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以下、列挙しよう。
(1) 住民税の減税
住民税は、原則として、一律 10% である。
これまで住民税所得割の税率は3段階の超過累進税率になっていましたが、平成19年度からは 一律で10%の税率に変わります。
( → 三豊市 )
住民税は、所得の多寡にかかわりなく、一定である。昔はそうではなかったが、今ではそうなっているのだ。ここには累進制はない。
これは、中高所得者にとっては、何でもないが、低所得者にとっては負担感が強い。特に、年収 300万円以下の人にとっては、負担感が強い。下図参照。
→ 少子化の対策 .5(補足): Open ブログ
そこで、「低所得者の住民税を 10%よりも引き下げる」というふうに制度改正するといいだろう。たとえば、次のようにする。
現行税率 新税率
低所得者 10% 3%
中所得者 10% 5%
高所得者 10% 8%
※ 何だか面倒臭そうに見えるが、「一律で同一金額を給付する」というふうにすれば、ほぼ同等のことが、簡単に実現できる。
(2) 健康保険料の減税
(雇用される人の)健康保険料は、県ごとに異なるが、おおむね 10% 前後である。
健康保険の保険料率は、協会けんぽの場合は都道府県ごとに、健康保険組合は組合ごとに異なっています。
都道府県単位の保険料率は10%前後に設定されることがほとんどです。たとえば令和6年(2023年)度の健康保険料率は、東京都であれば9.98%、大阪府の場合には10.34%に設定されています。
( → 【社会保険料率】令和6年の最新情報を表で解説!正しい計算方法や賞与の扱い方 |HR NOTE )
ただし労使で折半するので、労働者の負担する分は 5% である。
さて。ここでも「所得比例」になっているので、所得の多寡にかかわりなく、一定である。ここには累進制はない。
これは、中高所得者にとっては、何でもないが、低所得者にとっては負担感が強い。特に、年収 200万円以下の人にとっては、負担感が強い。下図参照。
→ 少子化の対策 .5(補足): Open ブログ
そこで、「低所得者の住民税を 10%よりも引き下げる」というふうに制度改正するといいだろう。たとえば、次のようにする。
現行料率 新料率
低所得者 5% 1%
中所得者 5% 2%
高所得者 5% 4%
※ 何だか面倒臭そうに見えるが、「一律で同一金額を給付する」というふうにすれば、ほぼ同等のことが、簡単に実現できる。
(3) 定額減税(給付)
住民税を減税したり、健康保険料の料率を下げたりするのは、やたらと手間がかかる。1億人に近い国民に、一人一人で個別にカスタマイズした徴収額を決めるので、莫大な手間がかかる。事務経費だけで大変な無駄手間がかかる。
だったら最初から「各人に一定の額を給付する」と決めればいい。たとえば、「全員に5万円を給付する」と決める。これならば、事務経費はゼロで済む。口座振り込み料がかかるだけだ。
この方式が最も賢明だろう。最もシンプルで、最も公平だ。無駄もない。
※ これと同じ方法を、わざわざ無駄な事務手続きをかけて実行するのを、「給付付き税額控除」という立憲の案だ。事務手続きで膨大な無駄手間をかけて、「一人あたり5万円の給付になるように、いちいち調整する」という方式。馬鹿丸出しとは、このことだ。
(4) 小麦関税の引き下げ
以上の方法は、ただの減税案であって、日本という国の状況を改善するわけではない。単に金を配るだけであるから、特にプラスもマイナスもない。(金を配った分、物価が上昇するだけだ。国民は喜ぶが、物価が上昇するので、全体としては特に高価はない。所得再配分の効果があるだけだ。)
一方、日本全体の状況を改善する方法もある。それは、トランプの関税政策の逆のことをすることだ。
トランプの関税政策は、国家の経済状況を悪化させる。それを、トランプの何倍もの規模でやっているのが、日本の関税政策だ。
「小麦関税は 145%。米の関税は 100%以上。(従量税)」
これが現状の日本の関税制度だ。そのせいで、日本の経済状況は非常に悪化している。
このうち、米の方は、まだ納得できなくもない。日本で米作をするというのは、それなりに納得できる方針だ。「輸入は原則禁止」という現行制度は問題があるにせよ、「自給率は 90%以上」という方針ならば、特に悪くもないだろう。
一方、小麦の自給率を高めるのは、まったく納得ができない。なぜなら、日本は小麦を生産するには、適していないからだ。高温多湿のモンスーン地域は、米作をするには適しているが、小麦の生産に適しているのは、雨が少なくて気温が低い土地だ。日本で言えば、冬の太平洋側や北海道などが適しているようだ。とはいえ、広大な平野はなくて、米作の裏作で行われていることが多いので、コストが著しく高くなる。
これが米作ならば、高温多湿を利用して、狭い土地でも豊かな収量を上げることができる。しかし小麦ならば、高温多湿を利用できないので、狭い土地では少ない収量を上げることしかできない。当然、高コストで、馬鹿高い小麦しかできない。そのせいで、日本の小麦は、国際価格の何倍もの馬鹿高値になっている。
だから、パンの値段も高いし、うどんの値段も高い。ちなみに、ChatGPT で調べてみたところ、フランスパン(バゲット)の価格は、フランスでは日本の半額だ。
→ フランスパン|横浜元町で生まれた焼き立てパンのお店 ポンパドウル
トランプの関税政策は、国家の状況を悪化させる。その何倍もの規模で、日本の状況を悪化させているのが、小麦関税だ。
この小麦関税を廃止して、日本では小麦の生産をやめるといい。日本という場所は小麦の生産には適していないからだ。(小麦の生産には広大な乾燥した平地が必要である。)
こうすれば、非効率な小麦生産をやめて、海外から小麦を全面輸入するようになる。そのことで、小麦価格が劇的に低下する。パンやうどんや中華麺の値段が大幅に下がる。このことで国民の食費が大幅に下がる。
しかも、そのためには、財源を投入する必要がない。減税のための財源なしで、この減税策を実現できるのだ。
※ 「関税の収入がなくなるだろ」と心配する人もいるだろうが、問題ない。関税の収入は、現状では農家の補助金に消えてしまうので、国庫の収入にはなっていないからだ。日本で小麦生産をやめれば、補助金の支出もなくなるので、そのために関税収入を投入する必要もなくなる。良いことずくめだ。……こうして、一切の問題は解決する。
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一般に、日本では農業の生産性が低いせいで、日本全体の生産性を大幅に引き下げている。農業を自由化すれば(関税率をゼロにすれば)、生産性の低い分野の問題が解消するので、日本全体の生産性が大幅に向上する。そのことで無駄な補助金を解消すれば、その金を日本人全体で分配できる。
小麦関税を廃止すれば、日本人全体に数万円の現金を給付したのと同じぐらいの効果がありそうだ。
《 加筆 》
※ 零細農家は非効率なので、廃止するべし、という見解がある。ネットで話題。
→ 「コメ農家の時給10円説」はウソである…PRESIDENT Online
ちなみに、本サイトでは既出である。
日本の米作農家の所得は、惨憺たるありさまだとも言える。零細農家の場合、所得が微小すぎて、時給 10円にしかならないとも言われる。赤字農家もあるらしい。(時給はマイナスだ。)
ただしそれは零細農家(1ha 未満)の場合だ。大規模農家( 10ha 以上)の場合には、年収 1000万円を越えることも多いそうだ。
となれば、結論はこうだ。
「零細農家はつぶして、大規模農家に集約すればいい。零細農家は、土地を売るか貸せばいい。零細農家の土地を借りた大規模農家が、まとめて米作をすればいい」
なお、まとめても大規模にならないような小規模な土地は、太陽光パネルを敷き詰めればいい。10ha 以上あれば、太陽光パネルだけで、年収 1500万円になるそうだ。
( → 外国産米を輸入する?: Open ブログ )
[ 付記 ]
ついでだが、最悪の減税策もある。それは「ガソリン減税」だ。これは、炭素税の逆であり、地球温暖化を推進する政策だ。
欧州各国は、ガソリン増税・炭素税課税の形で、地球温暖化阻止の努力をしているのに、トランプと日本政府だけは、地球温暖化を促進するために、ガソリン減税をしたがる。狂気の沙汰だ。
この件は、朝日新聞社説も論じている。
ガソリン補助は価格高騰への「激変緩和対策」として2022年1月に始まった。今回で実に9回目の延長・継続となり、さらに長期化する。
朝日新聞の社説は、一律補助の転換や打ち切りを訴えてきた。看過できない問題をいくつも抱えるからだ。
まず、政策コストが巨額で、効率が悪い。ガソリンと電気・ガス補助の予算額はすでに12兆円を超える。恩恵は高所得者や好業績の企業にも及び、ばらまきの色が濃い。
脱炭素にも逆行する。価格への介入は、値上がりによって需要が抑えられる市場の働きを弱め、省エネや燃費の良い車の普及などを鈍らせる。
( → (社説)ガソリン高値 補助の「出口」はどこへ:朝日新聞 )
まあ、そうですよね。
国民民主とトランプは、同じように頭が悪い。それに賛同する日本国民は、トランプを支持する米国民と同じように、頭が悪い。
《 加筆 》
※ 零細農家は非効率なので、廃止するべし〜
という箇所を挿入しました。
「儲からないから値上げしろ」と注文するのが良くないだけだ。赤字を自己負担するのなら、米を自給自足するのは本人の勝手だ。家庭菜園みたいなものだ。
@一億円の壁をなんとかしろ
https://ja.wikipedia.org/wiki/1%E5%84%84%E5%86%86%E3%81%AE%E5%A3%81
・理想は全部総合課税にすること
・それじゃ税務が大変だというなら分離課税のままでも金融所得の税率を30%程度まで上げればよい
A法人税の税率を上げよ
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/082.pdf
ピーク時の半分程度に下がっている。そのぶん消費税が上がってるわけだが。
B所得税も昔は70%もあった
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/033.pdf