2025年04月02日

◆ 貿易赤字 ≒ 資本黒字

 米国の貿易赤字は外国の不正貿易のせいだ、とトランプは考える。しかし、違う。貿易赤字の原因は、資本黒字だ。

 ──

 原理


 正確に言えば、貿易収支でなく経常収支(≒ 貿易収支 + 配当収入)が該当する。次の等式が成立する。
  経常収支の赤字額 = 資本収支の黒字額


 つまり、経常収支(≒ 貿易収支)が赤字であることは、資本収支が黒字であることを意味する。
 逆に言えば、貿易赤字が発生するのは、資本収支が黒字であるからだ。外国の不正貿易のせいではないのだ。

 このことは、AIが説明してくれる。

Feloの回答
 米国の貿易収支が大幅赤字である一因は、資本収支が大幅黒字であることに起因しています。これは、貿易赤字と資本収支の関係が密接に関連しているためです。
 貿易赤字は経常収支の一部であり、経常収支は貿易収支、サービス収支、第一次所得収支の合計です。米国の経常収支は、貿易赤字が大きいにもかかわらず、資本収支の黒字によって全体としてバランスを保っています。これは、貿易赤字が資本の流入を促進し、結果として経常収支が黒字になることを意味します。
 したがって、米国の貿易収支が大幅赤字であるのは、資本収支が大幅黒字であるためです。この関係は、米国が外国からの投資を引き付ける能力を持っていることを示しており、貿易赤字を補う形で経済全体のバランスを保っています。


ChatGPT の回答
Q:米国の貿易収支が大幅赤字なのは、資本収支が大幅黒字であるせいか?

A:その通りです。米国の貿易収支が大幅な赤字なのは、資本収支(金融収支)が大幅な黒字であることと密接に関係しています。この関係は、国際収支の恒等式によって説明できます。


Gemini の回答
Q:米国の貿易収支が大幅赤字なのは、資本収支が大幅黒字であるせいか?

A:はい、アメリカの貿易収支の大幅な赤字は、資本収支の大幅な黒字と密接に関連しています。
 国際収支は、原則として全体で均衡するため、経常収支の赤字は資本収支の黒字によって相殺される関係にあります。
 アメリカは長年、貿易赤字を抱えており、これは経常収支の赤字の主な要因です。
 一方で、アメリカは世界最大の経済大国であり、安全な投資先と見なされているため、世界中から多額の投資資金が流入しています。これが資本収支の黒字につながっています。
 つまり、アメリカの貿易赤字は、海外からの投資によってファイナンスされているという構図です。


 対策


 では、上記の原理に基づいて、どう対策すればいいか? 
 しかし、上記の原理からは、こう言える。
 「貿易赤字を減らしたければ、資本黒字を減らせばいい」


 では、そのためには? 海外からの資本を引き寄せるのは高金利(ドル高)だから、高金利を是正すればいい。つまり、金利を下げればいい。
  金利を下げる → ドルが下がる → 輸出が増えて輸入が減る → 貿易赤字が減る


 こういうふうになる。これが正解だろう。つまり、トランプの目的とする「貿易赤字の減少」を狙うのならば、「金利の引き下げ」こそが正解なのである。
 経済学を理解すれば、このように結論できる。

 ※ なお、金利を下げるためには、国債発行を減らす必要がある。そのために、財政赤字を減らす必要がある。そのためには増税や歳出削減の必要がある。
 ※ トランプは増税が嫌いであるようだが、貿易赤字を減らしたければ、増税をするべきなのだ。特に、金持ち増税や企業増税が必要だ。(彼のポリシーには反するが。)
 ※ なお、増税をしないで歳出削減ばかりをやると、昨今のように政府解体という暴挙をやるようになる。国家崩壊に近いね。

 ※ 増税をすると、「いっぱい働かされて生活が苦しくなる」というふうになるが、それこそがまさしく「貿易黒字」の本質だ。いっぱい働いて金を稼ぐが、自分の物を買うことはできない。それが「貿易黒字」なんだよ。逆に、働かないで金を借りて浪費を続けるというのが「貿易赤字」だ。それが良くないというのなら、倹約して質素に暮らせ。

posted by 管理人 at 23:38 | Comment(3) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たしかに米国の貿易赤字は巨額で、しかも最近急激に増えています。米国は敵である中国に巨大な借金をしているばかりか生活全般を中国に依存している状況です。
 私は経済音痴なのですが米国が金利を下げると、外国からの投資が少なくなるとともに、米国人はますます借金をするようになるような気がします。
 金を貸しているはずの日本や中国の国民が貧乏なのに、借金している米国民がはるかに豊かな生活をしているのが本当の不公平でしょう。
 この数十年米国の大学(院)では理工系の人気がありません。ですからいくら高関税で米国製造業を再活性化させようとしても、支える人材がいないように思います。EU,日本、韓国企業が米国に工場を作り、高い関税で守られた高コスト製品を作ることになるのでしょう。
 それで米国は衰退するか?そんなことはないと思います。工業技術者はいませんがITやAIのおかげで従来の知的労働者はほとんど不要。食料やエネルギーは有り余っています。住宅や道路など社会インフラもまだまだ使えます。
 アジアの労働者よりも米国の失業者の方が良い生活をする時代はまだまだ続きそうです。
Posted by ひまなので at 2025年04月03日 11:46
> 米国が金利を下げると、外国からの投資が少なくなるとともに、米国人はますます借金をするようになる

 外国からの投資が少なくなるのは、その通り。投資というのは融資のことだから、貸す金が減るのは狙い通り。借金をやめろ。

 米国人はますます借金をするようになることはありません。借金を従っても、貸し手が貸してくれません。
 日本でも借り手が「いっぱい借りたいから、金利を下げろ」と要求することはできますが、貸し手が「金利を下げるなら金を貸さないよ」と手を引くので、結局、借金は減ります。
 ドルの金利が下がれば、外国から米国に流入する金は減ります。
Posted by 管理人 at 2025年04月03日 11:55
これはちょっとすごい話です。
昨日今日と株がバカ下がりして大騒ぎです。
米の貿易赤字を減らして貿易収支を均衡させるなら、ドル安にすればいいんですね。ドルが安ければ輸入品はドルに変える時にバカ高くなります。一方輸出は強くなります。
関税など関係ないですね。

逆に言えば円安を円高にせよと米国が鬼のように迫ってくる可能性がありますね。そういえば森永さんが生前言っていましたが、購買力平価は1ドル110円程度だとか・・。それを思えば円はバカ安ですね。

Posted by SM at 2025年04月04日 20:43
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