トランプの攻勢に対する日本の対抗措置。
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日本の対抗措置としての案をいくつか列挙する。前項で述べた「報復関税」以外にも、いくつかの方法が考えられる。これらを手持ちのカードとして、ディールをすればいい。(持ち札がないと、一方的に押し切られる。)
【 案1 】 武器購入停止
日本は米国から、兆円規模の武器購入をしているが、今後はそれを縮小・延期する、と通告する。既存の契約の分は支払うが、それ以外の計画を大幅に縮小する。防衛費は増やしても、米国からの購入額を激減させる。(国産率を高める。)
※ その逆の方針もある。「日欧が武器購入」という方針だ。米国製の武器を日欧が購入してウクライナに与える、という方針だ。先に述べたとおり。
→ トランプとウクライナ .4: Open ブログ
※ この二つの方針(逆の方針)を示して、アメとムチのように見せかけて、交渉で有利に立つ。
【 案2 】 安保の部分停止
「日米安保は日本ばかりが守ってもらって片務的だ」
とトランプは文句を言っている。
→ トランプと日本 .1: Open ブログ
ならば、それに乗じて、米国の義務を軽減させてあげればいい。
「米国の在日米軍の活動をほぼ半減させる」
具体的には、次のようにする。
「沖縄の基地はそのままにするが、本土の基地は激減させる。特に、首都圏の航空基地はすべて撤廃する」
具体的には、次の基地が対象となる。
「横田・座間・厚木・横須賀」
最後の横須賀はともかく、横田・座間・厚木の各基地は返還してもらう。横田空域も返還してもらう。米国人には出ていってもらう。
当然ながら、日本政府が米国に払う金もほぼ半減させることになる。
こうすれば、「日本を守ってやる」と威張る度合いも半分になるのだから、トランプとしても文句は言えまい。「米国大統領のご希望の通りにしているだけですよ」と告げればいいのだ。
※ 要するに、「文句があるなら、出ていけ」ということだ。
※ 横田・座間・厚木の各基地は、返還したあとも、そのまま残しておく。いざとなったら再利用できるようにする。そのための保安要員も若干、残しておく。「機能廃止」ではなく「機能停止」状態に留めておく。……これなら、基地による被害はなく、かつ、戦争が起こったら元に復活できる。(もっとも、前線でもない首都圏に基地を置く必要はないが。)
【 案3 】 T-4 後継機の開発停止
T-4 後継機について、日米は「共同開発する」という方針を出したばかりだ。
これを撤回するといいだろう。(白紙化する。)
かわりに、T-4 後継機は、「日英共同開発の戦闘機」とセットで開発するといい。どうせ戦闘機を共同開発するのだから、それといっしょに似たものを開発すれば、コスパで優れているはずだ。(それぞれをバラバラに開発すると、開発費が二重化するので、無駄になる。)
T-4 後継機は、「日英共同開発の戦闘機」のスペックを下げたものにすれば、低コストで高性能のものができそうだ。
現行機は、ブルーインパルスなどに使われている機体だが、コストは 22億円と格安である。その理由は、スペックが低いことだ。だから日本独自の飛行機なのに、格安で作れる。
ここで、日本独自でなく、「日英共同開発の戦闘機」といっしょに開発すれば、スペックを下げた機体を格安で作ることができるだろう。
特に重要なのは、次のことだ。
「ただの練習機にするだけでなく、爆撃能力を搭載することで、実戦で爆撃機として使用することができる」
これは次のことを意味する。
「格安なので、ステルス性能も戦闘性能も貧弱だが、その点は随伴する戦闘機にカバーしてもらえばいい。戦闘機のような対戦能力は不要である。かわりに(重たい爆弾の)爆弾搭載能力だけがあればいい。その点では、現行の F-2 に似た役割だ。遠距離から、大型の長距離ミサイルを発射する能力があればいい。したがって、本機は F-2後継機 を兼ねる」
大切な機能は、大きな翼による、重たい爆弾の搭載能力だけだ。その意味で、輸送機や爆撃機に近い性格だ。しかも、練習機と兼用なので、一石二鳥ないし一人二役みたいな仕事をする。その分、設置後もコスパがいい。普段は練習機と活動しているが、いざ戦争になったら、爆撃機に転用できるのだ。(現行の T-4 は、練習機専用なので、爆撃機にはならない。ブルーインパルスになって煙幕を見せることぐらいしか能がない。)
仮に1機 40億円だとしても、普段は練習機に使って、いざとなったら爆撃機になるのなら、コスパは抜群だろう。
しかも、開発費は格安である。なぜなら、ステルス性はないし、エンジンも貧弱だし、ろくに速度も出ないからだ。(かわりに、翼は大きくて、大型爆弾や長距離ミサイルを搭載する能力だけはある。)
こういうものを、日英で開発すればいいのだ。米国を蚊帳の外にして。(もともとそれが最善なのだから、トランプの方針を「これ幸い」として、すでになした日米共同開発の方針を、ホゴにしてしまえばいいのだ。通常は、そんなことは信義にもとるからできないのだが、今回、米国が先に日本を裏切ったのだから、これ幸いとばかり、日本も米国を裏切ればいいのだ。
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ちなみに F-2 は当初予定価格から異常に価格が高騰した。その理由は二つある。
(1) 米政府が約束した飛行制御プログラムの開示を行わなかった。米政府が嘘をついて、約束をホゴにした。(出典)
(2) 米国がライセンス料として1機あたり約47億円を取った。(出典)
米国が約束違反の詐欺行為をして金をむしり取ったわけだ。日本はカモにされたわけである。こういう馬鹿なカモからは、二度三度とだまして金を取ってやれ、と思うのが常識だろう。それにだまされるのが、安倍や石破だ。何度でもだまされて大金を奪われる。(自分の金でなく、日本国民の金だから、気にしない。)
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※ なお、T-4 後継機では、カナード(前方の小翼)をつけてもいいだろう。これがあると、運動性能の向上が見込める。(カナードは、ステルス機だと付けられないが、ステルス性がないなら、付けても構わない。)
【 案4 】 日独の核武装
「他国は軍事費の支出が少なすぎる」とトランプは文句を言っている。
よろしい。それならそれで、トランプの言葉に乗じて、日独は核武装すればいいのだ。年間1兆円の対米拠出(在日米軍費用の提供)をやめて、その1兆円を核開発に転用すればいいのだ。
まずは、高濃度のウラン濃縮をするといいだろう。(遠心分離機で。)
同時に、固体燃料ミサイルの開発もするといいだろう。こちらは最近、開発が難航しているようだが。
→ 固体ロケットは大丈夫か イプシロンにカイロス、官民で爆発5回続く:朝日新聞
核武装というのは、別に今すぐ実施はしなくてもいい。かわりに、実施するための準備を、すぐにも進めるといいだろう。それで、ブラフのカードにすることができる。「日本も核武装するぞ」と見せかけて、ビビらせる。
それでトランプがビビればいいが、もしビビらなければ、まさしく実施すればいい。「どうせ日本は実施しないさ」となめてかかってくるなら、それに乗じて、まさしく実施してしまえばいいのだ。
※ 日本が核武装するのは、核兵器で世界侵略するためでもないし、北朝鮮に核戦力で対抗するためでもない。(おたがいに核攻撃するためでもない。)……では何かというと、「おたがいに廃止しましょう」という形で、核廃止を実行するためである。核廃止を実行するためには、まずは核戦力を持つことが必要なのである。それが手持ちのカードとなる。そうしてこそ、「おたがいに廃止しましょう」という形が実現する。一方、「オレは特に何もしないが、おまえだけが一方的に削減しろ」と要求しても、相手は絶対に聞き入れないのだ。(それがわからずに要求する平和論者が多い。「交渉とは何か」をまったく理解できないわけだ。一方的に要求するだけのジャイアニズム。平和主義的なジャイアニズム。根性はトランプとそっくりだ。)
[ 付記 ]
トランプの話題とは関係ないが、軍事の話題で、ドローンの話をしよう。
昔の戦争では戦車が有効だったが、今の戦争ではドローンが有効だ。ウクライナのドローンはすでにロシアの戦車のほとんどを破壊した。残っているのは大昔のポンコツだけらしい。ロシアの戦車能力は実質的に壊滅した。
それでもまだロシアの地上戦力は多大に残っている。そこでウクライナのドローンはまだまだ活躍の余地がある。
そこで情報を二つ。
(1) 生産国
ウクライナのドローンはどこで生産しているか? 大部分は国内生産であるようだ。ただし部品は外国製だ。主として中国の部品を使っている。ただし最近は中国が輸出規制に転じたので、欧州やインドの部品を使おうとしているそうだ。しかし量的に不足気味らしい。ここで日本が提供してもいいだろう。(武器転用が可能でも民生品の扱いで。というか、いったん販売してしまえば、民生品市場でウクライナが買っても、日本政府は口出しできない。)
ちなみに、カメラは民生品の一眼レフ用カメラがロシア機に使われた実績がある。(キヤノン製。ロゴ入り。)
ただし最近のカメラは、軽量のスマホ用のカメラとレンズがあるから、一眼レフ用のシステムは不要かもね。スマホを搭載したドローンができそうだ。

(2) ドローン運搬機
ドローンには、航続距離が短い、という致命的な難点がある。そこで、この難点を解消するために、ドローン運搬機というものが開発された。(親亀の上に子亀を載せるような方式。)
AIによる解説。
「ドローン運搬機は、複数のドローンを搭載し、長距離のミッションを実行するために設計されています。この技術により、ドローンの航続距離を大幅に延ばすことが可能になります」
「2024年11月25日、ウクライナ政府は「空中ドローン空母」と呼ばれる新しい無人航空機システムを公開しました」
すでにウクライナが開発済みである。これが世界の最先端である。
一方、日本は後れているようだ。ドローン運搬機を開発する、という動きは見られない。
仮に戦争になったとしよう。中国がドローン運搬機を使って、日本がドローン運搬機を使わなければ、中国ばかりが攻撃できて、日本は攻撃できない。だから、日本が一方的にボロ負けすることになる。
※ 日本は何十年も前(レーガン時代)の、古臭い「ミサイル防衛システム」なんていうものを構築しようとしている。これに兆円規模の金を投じる予定だ。しかし、最新型のドローンには対抗できない。敵は無数のドローンで攻撃してくるのに、日本のミサイル防衛システムはまったく無力である。1機 30万円のドローンを撃ち落とすために、1発 30億円のミサイルを使うのでは、圧倒的な無駄になるからだ。ドローンが 10万機ぐらい押し寄せてくるのに、ミサイル防衛網でミサイルを 100発だけ発射しても、何の効果もない。……こうして日本は古臭い兵器によって敗北する。「戦艦大和の失敗の再来」と呼ばれるだろう。「大艦巨砲主義の失敗 ver. 2 」