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(1) 埼玉の2拠点
トヨタと日産はどこにあるか? トヨタは愛知県豊田市の会社であり、日産は神奈川県横浜市近辺の会社だ。このことは誰もがよく知っている。サッカーもトヨタからできた名古屋グランパスと、日産からできた横浜マリノスがあり、広く知られている。
一方、ホンダがどこの県にあるかは、知っている人はろくにいないだろう。
「三重県の鈴鹿市じゃね?」
と思っている人も多そうだ。
実は、ホンダは埼玉県の企業である。元は静岡県浜松や、埼玉県狭山市の工場が主力だったが、21世紀になってからは埼玉県の寄居町が主力となった。(狭山工場は閉鎖された。)
他に、和光市にも研究所があり、ここが長らく新車開発の主力拠点となっていた。
寄居と和光が現状では主要な2拠点となっている。どちらも埼玉県にあるので、ホンダは埼玉県の企業だと言っていい。
「それで何が悪い。埼玉だからと言って馬鹿にするな」
と思うかもしれないが、実は、そこには問題がある。次のことだ。
「寄居と和光はあまりにも離れすぎている。距離はとても遠くて、高速道路を使って1時間もかかる」
これでは距離がありすぎて、2拠点の連携が難しくなるのだ。
(2) 現況
現況では、寄居と和光は開発業務を分担している。
・ ガソリン車の開発は、寄居と和光で
・ EV の開発は、寄居で
・ 先端技術の研究は、和光で
というふうにしているらしい。( Perplexity などによる。)
ホンダの新車開発は、長らく独自の方式を取っていた。「新車開発はホンダ研究所という独立組織が行い、それを生産するのがホンダ本体」というふうに分離した体制になっていた。しかるに、2020年4月に大規模な組織再編が行われ、4輪開発機能の大部分がホンダ本体へ移管・集約された。( → 出典 )
ここでいうホンダ本体とは何か? 青山のホンダ本社かとも思ったが、AIに質問したところ、そこは開発拠点ではないそうだ。開発拠点は寄居工場だという。
とはいえ、和光市でもかなり開発が行われているそうだ。Perplexity の回答はこうだ。
新車開発の最終段階におけるテストは、和光市の荒川河川敷にあるテストコースで行われていたことも確認されています。
2020年4月以降も、和光市には先進技術研究所、先進パワーユニット・エネルギー研究所、デザインセンターなどの研究開発施設が存在しており、ホンダの新車開発に関連する活動が継続して行われていると考えられます。
このように寄居と和光で新車開発は分担されているようだ。
とはいえ、EV についてはそうは行かない。EV の技術開発は、電池やモーターの技術開発というよりは、生産技術の技術開発である。そうなると、生産現場である工場に繰り出して、生産機械をいじる必要がある。
となると、和光でのほほんと研究しているわけには行かず、寄居に繰り出す必要がある。
(3) 寄居は田舎
ここで問題が生じる。寄居はあまりにも東京から遠くて、田舎すぎるのだ。それも、ちょっとそこらの郊外というレベルではない。まわりが森林や田んぼだらけという状況である。「ひょっとしたら人間よりもイノシシの方が数が多いのでは?」と思ってもいいくらいの田舎だ。
スーパーマーケットも、ろくにない。大手のイオンやヨーカドーなどはない。かろうじて、業務スーパーはある。だが、あとは中小のスーパーばかりだ。
交通も悪く、電車では、寄居駅から池袋駅まで1時間20分。東京駅まで1時間43分。自動車だと寄居駅から池袋駅まで1時間05分あまり。
似た場所だと、熊谷市、羽生市、館林市などがあるが、それよりも悪い。(もっと田舎だ。)
このような田舎になると、都会出身の人には、とうてい耐えきれない。「いくら何でも田舎過ぎる。とても我慢できない」というふうになる。
特に、恋人がいると悲惨だ。都会で働く女性が恋人だったら、彼女が都会の職場を捨てるはずがないので、寄居に勤務する夫のそばに来てくれるはずがない。かといって別居結婚もありえない。当然、彼女とは別れることになる。……そんなことを受け入れるわけには行かない。
また、彼女が未就職で、「寄居で職を見つけるわ」と言ってくれるとしても、あとになって、「こんな田舎だと子供の教育に悪いからダメ」と言い出しかねない。
というわけで、まともな理系の学生は、寄居という片田舎まで来てくれそうにない。当然、来てくれる学生は、レベルの低いポンコツだらけとなる。
「本当は都会にある日産に勤務したかったし、そこがダメでも郊外にあるトヨタに勤務したかったが、どちらにも入社できなかったので、仕方なく、ど田舎にあるホンダに入社します」
というポンコツしか残らないのだ。
https://diamond.jp/articles/-/325944
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2411/22/news103.html
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なお、本項の話題は、こうだ。
> このような田舎になると、都会出身の人には、とうてい耐えきれない。「いくら何でも田舎過ぎる。とても我慢できない」というふうになる。
したがって、都会出身の人でなく、田舎出身の人なら、寄居工場に勤務することに何ら支障はないだろう。田舎出身で東大卒・京大卒・早慶卒の人だっていっぱいいるしね。
本項で述べたのは、都会出身の人の話。
となると、「残りはポンコツだけだ」というのは、言い過ぎだったかな。すみません。
https://response.jp/article/2020/02/18/331817.html
で、その「四輪事業本部」の拠点の殆どは、栃木県内(主に芳賀郡芳賀町)にあるのでは? 埼玉県(和光や朝霞)にあるのは、四輪以外の、新モビリティやロボティクス、エネルギーなどの新価値商品・先進技術の研究開発部門、それから二輪の研究開発部門ですよね。
埼玉県の秩父に近い寄居工場は、ほぼ生産のみ(工場だけ)のはずですが、今後の電動車の生産拠点とする計画から、主にEVの生産技術≠フ開発と、一部にEVの研究開発も行われているということでは?
とにかく、ホンダについて述べているのに、栃木の拠点のことがさっぱりと抜け落ちていますね!
> ガソリン車の開発については、主に埼玉県の寄居工場が重要な役割を果たしています。寄居工場はホンダの"マザー工場"として位置づけられており、ここで開発された生産技術が世界のホンダ工場で使用されています。
Feloの回答
> 芳賀町にはホンダの研究開発拠点があり、主に新車の開発や試験が行われています。ここでは、ガソリン車の開発も行われており、特に新技術の研究や開発に力を入れています。芳賀町の施設は、車両の安全性や性能を確認するためのテストコースも備えており、実際の走行条件下での評価が可能です。
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生産技術は寄居で。運動性能は栃木のテストコースで。そういうことであるようだ。
本項では主に EV 技術開発をテーマとしているので、ガソリン車の運動性能開発は話の対象外だ。
ガソリン車は二社がそれぞれ統括会社の下のぶら下がる形で、現状維持となる。何も変わらない。だから話の対象外となる。
トヨタは豊田市の郊外の山中の下山というところに、巨大な高速試験場を建設した。
規模はどちらも似たようなものだが、航空写真で見ると、中身は全然違う。トヨタの方はびっくりだ。目が歪みそうだ。
https://x.gd/qVFQp
> 日産の陸別試験場は、高速周回曲線路の長さが明確に8.1kmと記載されており、国内最大級とされています。トヨタの士別試験場も10kmの周回路を持っていますが、これが高速周回路なのか、または総合的な試験路長なのかは明確ではありません。三菱の十勝研究所については、周回距離の具体的な情報が提供されていないため、比較が困難です。
> 結論として、提供された情報に基づくと、日産の北海道陸別試験場が自動車テストコースとして周回距離が日本最大であると言えます。ただし、各社の試験場は周回距離だけでなく、多様な試験路や設備を備えており、それぞれの特徴や目的に応じた設計がなされています。