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電子マネーは現金ではないから、お金ではない。……そんなことはあるのだろうか?
警察の方針を見ると、そんなに甘いことはない。つまり、「電子マネーはお金である」という厳しい方針で、犯罪者を逮捕している。たとえば、なりすまし詐欺では、被害者に電子マネーを購入させてから、送金させることが多いが、この手の行為は犯罪となる。
電子マネーは現金ではないから、お金ではない。……そんなことはない、というのが常識だ。
ところが、日本の首相は違うようだ。石破首相は言う。
「商品券はお金ではない。だから、商品券を配っても、お金を配ったことにはならない。ゆえに、お金を渡してはいけないという法律に反しない」
この屁理屈が成立するなら、次のことも成立するはずだ。
「電子マネーはお金ではない。だから、電子マネーを配っても、お金を配ったことにはならない。ゆえに、お金を渡してはいけないという法律に反しない」
したがって今後は、商品券のかわりに、他の金券を使ってもいいことになる。Suica, Pasmo, Amazon point, WAON POINT, Ponta, Edy などの電子マネーの金券を使ってもいいことになる。あるいは、カードなしでアプリで送金してもいいことになる。ペイ払いで送金してもいいことになる。現金でなければ、電子マネーでも「お金ではない」ということで、買収などのやり放題となりそうだ。
「いや、商品券はいいが、電子マネーはダメだ」
という主張もありそうだが、それはおかしい。Amazon point はまさしく商品券そのものだからだ。これが商品券と同列にならないのはおかしい。また、WAON POINT, Ponta も同様だろう。
石破首相の主張はいかにも苦しいが、ネットには同調する声もある。
『商品券』は現金ではないため、それをそのまま政治活動に活用することが期待されているわけではないとも考えられます。
本件が客観的に直ちに政治資金規正法違反と断じることは難しく、石破首相の行為は、政治資金規正法の『寄附の禁止』に抵触するものではなく直ちに違法とまでは言えないという意味で、ひとまず『合法』ということになります。
( → 石破首相の「商品券プレゼント」は“合法だが不適切”? “法的問題”を元議員秘書の弁護士が解説 | 弁護士JPニュース )
「直ちに違法とまでは言えないという意味で、ひとまず『合法』ということになります」
だってさ。それだったら、なりすまし詐欺でも何でも、電子マネーを使えば犯罪を免れる。また、選挙区で買収するときも、現金のかわりに商品券や電子マネーカードを使えば、ひとまず合法となる。犯罪天国だ。

- ※ 実は「寄付となるのは現金だけに限られる」というような規定はない。物品だって、寄付になる。「現金でなければセーフ」というのは、詭弁も甚だしい。
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だいたい、野党もマスコミも、問題の追及の仕方を間違えている。
「首相が商品券を配ったのは合法か?」
と問えば、首相は「合法だ」「違法ではない」と答えるに決まっている。そんなことでは論戦にはならない。これじゃディベードで完敗だ。(すれ違いになるからだ。)
では、どう追及するべきか? こうだ。
「政治活動において商品券や電子マネーを渡すのは合法か? これからもずっと許されるのか? なりすまし詐欺の犯人が商品券や電子マネーを盗むのは合法か?」
これで首相は返答に窮する。
・ 違法だ、と答えれば、自分自身もまた有罪だ。
・ 合法だ、と答えれば、自分は無罪だが、他の犯罪者も無罪だ。
前者ならば、石破は有罪となる。(逮捕される)
後者ならば、石破は首相失格となる。(辞任必須)
さあ、どっちだ?
【 追記 】
違法か合法か? その質問を、警察庁長官に向けるといいだろう。その方がいっそう効果的だ。
・ 違法だ、と答えれば、首相が逮捕される。
・ 合法だ、と答えれば、大量の犯罪が合法化されて、社会が崩壊。
さあ。首相の権威を守るか? それとも社会秩序(日本全体)を守るか。その二者択一だ。
当然、日本全体よりも、首相一人を守るだろう。それが、警察の犬(警察庁長官)である。ワン。

こうして日本は犯罪者天国となる。日本を犯罪社会にすることこそが、警察庁長官の仕事なのだ。警察の役割は、犯罪を減らすことではなく、日本を犯罪社会にすることなのだ。
なぜなら、何よりも大切なのは、(社会でなく)最高権力者の権威を守ることだからだ。日本全体よりも、たった1人の権力者を守ることが、何より優先される。……その意味では、日本もトランプ支配やプーチン支配と同様だ。独裁天国。(安倍時代からの伝統。)
犯罪性があるか否か、という話。
その上で、電子計算機詐欺罪が適用されることもあるだろうが、別に、本項の話と矛盾するわけじゃない。それはそれで成立する。
つまり、話は別だ。
では寄付の場合はどうなるかは正直わかりませんが。