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(4) 解決策は?
前項で述べたように、ホンダの新車開発は寄居というど田舎で行われている。そのせいで、優秀な人が来ない。だから、技術開発が遅れる。特に、EV の技術開発が遅れる。これが問題となる。
ちなみに、日産自動車だと、この問題はない。追浜工場で、研究と生産がともになされる。追浜は横浜のハズレみたいなところにあるので、湘南のあたりに住めばいい。そこで暮らしやすい生活ができる。
トヨタならば、豊田市に工場も研究所もある。まわりには田んぼが多くて、かなり田舎っぽいところなのだが、豊田市そのものはとりあえず都会っぽいし、大都会である名古屋も遠くない。豊田市に暮らせば、暮らしやすい生活ができる。
一方、ホンダの寄居工場に勤務すると、都会からは隔絶されて、ど田舎で暮らすことになる。
ホンダの寄居工場はあまりにも、ど田舎にありすぎる。この問題の解決策は? 残念ながら、ない。
仮に歴史を遡ることができるなら、寄居に工場を作るのをやめて、別の場所を選ぶべきだっただろう。その場所は、いくらでもあるが、特にお薦めできるのは、日産の村山工場の跡地と、座間工場の跡地だ。いずれも東京の近郊にあるので、周辺には膨大な都市人口がある。だから、人材の確保には、悩むことがない。いくらでも優秀な人員を採用できただろう。
だが、今さら歴史を遡ることはできない。もはや寄居工場から別の場所に移転することはできない。どこか近郊に新規工場を作ることはできない。それには莫大なコストがかかるので無理なのだ。
というわけで、解決策は、ない。うまい案があればいいのだが、どうしようもない。
(5) 日産と一体化
とはいえ、解決策がないからといって、そこで諦めてしまって、話がつまらない。解決策はなくても、何とかしたい。
では、何とかするとは、どうするのか? そこで、困ったときの Openブログ。何とかしよう。
たしかに、ホンダは自力では解決策がない。しかし、自力では無理でも、他力に頼れば、問題は解決可能となる。では、具体的には、どうする?
日産と一体化すればいいのだ。というか、ホンダは日産と合体して、日産に吸収されてしまえばいいのだ。具体的には、こうだ。
・ EV の技術開発は追浜に集約する。
・ ホンダの技術者は寄居から追浜に転勤して、追浜で研究する。
・ 追浜で技術開発したら、その技術をホンダの寄居工場に展開する。
こうしてホンダの技術者は日産に吸収される。ホンダの組織は消滅して、日産の組織だけが残る。ただしその組織の名称は、「ホンダ&日産」となる。(ただの「ホンダ」にしてもいい。名前は「ホンダ」で実態は「日産」だ。そういう組織だ。)
すると、どうなるか? ホンダの技術者は日産の組織に吸収されてしまうので、プライドがズタズタになるか? ふんまんやるかたないか? いや、その逆だ。

ホンダの技術者は追浜に転勤して、みんな「栄転だ」と喜ぶだろう。「ど田舎を脱出して、ハイセンスな横浜に暮らせる」と感じる。気候も、「冬に寒風の吹く北関東を抜け出して、温暖な湘南で暮らせる」と感じる。こうしてハッピーな都会生活を堪能できるようになる。
たとえば、藤沢あたりに住むと、こういう感じだ。
→ 神奈川県藤沢は魅力的な街だよ
ホンダの EV 開発が日産に吸収されてしまうというのは、これほどにも好ましい結果をもたらすのだ。ホンダは自力では解決策を見出せないが、日産と統合されれば解決策を得られるのだ。その意味で、ホンダにとって、日産との統合は、千載一遇のチャンスだったと言えるだろう。何しろ、日産のすべての工場を、実質的に手に入れることができるからだ。
※ ついでだが、追浜工場は、ギガプレスの導入にとっても有利である。寄居のような内陸部の奥まで巨大プレス機を運ぶは無理っぽい。ギガプレスの巨大プレス機を設置するには、港のそばの追浜が有利だ。その意味でも、EV の開発と生産は、追浜でやる方がいいのだ。