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国民民主が所得税減税を掲げて、国民受けがいい。そこで、その真似をしようとして、立憲が「食料品の消費税ゼロ」という案を掲げた。
野田佳彦代表は25日の記者会見で、1年間に限り食料品の消費税率をゼロに引き下げることをめざす考えを表明した。夏の参院選公約に盛り込む。中低所得者の消費税負担を軽減する「給付付き税額控除」を導入するまでの一時的な措置と位置づける。
経済情勢によっては、1回限り、期間を延長可能とする。
( → 立憲民主党・野田佳彦代表、1年間の「食料品の消費税ゼロ」 参院選公約に - 日本経済新聞 )
1年(またはもうちょっと)の間だけ、食料品の消費税をゼロにして、そのあとでまた元に戻す……という案だ。変更が2回もあることになる。事務手続きの変更で、大混乱だろう。莫大な手間がかかるので、愚の骨頂だと言える。
国民民主の「所得税減税」という案も馬鹿げているが、立憲の案はさらに輪をかけて馬鹿げている。政権担当能力をもたないことを露骨に示しているね。
国民民主は詐欺師だが、立憲は愚者だ。ともにトランプと同様で、国家を破壊する。
※ トランプは詐欺師でもあり愚者でもあるから、一人で「国民民主」と「立憲民主」を兼ね備えているようなものだな。
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立憲が「食料品の減税」を唱えることには、根拠がある。
「エンゲル係数は、低所得者ほど高い」
という定説(俗説?)だ。
「食料品は生活必需品なので、削ることができない。ゆえに、低所得者ほど、食費が高くなる」
というわけだ。
これは、「カロリーを取ることが最優先」という大昔には成立した。だが、今では「低所得者ほど高カロリーで肥満体だ」というふうに逆転が生じているものだ。
そこで統計を改めて調べ直すと、次の事実が判明した。
「エンゲル係数は、低所得者も高所得者もほぼ同じで、ほぼ一定である」
このことは、下記で説明されている。
→ 「エンゲル係数が高い=低収入」はウソ!?
総務省統計局「家計調査 家計収支編」から算出した、2023年1月の年収別エンゲル係数

出典:総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯(2023年1月)第2−3表
200万円未満の低所得層のエンゲル係数は高いものの、それ以上の年収ではほぼ横ばいとなっています。
以上の結果から、現代において「エンゲル係数が高い=低収入」の定説が崩れつつあることは、否定できないでしょう。
要するに、「中低所得者を優遇するには、食料品の減税をすればいい」というアイデアは成立しないわけだ。
「中低所得者の優遇のために、食料品の減税を」というのは、公明党が唱えた方針で、その尻馬に立憲が乗った。だが、その案は前提からして間違っているわけだ。
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では、かわりにどうすればいいか? ……という話は、次項で。
ただし、若い独身男性は、自炊しないで外食だらけなので、食料品の課税減免をしても、恩恵を受けられない。若くて貧しい人ほど、損をする。