2025年03月07日

◆ トランプとウクライナ .4

 ( 前項 の続き )。
 前項では「一時停戦」という案を出したが、本項ではさらに別案を出す。

 ──

 以下では二つの別案を出す

 【 案1 】 日欧が武器購入


 トランプがウクライナに武器供与を渋るのは、金をケチっているからである。
 ならば、この点を解消すればいい。日欧が金を出せばいい。
 一案は、こうだ。
 「日欧が金を出して、米国の武器を購入して、ウクライナに渡す」
 ただしこれは、武器供与の形になるので、ロシアが文句を言いそうだ。「ロシアへの宣戦布告と見なす」と言い出しかねない。そこでかわりに、こうする。
 「日欧が金を出して、ウクライナに渡す。その金で、ウクライナが米国の武器を購入する」
 この場合、米国はお金の出費がないのだから、トランプとしては文句の付けようがない。それどころか、米国の武器が売れるのだから、大喜びだ。「欧州や日本への関税 25% を免除する」と言い出しそうなので、一石二鳥となる。ウクライナ問題と関税問題が、一挙に解決する。

 日欧としても、悪い話ではない。トランプが「防衛費を GDP の 3% を出せ。日本は防衛費を3倍増にしろ」と言い出している。そこで、自国のために防衛費を出すのではなく、ウクライナのために防衛費を出す。自国の武器を増やすのではなく、ウクライナの武器を増やす。
 これは一見、無駄に思える。だが、そうではない。ウクライナ軍を通じて、ロシア軍を壊滅させることができる。たとえば、すでにロシア軍の戦車を壊滅させた。こういうふうにすれば、自国の防衛費を増やすよりも、かえって有効だろう。
 日本だって、下手に戦車を量産するよりは、ウクライナ軍のドローンによってロシアの戦車を壊滅してもらう方が、はるかに有効なのだ。10式戦車を配備するために巨額の金を投じるより、ウクライナにドローン購入費を送る方が、有効なのだ。
 ※ 10式戦車の価格は安い。1両1億円で、100両配備なので、総額で 100億円にしかならない。1両10億円ほどなので、総額で 1000億円ほどとなる。(本年はさらに 10両追加の予定。)

 ──

 なお、金額については、過去記事を参照。
  → トランプ大統領の暴走: Open ブログ
 ここから再掲すると、こうなる。
 ウクライナへの戦時援助を詳細に追跡しているドイツのシンクタンク、キール世界経済研究所によると、昨年12月までの欧州連合(EU)と欧州各国が戦時下のウクライナに提供した支援総額は約2580億ドルで、米国の約1240億ドルよりもはるかに多かった。
 また、欧州が軍事、財政、人道援助に配分した金額は約1380億ドルで、約1190億ドルだった米国を上回っている。
 軍事援助に限れば、米国は約670億ドルで、欧州の約650億ドルをわずかに上回っているが、それでもトランプ氏が述べた差にはほど遠い。
( → 米国のウクライナ支援額は「欧州より多い」 トランプ氏が再び誤った主張 - CNN.co.jp

 米国も欧州も、これまで約 10兆円の武器を供与してきた。そうわかる。
 さて。今後は米国は金を払いたくないという。ならば、米国の分を日本と欧州で負担すればいい。過去3年間で米国は 10兆円を払ったのだから、今後は 5兆円だとして、その5兆円を日欧で負担すればいい。5兆円をウクライナに渡して、5兆円の武器を米国から購入するわけだ。
 日欧としては、合計で5兆円もの余分な負担が必要となる。だが、防衛費の上積みを要求されないのだから、その分でまかなえばいいだろう。自国の防衛費を積み増すかわりに、ウクライナに金を出すわけだ。どっちみち出費の額は同じだ。
 なお、金を出して米国製の武器を購入してやるのだから、今後はトランプにでかい顔をさせないことができる。トランプが「関税 25%」などと言い出したら、「だったら米国の武器を 5兆円も買ってあげる約束を反故にするぞ」とブラフをかければいい。これでトランプもおとなしくなる。
 日本はどうか? ウクライナに1兆円を出すが、かわりに、米国の在日米軍への支援(毎年1兆円)を、1年分に限って、抹消すればいい。「米国は日本を守ってくれないとトランプが言ったので、だったら日本はもう金を拠出しない」と言えばいいのだ。これで1年分、駄々をこねる。1年たったら、「では翌年からは拠出を復活させます」と言って、喜ばせればいい。結果的には、1年分だけ拠出を減らせるので、1兆円が浮く。それをウクライナに回せばいい。これで帳尻が合う。

 【 案2 】 米国に領土譲渡


 ウクライナ東部を、ロシアに与えるかわりに、米国に与えるといい。
 トランプは「ウクライナ領をロシアに与えろ。それで停戦しろ」と言って、言うことを聞かない。(本日報道)
 しかし、領土をロシアに与えるくらいなら、領土を米国に与えればいいのだ。

 なぜか? 次の差だ。
  ・ ロシアに与えれば、領土は永久に戻ってこない。
  ・ 米国に与えれば、領土はトランプ退陣後に戻ってくる。

 後者のようになるわけは? まともな大統領なら、領土を戻すはずだからだ。すぐには戻さなくても、長期的には戻すはずだ。
 そもそもバイデンや欧州は無料で武器を大量に与えた。奪うどころか与えた。それが常識というものだ。なのに、米国がウクライナの領土を奪うなんて、米国がロシアのような侵略者になるのと同じだ。まともな人間の考えることじゃない。
 ウクライナ領を与えると言われて、トランプならばそれをホイホイと受け取るだろうが、まともな人が大統領になれば、あっさりと領土を返還するだろう。

 だから、現時点で米国に領土を与えても、何も問題はないのだ。単にトランプを喜ばせておけば、それでいいのだ。


ukraine-jiji.jpg
出典:時事通信


 なお、米国に領土を譲渡したあとでは、米国は自動的に、自国領土を守る義務が生じる。自力でロシア軍を一掃する必要がある。米軍を本土から大量に派遣して、ロシア軍と正面衝突して、ロシア軍と全面対決する必要がある。
( ※ 自国領土を侵略されているのだから、当然だ。)

 こうして問題は一挙に解決する。トランプ時代に米国とロシアが(上の赤色地域に限定して)戦争をして、トランプ退陣後に領土問題を解決すれば(領土を返還すれば)、すべては丸く収まる。

( ※ トランプを罠にかけるわけだ。これぞ うまい方法だ。)




 【 関連情報 】

 日本の寄与の額についての情報。

Feloの回答
 日本のウクライナ支援は、主に財政融資を中心に構成されており、贈与は比較的少ないという特徴があります。具体的には、以下のような支援が行われています。
 財政融資: 日本は、ウクライナに対して約121億ドル(約1兆7000億円)の支援を行っており、その多くは財政融資として提供されています。この支援には、世界銀行への信用補完を通じた融資が含まれ、約50億ドルが融資として提供されています。
 贈与: 日本の贈与は、全体の支援額に対して比較的少なく、約1億ドル程度とされています。これは、主に人道支援や緊急支援に充てられています。 このように、日本のウクライナ支援は、財政融資が中心であり、贈与は限定的です。

 トランプを批判できる立場じゃないね。日本人はまずは自国を恥じるべきだ。
 
 ちなみに、2025年予算では、所得税減税があり、そのための費用が 6580億円である。国民が「減税を1年間だけ我慢します。その金をウクライナに送ってください」と言えば、その金でウクライナが武器を買える。2年なら1.3兆円。3年なら2兆円。
 私だったらそういう政策を支持するが、いやしいケチな国民は国民民主を支持する。ひどいものだ。(トランプを「卑しい」と批判できる立場じゃない。「オマエモナー」と言われて、ブーメランを受けるだけだ。)



 【 関連サイト 】
 ただの融資を贈与のように勘違いしてデータをまとめるサイトもある。
  → Visualizing the 10 Largest Donors of Aid to Ukraine (2022-2024)

posted by 管理人 at 22:59 | Comment(3) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
韓国はポーランドに大量の戦車や軽戦闘機を輸出し始めています。ロシアや北を刺激しないように間接的ではありますが、仰せの説の説のような方向で動いているようです。
Posted by ひまなので at 2025年03月08日 09:21
「10式戦車が1両1億円」はおかしいと思います。
ちょっとググっただけですが、10億円以上しているようです。
Posted by 案山子 at 2025年03月08日 10:01
> 10式戦車……10億円

 ご指摘ありがとうございます。本文を修正しました。(出典とした Feloの回答 が間違っていたようだ。)
Posted by 管理人 at 2025年03月08日 14:11
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