2025年03月04日

◆ トランプとウクライナ .1

 トランプ大統領がウクライナ軍事支援の停止を決めた。

 ──

 (1) 報道

 報道は次の通り。
  → トランプ大統領、ウクライナ軍事支援の一時停止を指示:朝日新聞
  → トランプ氏、対ウクライナ軍事支援を一時停止 首脳会談の衝突受け | ロイター

 永続的でなく一時停止ということだが、再開条件が「ウクライナの対露降伏」も同然なので、ウクライナは呑むことができない。これは事実上、「ウクライナをロシアにくれてやる」と宣言するのに等しい。

 これを聞いて、人々は大混乱になっているようだ。「狂気的だ」「ロシアのスパイだな」というふうに評する人も多い。
  → はてなブックマーク

 世間はトランプのやっていることを、とうてい理解できないようだ。

 (2) 予想

 世間は理解できないようだが、私はちゃんと理解できている。実はこの方針をすでに前項で予想していた。再掲しよう。
 基本的には、トランプはウクライナ支援をやめるだろう。すでに 18兆円を出しており、これ以上の支出をいやがっているからだ。
 となると、このあとは状況は悪化するばかりだと言えそうだ。
( → トランプ大統領の暴走: Open ブログ

 赤字で強調している。「トランプはウクライナ支援をやめるだろう」と。こう予想してから一日もたたずに、予想通りになったわけだ。何もかも予想通りだったのである。(ちょっと早すぎるきらいもあるが。)

 (3) 原理

 ではなぜ、私は予想できたか? トランプの行動の原理は、ただ一つのことで説明できるからである。こうだ。
 「過剰な強欲さ」
 トランプの狙いのすべては、何かを得ることである。通常は金を得たがるが、国家間では領土を得たがる。その中間的なものとして、地下資源を欲しがることもある。
 金や領土や地下資源。彼はひたすらそれらを狙う。マネーゲームのようだ。だが、ゲームのような遊び心でやっているのではない。ほとんど偏執狂のありさまだ。何らかの幸福を得るために金を得るというようなことはない。もはや金を得ることそれ自体が生きることの目的となっているも同然だ。生得的な強欲さとも言える。人格そのものが強欲さに凝り固まっている。
 こういう人物は、たまにいる。たとえば、クリスマス・キャロルの強欲な男がそうだ。スクルージという。
  → クリスマス・キャロル (小説) - Wikipedia

 ともあれ、このような強欲さが、トランプの行動原理だ。それですべては説明される。ウクライナをロシアにくれてやろうとするのも、その一環だ。
 常識的には、ウクライナをロシアにくれてやるのは、ロシアばかりが得をして、米国の安全保障には有害なので、とうてい認められない。
 しかしトランプはそう考えない。世界の平和などはどうでもいい。大事なのは自分の財布だけである。すると、ウクライナに軍事援助で 18兆円も無償供与したのは、とんでもない浪費だ、と見なせる。だからもう軍事援助をしたくない。金を出したくない。金を出さないせいでウクライナが奪われても、そんなことは知ったことではない。世界の平和などは知ったことではない。自分(アメリカ)の財布だけが大事なのだ。そのためにはウクライナへの軍事援助をしないことが何より大切なのだ。

 財務で言えば、コストカットである。日産自動車の内田社長と同じ方針だ。ホンダの社長が日産に要求したのと同じ方針だ。日産もホンダもトランプと同類なのである。「何よりも、コストカットが大切である。コストカットという目的のためには、自社が滅びても構わない」というふうに。(ホンダの場合は、自社でなく日産を解体・消滅させるつもりだが。それで日産を食いつぶして、経費削減をする。)

 ともあれ、トランプであれ、他の誰であれ、自分の財布だけが大切だ、というのは、どこでもよく見られることなのである。たとえ自分や他人の身を滅ぼすとしても、だ。

 ──

 ※ 日本でも国民民主の支持者はそういう発想だ。自分たちの利益を増やすために、高齢者と貧困者の富を奪いたがる。それが自分の親だとは気づかないまま。
   → 玉木 ≒ トランプ : Open ブログ
 

posted by 管理人 at 23:19 | Comment(0) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
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