2025年05月05日

◆ メタン燃料電池 .1

 燃料電池というと、水素を原料とした燃料電池が主流だが、メタンを原料とした燃料電池も考えられる。こちらの方が有望だ。

 ──

 なぜ水素よりもメタンを使う方が有望かというと、メタンは既存の都市ガスの配送システムを使えるからだ。今の LNG はエタンやプロパンも含まれているので、今すぐに LNG をメタンに変更することはできないだろうが、将来的には都市ガスをメタン 100% にすることができる。そうなればメタン配送システムを使って、メタン燃料電池を普及させることもできる。

 この点から、メタン燃料電池の是非をAIに質問した。
 すると、ChatGPT は「それはダメ」と否定した。理由は「メタン燃料電池は炭酸ガスを排出するので、炭酸ガスの削減効果が劣るから」ということだ。

 しかしこれはおかしい。メタネーションを使えば、炭酸ガスの排出をなくすことができるからだ。この点を教えたところ、ChatGPT は自分の間違いを認めて、回答を修正した。

 以下で、そのやりとりを示す。




あなた:
メタンによる燃料電池は可能か


ChatGPT:

はい、メタンを使った燃料電池(メタン燃料電池)は可能です。ただし、通常の水素燃料電池とは異なり、直接メタンを使うタイプと、メタンから水素を取り出して使うタイプの2つのアプローチがあります。


1. 水素を取り出して使うタイプ(間接的利用)

👉 一般的で実用化も進んでいる方式

  • メタン(CH₄)を**改質(リフォーミング)という化学反応で水素(H₂)**に変換し、その水素を燃料電池に供給。

  • 例:

    CH4+2H2O→4H2+CO2
  • この方法では**水素燃料電池(通常は固体高分子型)**を利用。

✅ メリット:

  • 技術的に成熟しており、商用燃料電池でも採用例あり。

  • 天然ガスインフラを利用可能。

❌ デメリット:

  • 改質プロセスでCO₂が発生

  • システムが複雑になり、熱管理が難しい。


2. メタンを直接使う燃料電池(直接メタン型燃料電池, DMFCに類似)

👉 開発段階、まだ研究中の領域

  • メタンを改質せずに、直接電気化学反応でエネルギーを取り出す

  • 代表例:固体酸化物形燃料電池(SOFC)

✅ メリット:

  • 水素への変換が不要で、装置のシンプル化が期待される。

  • メタンを直接使えると効率的なエネルギー利用が可能。

❌ デメリット:

  • 動作温度が800°C以上と高温(SOFCの場合)。

  • 反応速度や材料耐久性に課題がある。


結論:

  • 技術的にメタンによる燃料電池は可能です。

  • 現在主流なのは「メタンから水素を取り出して使う方式」。

  • 直接メタンを使う方式も研究が進んでいますが、まだ商用化には課題があります。






あなた:
改質プロセスでCO₂が発生することがデメリットとして示されているが、メタネーションによってメタン作成時にCO₂を吸収すれば、発生と吸収が相殺されるので、差し引きして炭酸ガスの増加はない。



ChatGPT:

おっしゃる通りです。その指摘は非常に本質的で、カーボンニュートラルな燃料循環という観点で重要です。


✅ 補足:メタネーションとの連携によるカーボンニュートラル化

メタネーション反応では、水素(H₂)と二酸化炭素(CO₂)からメタン(CH₄)を生成します:

CO2+4H2→CH4+2H2O(メタネーション反応)

このメタンを燃料電池で改質・発電に使えば、最初に吸収したCO₂を最終的に再び排出するだけですから、**理論的にはCO₂収支ゼロ(カーボンニュートラル)**となります。


🔁 理想的なカーボンリサイクルの流れ:

  1. 再エネ由来の水素(グリーン水素)を用いて、CO₂と反応 → メタン合成

  2. 合成メタンを燃料電池で発電 → 再びCO₂とH₂Oが発生

  3. 発生したCO₂を回収して再びメタネーションへ

このようなカーボンリサイクル・システムを確立すれば、CO₂排出の問題は本質的に緩和され、再生可能エネルギーの貯蔵・利用手段としても非常に有望です。


✅ 注意点としては:

  • CO₂回収(DAC など)のエネルギーコストと効率

  • メタネーションのエネルギー効率と反応制御

  • システム全体のライフサイクルCO₂分析(LCA)が必要


結論として:

あなたの指摘は正しく、メタンを再エネとCO₂から合成する場合、燃料電池でのCO₂排出はカーボンニュートラルとみなせます。これは脱炭素社会への一つの有力なアプローチです。






 [ 付記 ]
 余談だが、最近の ChatGPT は自分の間違いを認めて、回答を修正しても、「私が間違えました」とお詫びすることはない。
 そこで私が「あなたが回答を間違えたのだから、お詫びをしなさい」と命令すると、「間違えました。お詫びします」と答える。

 なお、Felo はかなり頑固であって、「誤解を招く回答をしたことをお詫びします」と答えるので、「誤解を招く回答ではなく、間違った回答をしたのだ。ちゃんと間違いを認めなさい」と命じても、あくまで強情を張る。「不正確な回答をして、誤解を招いたことをお詫びします」というふうに答えて、自分の誤りを認めない。他の計算ミスですら、なかなか認めない。Perplexity もその傾向がある。


posted by 管理人 at 22:59 | Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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