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原因は たき火
原因を「自然発火の山火事」と報じる記事もあるが、これは誤りである。
そのことは時系列を見ればわかる。
→ 大船渡市山林火災 - Wikipedia
最初の山火事は 19日。これは自然発火だったが、26日には鎮火した。この時点で済んでいれば、何事もなかった。山火事は市街地の東部にあり、市街地には何ら影響はなかった。(風は西風だった。)
26日に再発火した。岩手県大船渡市赤崎町合足の合足漁協近くの建物付近で火災が発生した。これは市街地の西部だったので、西風に乗って、瞬く間に市街地に広がった。かくて市街地に大火災が起こった。3月5日まで延々と火災が拡大した。5日に雨が降って、ようやく収まってきた。9日になって、ようやく鎮火した。
以上からわかるだろう。
・ 1回目は自然発火だったが、これは1週間で鎮火した。
・ 2回目はそれとは別の火災で、これが大火事となった。
両者は別々なのだ。
では、2回目の火事は、何が理由か?
街中で火がおこったのだから、自然発火だとは考えにくい。人的理由がありがちだ。特に、この日は風が強かったので、最も疑われるのは、たき火だ。
実際、たき火が理由の火災はとても多いのだ。
林野庁によると、平成30年から令和4年に発生した林野火災の原因別割合は「たき火」が32.5%で最多。野外での焼却などは法令で禁じられているが、武田氏によると、「一部地域では昔からの習慣で許可なく火を入れている人が少なくない」のが実情だという。
( → 各地で相次ぐ山林火災 多くは「たき火」が原因 専門家「火の扱いに細心の注意を」 - 産経ニュース )
武田充弘さんによると、山林火災はほとんどの場合、「人的要因」が原因であることを指摘する。
特に問題なのが「たき火」だ。
廃棄物処理法が改正されて以来、たき火やゴミ焼きは原則禁止されている。しかし、「昔からの習慣」と、違法とは知りつつ、続けている人は少なくないのだ。
各地で発生した大規模場山林火災が報じられてもなお、野焼きやゴミ焼をする人は絶えない。
「『自分は大丈夫』と思ってしまうんですよ。しっかり火の管理している、見張ってる、拡大することはないし、いつも消火する準備ができている――。そう過信していることが火災の危険性を高めます」
( → 《岩手・大船渡市》注意されても「たき火」辞めない人がいる限り「山林火災は日本全国どこでも発生する」専門家が解説(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社 )
Feloの回答
2017年5月、宮城県栗原市で発生した山林火災も、たき火が原因とされました。
2024年1月13日には、ある男性が所有地で雑草などを焼いた際に不始末があり、陀峯山の山林などに火が燃え広がる大規模火災が発生しました。
2024年1月には、広島県江田島市でたき火の不始末により、民有林242.6ヘクタールが焼損する山火事が発生しました。
実は、焚き火は昔はよくあった。
かきねの かきねの 曲がり角
たき火だ たき火だ 落ち葉たき
しかし、このころの火災発生件数は、とんでもないほど多かった。毎年やたらと大量の火事が起こっていた。(耐火建築がほとんどなくて、貧弱な木造建築ばかりだったせいもある。)
山火事の件数では、こうだ。(林野庁)
昭和22年以降の林野火災発生件数の推移

近年は山火事が大幅に減ってきていることがわかる。人々の防火意識が改善しているからだろう。特に、たき火は激減しているようだ。
ただし、それでもまだ、一部の人はたき火をしている。なぜなら、たき火は現行制度では、違法ではないからだ。(原則では禁止だが、小規模なものは例外扱いとなる。「やめろ」と言われても、やめずにいることが可能なのだ。)
とはいえ、わがままな たき火のせいで、街全体が燃えてしまうこともある。それも、「ついうっかり」の過失ではなく、意図的な着火のせいで、だ。ほとんどテロに近い。大船渡の大火事は、「テロ活動を許容している法制度のせいだ」と言ってもいいだろう。(比喩的には。)
つまり、現行制度の法的欠陥のせいで、大船渡の大火事は起こったのである。これが真相だ。(たぶん。)
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そこで、提言しよう。
・ たき火を完全に禁止するべきだ。例外なしに。
・ 罰則は厳罰化するべきだ。放火(懲役1〜10年)に準じる。
・ たき火は悪だ、と啓蒙する。
・ たき火を見つけたら 119番、と大宣伝する。子供や大人に。
・ 119番を受けたら、消防署は消防車を出動させて、たき火に放水する。
・ 消防車の出動費として、30万円を犯人に請求する。
・ 犯人を逮捕して、数年間の懲役刑に処する。(執行猶予?)
「何を大げさな」と呆れる人が多いだろうが、実際、たき火のせいで大被害が生じた事例がある。下記にその例を示す。 【 動画あり 】
→ 国の重要文化財の屋根が焼け落ちた火災 住人が”注意し続けた”近所の『たき火』が原因か
一部抜粋しよう。
この場所でのたき火は初めてではありませんでした。
たき火をしていたのは近所の人で、注意をしてもやめなかったといいます。中さんは行政にも相談し、職員が直接やめるよう伝えていました。
「(過去2年間で)20回くらいはやっていたと思います。そのつど注意したり、『困るからやめてほしい』とか『もうちょっと小さな火にしてほしい』とか、消防からも言っていただいたり…。それで、なおかつ燃やしてたんですよね」
たき火をやめろ、と何度言っても、言うことを聞かない。そのあげく、大被害が生じた。
奈良県安堵町で住宅火災が発生。消防車など19台が出動しましたが、住宅のかやぶき屋根など約60平方メートルが焼けました。
火災が起きたのは、江戸時代初期の1659年に建てられた「中家(なかけ)住宅」。武士が住んでいた屋敷の姿をそのまま残す貴重な建造物として国の重要文化財に指定され、地元住民らに親しまれてきました。
中家住宅には、先祖代々受け継がれてきた貴重な骨董品も数多くありました。例えば、400年前につけられ、“日本一古い”という梅干し。焼け落ちた天井の瓦が当たり、壺ごと破損しました。屋敷には吉田兼好らが書いたとされる貴重な屏風もありましたが…
これほどの被害は、巨大テロと言ってもいいだろう。そして、それを許すのが、現行の法制度なのだ。
※ ちなみに、岸田首相のそばで小さな爆弾を爆発させた犯人は、「殺人未遂」として重罰に処される可能性がある。一方、たき火で多大な家屋を燃やし尽くし、火事で死者1名を生じさせた犯人は、処罰されることもなく、放置される。「一人を殺そうとして失敗した人は重罰で処されるが、大勢を殺そうとして実際に1名を殺した人は無罪だ」という皮肉が成立する。
切り倒してから消火剤
さて。それとは別の話題。市街地でなく山林の山火事が延々と続いた。ロサンゼルスの山火事のような山火事が、日本でも起こったのだ。それに対して、なすすべもなく、山火事は拡大したようだ。結局、何もかも燃え尽きて、海岸線に達したところで、燃え方が止まったらしい。山火事が収まったのではなく、山がすべて燃えてしまったので、燃え尽きただけだと言えるようだ。
まったく、なすすべがないようだ。困った。何とかならないか?
そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
「こういうときには、山林の樹木を伐採するのが常道である。そこが防火帯となって延焼を防ぐ効果が生じるからだ。これを原則とした上で、伐採した樹木の上から、消火剤をかけるといい。そうすれば、倒れた樹木に消火剤がかかるので、倒れた樹木が燃え上がらない。その分、防火帯としての効果が高まる」
つまり、「伐採」という既存案に対して、「消火剤」を足して、「伐採 + 消火剤」という案にする。これで、「防火帯」としての効果を高める。
こうすれば延焼を防ぐ効果が生じるだろう。
※ 伐採しないまま消火剤をかけても、あまり効果がない。空中に立っている樹木は燃えやすい。消火剤がいくらかかかっても、表面の 100%が被覆されているわけではないので、燃えやすい。
※ 伐採してから消火剤をかければ、効果が高まる。倒れた樹木の下は地面なので、樹木が火に触れる面積が半減する。火は上に燃え上がるが、地面は下にあるので、火は、地面に倒れている樹木に届かない。そういう効果も生じる。樹木の上に消火剤がかかっていれば、なおさら大きな効果が生じる。
※ 「伐採 + 消火剤」の効果で、延焼する率を大幅に下げることが可能だ。単に水を撒くよりもはるかに効果が高い。
※ 自衛隊はヘリコプターで水を放水していたが、これは文字通り、「焼け石に水」に近い。莫大な山火事に、バケツで水をすくって放水しても、ほとんど効果はないのだ。ほとんどが燃え尽きたころなら、火勢が衰えるので、そのころにはいくらか効果はあるだろうが、ほとんど「手遅れ」に近い。
[ 付記 ]
消火剤の主成分は、塩である。そのことから、森林への塩害を心配する人もいるだろうが、ちゃんと対策すれば大丈夫であるようだ。
Perplexity の回答
消火活動後の塩害対策として:
・ 除塩作業:必要に応じて、散水や排水などの除塩作業を行うことで、塩分濃度を下げることができます。
・ 自然回復:海岸近くの植物は塩分に強い種が生き残っているため、ある程度の自然回復が期待できます。
結論として、適切な消火剤の選択と使用、そして必要に応じた事後対策を行うことで、消火活動による塩害の影響を最小限に抑えることが可能です。ただし、火災による被害を防ぐことが最優先であり、消火活動自体の重要性は変わりません。
非常に不思議なのは昭和35年以前はずいぶん少ないことです。昔は山林の管理が良かったからでしょうか。
日本でマツタケが採れなくなったのもプロパンガスの普及により下草を燃料として使わなくなってきたことが原因みたいですし。