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水素の貯蔵を大規模に行う方法は、いくつか考案されている。
塩洞
岩塩は水素の遮断の性能が高い。そこで、岩塩の穴である「塩洞」を作って、そこに水素を貯蔵する……という方法が研究されている。
これで大量の貯蔵をすると、ガスタンクよりも低コストになる可能性があるそうだ。
ただし、日本には岩塩がないので、塩洞もない。日本ではこの方法は使えない。(AIによる回答。)
ガス田の跡地
日本にはかなり大規模なガス田がある。地盤沈下の問題があるので、ガスを利用することには制限がかかるが、ガスを抜いたあとの跡地もあり、そこを利用できる。こういう跡地に、(メタンを抜いたかわりに)水素を注入することで、一時的なガスタンクのかわりとして利用できる。
・ 春と秋にはガスを注入する。
・ 冬と夏にはガスを取り出す。
というふうに利用すれば、地盤沈下の問題もなく、ガスタンクのかわりとして利用できる。
具体的には、千葉県に「南関東ガス田」というのがあり、そこを利用することが考慮されている。

LNGタンク
水素ガスの大規模な貯蔵方法は、いろいろと考えられているのだが、ここで私は画期的な方法を打ち出そう。「開発費を出さずに、無料で使える貯蔵方法」だ。コストゼロという画期的な方法。
その方法は、こうだ。
「既存の LNG タンクをそのまま利用する。LNG の利用量を減らして、その分、別のガスを入れて利用する。別のガスというのは、水素を転換して作ったメタンだ」
このポイントは、次のことだ。
・ 新たな貯蔵施設は必要ない。既存の LNG タンクを使う。LNG の利用量を減らして、その分、別のガスを使えばいい。
・ 別のガスというのは、太陽光発電で生産した水素である。ただし、水素をそのまま貯蔵するのではなく、水素をメタンに転換してから貯蔵する。
後者は、「水素をメタンに転換する」という操作が必要だ。これは「メタネーション」である。
4H2 + CO2 → CH4 +2H2O
このとき、メタンが生じる。このメタンは、燃焼時に炭酸ガスを出すが、そこで発生される炭酸ガスの分は、最初の生産時に「炭酸ガスのメタン化」という形で、炭酸ガス減少に寄与しているから、差し引きして、炭酸ガスの発生は生じない。
トータルで見れば、炭酸ガスは減る量と増える量が同じだから無視してよく、単に水素ガスがメタンガスの形で使われるようになっただけだ。
要するに、次のように言える。
「水素を大規模に貯蔵する方法で、あれこれと悩む必要はない。既存の LNGタンクをそのまま利用すればいい。LNG を減らせば、減った分の空きが生じるから、その空きを利用して、メタンを貯蔵すればいいのだ。こうすれば、水素を貯蔵するのと同じ結果にできる。しかも、実質無料で。」
※ LNG タンクというのは、都市ガスタンクのような気体ガスのタンクではなく、液体のタンクである。LNG の L は「液体」という意味だ。タンクはタンクでも、液体タンクである。お間違えなく。
LNGの冷熱
LNG の冷熱は、無駄に捨てられることが多い。一部は冷凍食品の利用に使われることもあるが、ほとんどは無駄に捨てられる。もったいない。
しかし、メタネーションを行うなら、LNGの冷熱を有効利用できる。
「LNGの冷熱によって、メタネーションでできたメタンガスを液化する」
現実には、完全に液化する必要はなく、単に「高圧で圧縮する」だけでもいい。「高圧で圧縮する」ときには、気化熱の逆で、大量の発熱が起こるから、その発熱を吸収するために、LNGの冷熱を利用すればいい。そうすれば、「高圧で圧縮する」ために必要なエネルギーを大幅に削減できる。
つまり、こうだ。
・ LNG を都市ガスにするときには、LNG の冷熱が大量に解放される。
・ その冷熱は無駄に捨てられる。
・ そこで、その冷熱を、水素で作ったメタンガスの液化に使えばいい。
・ そこでできた液化メタンガスを、LNG の液体タンクに貯蔵できる。
これで、エネルギーの無駄がなくなる。
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なお、季節はいつか?
電力に大量の余剰が出るのは、春と秋である。この時期に、大量の余剰電力を利用して、大量の水素生産が可能となる。その水素からメタネーションでメタンを大量生産する。そのメタンを、LNG の気化で生じた冷熱で液化する。
春と秋にも、LNG の利用はたくさんあるので、LNG の冷熱は大量に発生している。その冷熱の一部を利用して、メタネーション由来のメタンの液化に使えばいい。
水素とメタンの発熱量
なお、ここで大事なことがある。水素ガスがそのまま使われるのでなく、(転換して)メタンの形で使われる、ということだ。
すると、水素がメタンに転換したおかげで、次の効果が生じる。
・ 既存の LNG タンクをそのまま利用できる。(どちらもメタン)
・ メタンは水素よりも発熱エネルギーが大幅に大きい。(体積比で)
(メタン: 約888 kJ/mol 。水素: 約286 kJ/mol 。)
これがメタネーションの効果だ。
この方法は、「水素をメタンに転じることで、体積当たりの発熱量が大幅に増えて、便利になる」という効果が生じる。
化石燃料の削減量
また、「都市ガスの利用は、現状では化石燃料を使っているが、メタネーションによるメタンを使えば、化石燃料の使用量を減らせる」という効果も生じる。
現在、炭酸ガスを減らすためには、電力利用を減らすことばかりが注目されているが、暖房や調理のための熱源としての都市ガス利用を減らすことにすれば、そこでも炭酸ガスの発生を抑止できるのだ。
※ 水素生産時の炭酸ガスを地中に埋め込むことでできた水素を「ブルー水素」というが、地中に埋め込むのを、炭酸ガスでなく、メタンや水素にすれば、水素の貯蔵が可能となる。ここで貯蔵したものは、出したり入れたりして、再利用することになる。
結論
水素を大規模に貯蔵するには、水素そのままの形で貯蔵するよりは、水素をメタンの形に転換してから貯蔵するといい。
その場合、実際に貯蔵するのは水素でなくメタンだが、実質的には水素を貯蔵するのと同じことである。(途中で炭酸ガスを併用するか否かという違いがあるが、炭酸ガスの利用量の差し引きはゼロ同然なので、そこは無視していい。単に水素を貯蔵するのと同じ結果になる。)
この方法がメタネーションだ。メタネーションの方法を使うと、水素を使う方法(水素社会)よりも、効率が大幅に向上するので、炭酸ガス削減の効果が高まる。この件は、後述する。 ( → [ 付記3 ] で。)
[ 付記1 ]
「将来は水素社会になるので、水素を全国津々浦々に配給するために、NTT の地下空洞を使って、莫大な水素配給網を作ろう」という構想を、NTT が考慮しているそうだ。
NTTグループは、通信ケーブルが入った「管路」を全国に所有しており、その長さは地球15周分にあたる約60万キロにも及ぶ。この管路の空き容量を活用して、水素を輸送するビジネスを検討している。
( → パビリオンを彩る照明は水素で発電 万博で活用される脱炭素の新技術 :朝日新聞 )
→ 朝日新聞:水素を運ぶ地中のパイプライン(画像)

これがいかに馬鹿げたこと(巨額の無駄投資)であるかは、本項を読めばわかるだろう。
こんな馬鹿げたことをしなくても、メタネーションを利用すれば、既存の都市ガスの配管網をそのまま利用できるのである。
一方、NTT の方法は、ものすごく非効率だ。
・ 新規に配管する必要がある。
・ 水素の発熱量は、都市ガスよりも大幅に低いので、配管の量は都市ガスの何倍も必要だ。
・ 仮に成功したら、既存の都市ガスの配管が無駄になる。二重設備の無駄。
馬鹿丸出しというしかない。水素という妄想に頭が染まったあげく、無駄な大損に向かって、まっしぐらに進む。トランプが関税を信じるのと同様に、日本人は水素社会を信じて進む。どちらも妄想を信じて暴走するのは、そっくりだ。ともに狂人だね。
トランプの狂人ぶりを指摘する人は多いが、日本人の水素社会信者の狂人ぶりを指摘するのは私だけだ。
[ 付記2 ]
メタネーションは優れているように見えるが、難点もある。水素のメタン化という転換のために、エネルギーの 22% が消費されてしまい、残りは 78% まで減じてしまう、ということだ。(数値は Perplexity による。)
ならば水素のまま利用すればいいか、というと、そうも行かない。水素の圧縮・運搬のためには、やはり多大なエネルギーが消費されてしまうからだ。特に、ボンベなどに小分けすると、やたらと大量のエネルギーが消費されてしまう。(メタネーションをしてから、 LNG 発電をして、EV で利用するなら、この無駄は生じない。)
22% というエネルギーロスは、かなり大きな数字と見えるが、水素社会のエネルギーロスに比べれば、かなり少なめの数字だと言えそうだ。(それほどにも水素社会のエネルギーロスは大きい、ということだ。水素社会の実用性は、ほとんど皆無である。こんなのを信じている人は、妄想狂だ。)
[ 付記3 ]
「水素レス」の技術が開発中である。これは、余剰電力と水と CO2 から、直接メタンを作成するメタネーションであり、途中で水素の発生(水の電気分解)を経由しない。「水素なし」で直接的にメタンを発生させるものだ。
この方法は、とても効率が高くて、メタネーションの効率を非常に高める。水の電気分解を必要とする水素社会よりも、ずっと効率が良くなる。
この意味でも、水素社会は将来的にはありえないのだ。あるのは「メタン社会」なのである。
Perplexity の回答。
将来的な改善見込み:
SOEC(固体酸化物形電解セル)技術の実用化により、電力→メタン変換効率85〜90%(損失10〜15%)が可能。
特徴は:
・ 一気通貫プロセス:水とCO2 から直接メタン合成(水素調達不要)
開発ロードマップ:
・ 2025-2027年度:ベンチスケール試験(10Nm3/h級)
・ 2028-2030年度:パイロットプラント(400Nm3/h級)
・ 2030年代後半:商業プラント実用化目標
この技術により、水素を介さない直接変換プロセスが可能となり、従来の水素ベースメタネーションのエネルギー損失課題を根本的に解決する見込みです。

現在都市ガスの80%以上はメタンです。その意味ではすでにメタン社会になっています。メタン資源はまだかなり豊富にあるようです。アメリカのノースダコタ(だったか?)のカナダ国境付近では自然に湧き出てきたメタンが燃え続けているらしいです。アメリカは石油産出国なのでこの程度の小規模エネrぎー資源はほったらかしにしているようです。もったいないし、けしからんと思います。