2025年05月05日

◆ 駅前再開発の注意点

 駅前の再開発では、注意すべき点がある。新しい高級ビルには、従来の古い店を入居させるな、ということだ。

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 前項では、地元の店への補償として、
 「新しい高級ビルに、従来の古い店を入居させる」
 という方式が提案されていた。( ChatGPT )
 これは、ありがちな発想だが、避けるべきだ。

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 ChatGPT は、こう提案した。
【2】テナント・商店主の継続営業を保証する制度
● A 「優先入居制度」+家賃抑制スキーム


 再開発ビルに元の商店主が優先的に入居できる権利を制度化。
 加えて、入居後の家賃に対して一定期間の補助や減免策を設ける。
 地方自治体による助成金、空き区画の一時無償提供なども検討。

  ・ メリット:商店主が地域で営業を続けられる
  ・ ハードル:家賃抑制の財源確保と管理

 これは、「人に優しい」発想だし、いかにもありがちな提案だ。しかし、これはやめた方がいい。

 なぜか? 客層が全然異なるからだ。
  ・ 従来 …… 汚らしい店で 低価格の商品を扱う
  ・ 新規 …… オシャレな店で高価格の商品を扱う

 この違いゆえに、客層が全然異なる。となれば店の営業形態も変えないといけない。しかしそんなことは不可能だ。ゆえに、「新しい場所で新しい商売をすること」は、老いた商店主には不可能なのである。

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 このことは、再開発されたビルに行ってみればわかる。たとえば、新綱島のタワマンは、低層階にオシャレな店が新規開店したが、あまりにもオシャレであり、見た感じでは、池袋の西武デパートよりもずっとオシャレである。こんなところを普段着で歩くのが気恥ずかしくなるほどだ。
 こんなオシャレな場所で、従来形式の汚れた低価格の商品を売るなんて、とうてい無理なことであろう。ミスマッチすぎる。
 要するに、オシャレな場所には、ショボイ店はふさわしくない。

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 では、どうすればいいか? こうだ。
 「低価格で汚い店を維持したければ、近隣の別の空き店舗を借りればいい。そこで従来通りの営業をすればいい。元と同じ場所で新築ビルに入るのでなく、元とは違う場所で旧式ビルに入ればいい。家賃にしても、前者は超高額だが、後者は低額であるから、都合がいい」

 実を言えば、近年は空き店舗がやたらと増えている。少子化のせいで、人口減となり、ビルが余っているのかもしれない。住宅地の空き家過剰が、商店街にも及んでいるのかもしれない。ともあれ、やたらと空き店舗が増えているので、安くて古い空き店舗を見つけて、そこで営業すればいいのだ。元の場所から、そう遠くない場所に、空き店舗を見つけることは可能だろう。だから、そこで営業すればいいのだ。

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 前に、和光市駅前の再開発を論じたことがあった。
  → ホンダは埼玉企業 .4: Open ブログ

 前項では、大山駅前の再開発を論じた。
  → ハッピーロード大山の再開発: Open ブログ

 そのいずれでも、新規に立派なビルができそうだが、そこに招かれる企業は、従来からある地元企業ではなく、別のハイソな企業であるべきなのだ。
 「再開発した土地に、従来の店を誘致する」
 というのは、人情の点から言えばありがちな発想だが、経済的な合理性から言えば、まずい方策なのである。仮にそれを実行したら、入居した店は、従来通りの品も客も維持できないし、高い家賃も払えないし、大赤字を出したあげく、あっという間に倒産するだろう。そんな不幸は避けるべきなのだ。
 下手な人情論になびいて、経済的合理性を無視すると、誰もが全員、不幸になるだけなのだ。
 

posted by 管理人 at 13:44 | Comment(1) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大阪駅前の第一〜第四ビルは、ヤミ市の店舗を入れたので商業ビルとしての評価は低いです。
橋下さん時代に、潰して公園にする案もありましたが、立ち消えです。
東京で言うと八重洲のような場所なのに、全然行かされていないのが残念です。

Posted by 通行人 at 2025年05月05日 21:50
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