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佐渡島のトキを本州で繁殖させる、という方針がある。佐渡島のトキを捕獲して、船で本州まで運んで、本州で放鳥する、という方針だ。
国の特別天然記念物のトキを野生復帰させる取り組みとして来年6月ごろに本州では初めて石川県の能登地域で放鳥する方針が環境省の専門家会議で了承されました。
新潟県佐渡市で中国から贈られたトキの人工繁殖と野外への放鳥の取り組みが進められてきました。
その結果、佐渡市での野生のトキの生息数は去年12月末時点の推定で576羽まで回復し、環境省はさらに生息数を増やすため、佐渡市以外で定着させることを目指し、石川県の能登地域と島根県出雲市を新たな放鳥の候補地に選んで検討を重ねてきました。
方法については、1度に15から20羽ほどを複数年にわたって放鳥し、仮設のケージで一定期間ならしたあとみずから飛び立つのを待つ「ソフトリリース」方式で行うことを原則とするとしています。
( → トキ 来年6月ごろに石川県能登地域で放鳥へ 本州では初めて 能登半島地震からの復興のシンボルへ期待も | NHK | 環境省 )
これは一案であるが、私は賛成しない。あまりにも人工的な方法だからだ。むしろ自然に任せるべきだ。とはいえ、自然に任せっぱなしでは、うまく行かない。なぜなら、佐渡島と本州との距離は 32km もあるからだ。
この距離を越えるのはかなり困難だ。実際に越えた成功例はわずかしかない。
そこで、私の提案は、こうだ。
「途中の中間点に、(はしけ みたいな)小型船を浮かべておく。さらに、碇(いかり)降ろして、流されないようにしておく。これが島のかわりになるから、鳥は本州との間で、行き来できるようになる」
佐渡島 ←─→ 船 ←─→ 本州
というふうにするわけだ。これなら、鳥は 32km を飛ぶかわりに、16km だけを飛べばいい。このくらいなら、かなり楽に飛来できるだろう。
特に、船にはエサと水を用意しておけば、そこで休憩と補給を同時にできるから、一石二鳥である。
なお、上の方法でうまく行かなかったら、船を二つに増やせばいい。そうすれば、間隔は 16km から10.7km に短縮されるから、いっそう容易に飛来できる。
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※ ただし、あとで考え直したら、難点もある。コストだ。船を係留しておくと、お金がかかる。長期間だと、なおさらだ。一方、トキをつかまえて放鳥するだけだと、コストは安い。コストの点では、船は放鳥に劣る。その意味では、実現性は弱い。(負けたかも。)
[ 付記 ]
トキに与えるエサは、何がいいか? 「雀やキジは米を食うから、トキにも米粒を与えればいい」と思う人もいそうだが、トキは米粒を食わない。ドジョウやカエルのような動物食である。かなりグルメなのだ。(ぜいたくな奴め。)
このような動物を大量に給餌するのは、困難だ。ドジョウやカエルをたくさんつかまえるのは難しいからだ。
そこで担当者が考えたのが、人工飼料だ。馬肉の挽肉を作って、これを野菜と混ぜて、お料理にして、トキに与えるそうだ。(ぜいたくな奴め。)
詳しい話は下記にある。
→ トキのえさって? | 関東地方環境事務所 | 環境省