質的に崩壊させたのは、前項の説なのだ。
(これが親亀を崩した。話の前提・基盤・条件を崩した。)
※ 親亀とは? 「人類の先祖はアフリカ人だ」という説だ。これが誤りなのだ。
※ 正しくは? アフリカにいるのはネグロイドとコーカソイドの2種類であり、人類の始原はネグロイドでなくコーカソイドなのだ。両者を(区別せずに)混同したことが、これまでの通説の誤りだ。